
Android Bazaar and Conference 2010 Spring開催
6月26日、東京大学・駒場キャンパス13号館にて、日本Androidの会(会長:丸山不二夫・早稲田大学大学院客員教授)が主催するイベント「Android Bazaar and Conference 2010 Spring」が開催された。
Androidアプリケーション等を紹介する「Bazaar」や各種講演などで盛り上がりを見せたこのイベントの中から、B会場で行われたセッションの模様をリポートする(A会場のリポートはこちら)。
「Android Bazaar and Conference 2010 Spring」B会場セッション内容
- 頓知・株式会社 「セカイカメラの育て方」
- アドビシステムズ株式会社 「コンテンツプラットフォームとしてのAndroidの将来性」
- 日本通信株式会社 「Androidが真価を発揮するカギ“携帯網の開放”」
- 株式会社GClue 「Mobile 2020~スマートイノベーションで激変するモバイルビジネス最前線~」
- 日本Androidの会女子部 「女がAndroidを選ぶ時」
最初のセッションは、頓知・(株)の栗田正樹氏と高橋憲一氏、日本システム開発(株)の石原正樹氏が公演を行なった。まず栗田氏が100万ダウンロード達成、エアタグのミリオン突破などといったAR(拡張現実)アプリケーション「セカイカメラ」の現状を説明。次に高橋氏が「セカイカメラの育て方~OpenGL ESとNDK~」との題目で、Android版セカイカメラ開発におけるOpenGL ES(※)とNDK(Native Development Kit)の使用例について具体的なソースコードを提示しつつ解説を行なった。

頓知(株)の栗田正樹氏(左)と高橋憲一氏(中) 日本システム開発(株)石原正樹氏(右)
またAndroid版セカイカメラの開発に関わった石原氏は「セカイカメラ開発から見たAndroidアプリケーション開発の現状とAndroid内部構造」と題し、Android版セカイカメラ開発時に起きたAndroidならではの障害例を説明。SurfaceVeiwとZ-Orderに関する障害やSurfaceFlingerのメモリ不足による障害などを紹介しつつ、「現状ではハードウェアやプラットフォーム特性等についても知らないと解決できない問題がある」とまとめた。
※3Dコンピュータグラフィックス用 API
次のセッションにはPickle(株)社長のデイビッド・コリエ氏とアドビ システムズ(株)テクニカルエバンジェリストの太田禎一氏が登壇。まずコリエ氏が携帯コンテンツやソーシャルアプリを手がけるPickleの事例を紹介しつつ、日本のモバイルコンテンツ市場はユーザ獲得、リテンション、マネタイズ面を考慮すると、SNSでのブラウザベースコンテンツが最も発展性があるのではないかとの持論を展開した。

Pickle(株)デイビッド・コリエ氏(左) アドビ システムズ(株)太田禎一氏(右)
続いて太田氏はFlash・HTML5対応のフルwebや、アプリがマーケットに並ぶまでの障害の少なさ、マルチスクリーンといったAndroidの優位性を紹介しつつ、アドビもAndroid用にFlashを最適化していく点を強調。β版が提供開始されているAIR for Androidも年内リリース予定であることなども紹介した。

日本通信(株)福田尚久氏
3つめのセッションには日本通信(株)が登場。まず代表取締役専務COOの福田尚久氏が同社の取り組む携帯通信網のオープン化について説明。
NTTドコモとレイヤ2(※)接続してオープン・ネットワーク、オープン・デバイスを実現している点を強調し、多様な端末の登場が期待できるAndroidでは携帯キャリアの枠に縛られない展開が可能となるとした。

日本通信の携帯オープン化の仕組み
また社長の三田聖二氏も急きょ登壇。「次世代経済の基盤は製造業が“物理的な栄養”を届けるものではなく、無線中心の次世代インターネットによって“知的・精神的栄養分”を届けるものとなるだろう」と話し、その上で無線通信のオープン化の重要性を説いた。
※OSI参照モデルにおいて、全7階層のうち第2層に位置している。直接接続された機器が通信を行うための方式が規定されている。

(株)GClue佐々木陽氏
4つめのセッションではモバイルアプリケーション開発を手がけるGClueの佐々木陽氏が登壇。スマートデバイスの現状と今後の展望等を解説した。
スマートデバイスを取り巻くビジネスモデルはSmart Phone、Smart Book、Smart TVの3スクリーン+1クラウドのスタイルとなると説明。その上でGoogleやApple、Nokia、Samsungとった各企業がデバイスごとにOSやアプリストア等をどう構成しているのかを解説していった。

各企業の3デバイス+1クラウド戦略を説明
また沸騰するPonP(Platform on Platform)市場現状にも触れ、Smart AD分野やSmart Client分野などで面白いミドルウェアを開発している企業を各社が積極的に買収していると説明。ミドルウェアの囲い込みによって自社のプラットフォームの優位性を強調する戦略であると解説した。その上で売り切り型のアプリよりもミドルウェア+コンテンツ、ミドルウェア+サーバーデータベースタイプのビジネスが今後の市場の主導権を握るのではないかと予測した。
最後のセッションには日本Androidの会女子部より矢野りん氏、Tunakko氏、あんざいゆき氏が登場。「なぜ女性はスマートフォンを使わないのか。どうすれば女性がスマートフォンを使うようになるのか」というテーマに対し、和やかなムードでのトークセッションが繰り広げられた。

矢野りん氏(左)あんざいゆき氏(右)
女性がスマートフォンを使わない理由を独自の視点から「アフォーダンス喪失型」「先行オーガナイザー欠乏型」「環境コンバージェンス型」の3タイプに分類し、タイプごとの対応策を協議。またデコレーションやデザインに関する女性の見方を紹介した。最後にAndoridデバイスユーザ向けの敷居の低い組織として「Android Forum Of Japan」(略称AFO-J、あふぉじぇー)の発足を宣言、男女問わずAndroidの基本的な疑問に答えられるフォーラムを目指すと意欲を見せた。
各セミナーの模様はUstreamでご覧いただけます。
- 頓知・株式会社 「セカイカメラの育て方」(録画はありません)
- アドビシステムズ株式会社 「コンテンツプラットフォームとしてのAndroidの将来性」
- 日本通信株式会社 「Androidが真価を発揮するカギ“携帯網の開放”」
- 株式会社GClue 「Mobile 2020~スマートイノベーションで激変するモバイルビジネス最前線~」
- 日本Androidの会女子部 「女がAndroidを選ぶ時」
A会場のリポートはこちら
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