噂の“レンズだけカメラ”ソニー「QX10/100」の使い方を徹底検証!

2013年11月01日 10:30 by 石川雅之
噂の“レンズだけカメラ”ソニー「QX10/100」の使い方を徹底検証!
手のひらサイズの“レンズだけカメラ”をレビュー

手のひらサイズの“レンズだけカメラ”をレビュー

Xperia Z1」が好調なソニーから、スマホと接続するおもしろいカメラが登場しました。一見するとレンズしか付いていない「QX10」と「QX100」です。

 

最近のスマホのカメラは高画素が売りになっていますが、スマホのレンズサイズには限界があるので、高画素≠高画質となる場合も多いです。

 

そこを補ってくれるのが「QX10」と「QX100」。その実力のほどを街で撮影して検証します。

 

ソニーストア
 

スマホのカメラと性能のレベルが違う

レンズのサイズは「QX10」が幅62.4 x 高さ61.8 x 奥行33.3mm、「QX100」が幅62.5 x 高さ62.5 x 奥行55.5mmと大きく、コンパクトデジタルカメラと同等の高品位レンズを搭載。光をデジタル化するセンサーも、スマホのものとはレベルが違います。

 

そして”レンズだけカメラ”にはもうひとついいことがあります。それは、圧倒的に軽いことです。本体のみで「QX10」が約90g、「QX100」が約165gです。

 

詳しくは後述しますが、この2機種の大きな違いは前者が光学10倍ズームでソニー製高級レンズ採用。後者が光学3.6倍ズームで高感度・高画質のカール・ツァイスレンズを採用していることです。

 

「QX10」(上)「QX100」(下)

「QX10」(上)「QX100」(下)

 

2機種とも高性能なレンズなので撮影はマニュアルがメインになりますが、特に設定をいじることなく撮ってみました。アプリの性能よりもレンズ性能を単純に比較するためです。ご購入の参考にしていただけたら幸いです。

 

“レンズだけカメラ”は何がいいの?

「でも、スマホのカメラで十分そうだけど…」と言う方のために、“レンズだけカメラ”のよいところをいくつか紹介します。

 

  • 狭い隙間でもレンズだけなら楽々撮れる
  • レンズの向きに関係なく見やすい角度でスマホの液晶を見られる
  • スマホのレンズとは別次元のハイクオリティな写真が撮れる
  • 光学ズームが使える

 

“狭い隙間”でも撮りやすいのは便利ですね。特に、運動会や人が大勢集まる場所などで効果を発揮します。

 

高い位置からの撮影にも便利(左)人の隙間を縫って撮影(右)

高い位置からの撮影にも便利(左)人の隙間を縫って撮影(右)

 

地面に近づいて空を見上げたり、逆に上から見下ろして撮る場合など、体の負担も少なく、気軽に撮影できます。

 

NFC搭載のAndroidスマホなら一発接続できる!

NFC対応のスマホなら、パスワードなどの面倒な作業も一切必要ありません。NFCを搭載している「Xperia」(※)を使っているなら、操作は標準のカメラとそっくりなのですぐに使えるかと思います。

 

※NFC搭載の「Xperia」スマートフォン端末:ドコモ(AX SO-01EZ SO-02EA SO-04EZ1 SO-01F)、au(VL SOL21UL SOL22Z1 SOL23

 

NFCでピッと接続するだけの簡単操作

NFCでピッと接続するだけの簡単操作

 

手間のかかる接続設定は嫌ですよね。ソニーが無料で配布している『PlayMemories Mobile』をインストールしておくだけで、「QX10」「QX100」のNFCを認識して撮れる状態になります。

 

iPhoneにも対応していますが、NFC未対応機種なので手動での接続が必要です。Androidの優位性を体験できます。

 

NFCで「Xperia Z SO-02E」と接続中(左)「設定」画面(右)

NFCで「Xperia Z SO-02E」と接続中(左)「設定」画面(右)

 

簡単に接続できますが、もちろん細かい設定も可能です。

 

通常の設定では、高画質な画像はレンズ本体に保存して、その縮小画像をスマホに転送するようになっていますが、高画質の画像をリアルタイムでスマホに保存することもできます。少し転送に時間はかかりますが、キレイな画像を配布する場合に便利ですね。

 

圧倒的なクオリティを誇るカール・ツァイスレンズ採用の「QX100」

では、それぞれのカメラの特徴について説明いたします。

 

ドイツの高級レンズブランド・カール・ツァイスのカール・ツァイスレンズ、バリオ・ゾナーを採用した「QX100」は、同社の高級コンパクトデジタルカメラ「DSC-RX100」と同じレンズとセンサーが搭載されています。

 

外観は、高性能でも手のひらサイズでコンパクト。カール・ツァイスのロゴマークはシールではなく刻印です。塗装も高級感があります。

 

「QX100」。ズームとシャッターボタンも搭載されている

「QX100」。ズームとシャッターボタンも搭載されている

 

ズームとシャッターボタンが付いているので、液晶はないですがレンズ単体でも撮影可能です。シーンに合わせてスマホかレンズか使いやすい方を選ぶのがいいですね。

 

側面。バッテリーの残量が確認できる

側面。バッテリーの残量が確認できる

 

本体横のキャップを開けると、micro USB端子、micro SDスロットがあります。日本ではあまり普及していないM2メモリにも対応しています。

 

キャップを開けると、micro USB端子、micro SDスロットがある

キャップを開けると、micro USB端子、micro SDスロットがある

 

QX10」「QX100」共通の仕様として、一般的な三脚または付属のアタッチメントでiPhoneやAndroidスマホ(ただし取り付け可能なサイズに限界あり)に装着して撮影が可能になっています。これはよい仕様ですね。

 

付属のアタッチメント。厚さ13mm以下、幅54~75mmのスマホに装着可能

付属のアタッチメント。厚さ13mm以下、幅54~75mmのスマホに装着可能

 

カメラを卓上に置いて、スマホでゆっくりとアングルを決めるなど、利用の幅が広がります。

 

「QX100」接続時の「Xperia Z SO-02E」操作画面

「QX100」接続時の「Xperia Z SO-02E」操作画面

カール・ツァイスレンズ採用の「QX100」の操作画面です。画面の下の方にメモリのようなものが見えるでしょうか。

 

F1.8と書いてるのは明るさを示す単位(絞り値)です。この数字が小さいほど暗いところでも強く、美しいボケ味が出ます。

 

通常のスマホのカメラはF3.5からF2.8が一般的です。もし従来のスマホのカメラに不満があるようでしたら、きっと別次元のクオリティに感動します。

 

写真は、人物の肌の質感、衣服の素材感、風景を撮っても高感度・高品質なレンズのおかげで色鮮やかに残せます。あまり高画質な画像が必要ない時は、スマホのカメラと使い分けできます。

 

肌の質感、衣服の素材感がクッキリ。ポートレートでも威力を発揮する

肌の質感、衣服の素材感がクッキリ。ポートレートでも威力を発揮する

 

抜けるような空の青さ、ビルの窓ガラスの質感もキレイに撮れています。また、ローアングルの撮影もスマホの液晶を見ながら簡単にできました。液晶の見やすい方向しか撮れないスマホのカメラとはまったく違いますよ。

 

空の青さとビルの窓ガラスの質感に注目(左)ローアングルで看板を撮影(右)

空の青さとビルの窓ガラスの質感に注目(左)ローアングルで看板を撮影(右)

 

中華料理店で接写も試してみました。少し薄暗い店内でしたが、シュウマイにこれだけ寄って撮れるのはいいですね。周辺は美しくボケています。

 

ここまで料理を接写できるのは「QX100」ならでは

ここまで料理を接写できるのは「QX100」ならでは

 

接写から中望遠まで、非常に使い勝手のよいレンズです。

 

光学10倍ズームとGレンズ採用「QX10」

QX10」は、ソニーの高品位レンズ「Gレンズ」を採用しています。カール・ツァイスレンズの圧倒的なクオリティにはかないませんが、「Gレンズ」も高級レンズブランドの1つです。おまけに光学10倍ズームが使えるなど撮りたいものを遠くから撮ることができます。

 

また、明るさが同じレンズを採用しているスマホのカメラと比較して、「QX10」はカメラ専用の設計であるためにより美しく撮れます。さらに、価格も「QX100」より半額程度安いのがうれしいですね。

 

「QX100」と同様にバッテリー残量が表示されている

「QX100」と同様にバッテリー残量が表示されている

 

レンズ本体の大きさは「QX100」と比較して、半分程度と非常に軽量でコンパクト。

 

こちらも本体側面には、ズームとシャッターボタンとバッテリー残量が表示される液晶が付いています。スマホでもカメラ本体でもどちらでも操作できるようになっています。もちろん併用できます。

 

こちらも同じく、ズームとシャッターボタンを搭載

こちらも同じく、ズームとシャッターボタンを搭載

 

NFC対応のスマホと接続するにはNFCマークにタッチする必要があります。一瞬でもよいのですが、1秒くらいはタッチしておいた方が安定して使えました。

 

Nと書かれているのがNFC。端末のNFCとこのマークをタッチさせて接続する

Nと書かれているのがNFC。端末のNFCとこのマークをタッチさせて接続する

 

「QX100」は本体の裏蓋を開閉しなくてもメモリーカードの取り外しが可能ですが、「QX10」は裏蓋を開閉する必要があります。

 

メモリーカードを使わない、または取り外さない方にとってはあまり影響ないですね。筆者はスマホで写真のデータを管理しているので、取り外す必要性が今のところありませんでした。

 

裏蓋を外してSDカードやメモリーカードを入れる

裏蓋を外してSDカードやメモリーカードを入れる

 

横浜のオシャレスポット、元町へ行ってスナップを撮りました。画像は色鮮やかなクロコダイルのカバンです。クロコダイルの質感や、老舗カバン店ならではのクオリティが高い縫い目なども美しく撮れているのがわかります。

 

高級なクロコダイルの質感もハッキリとわかる(撮影協力:キタムラ本店、横浜元町)

高級なクロコダイルの質感もハッキリとわかる(撮影協力:キタムラ本店、横浜元町)

 

そして光学10倍ズームを使って、赤い花の鉢植えも撮ってみました。かなりキレイです。レンズの性能がスマホのカメラとは次元が違いますね。

 

「QX10」が持つズームの性能の高さがわかる1枚

「QX10」が持つズームの性能の高さがわかる1枚

 

「QX10」と「QX100」、どちらを買うべきか?

では、「QX10」か「QX100」のどちらを買うべきか。下記左の画像は「QX10」と接続した「Xperia Z SO-02E」の画面です。続いて、右が「QX100」と接続した画面です。

 

「QX10」接続中の撮影画面(左)「QX100」接続中の撮影画面(右)

「QX10」接続中の撮影画面(左)「QX100」接続中の撮影画面(右)

 

高倍率の光学ズームが必要なら「QX10」、高感度・高画質で暗いところでもキレイに撮りたいなら「QX100」がおすすめです。もちろん世界が認めるカール・ツァイスレンズの画質はハイクオリティです。

 

下記2枚の画像は上から「QX10」、「QX100」を使って同じアングルで撮ったものです。

 

同じアングルで撮影した画像。「QX10」(上)「QX100」(下)

同じアングルで撮影した画像。「QX10」(上)「QX100」(下)

 

水面が輝く様子を見ればわかりやすいと思いますが、「QX100」で撮った画像の方がより鮮明に写っています。

 

同じように光ってはいますが、より多くの光を集められるカール・ツァイスレンズの特徴です。その他では、マスト(帆を張るために立てられた垂直棒)や照明の再現力も非常に高いものとなっています。

 

続いては光学ズームの比較です。それぞれ「QX10」、「QX100」の最大ズームで撮りました。

 

ズーム撮影の比較。「QX10」(上)「QX100」(下)

ズーム撮影の比較。「QX10」(上)「QX100」(下)

 

「QX10」の光学10倍ズームは優秀ですね。色の再現性は「QX100」のほうが上ですが、これだけ距離があり、複数の照明があっても暗く撮りにくい場所ですらピントが合います。

 

さらに接写の撮影比較もしてみました。上から「QX10」、「QX100」です。

 

ズーム撮影の比較。「QX10」(上)「QX100」(下)

ズーム撮影の比較。「QX10」(上)「QX100」(下)

 

「QX10」は「QX100」より近づいて撮れています。「QX100」は明るいレンズなので、通常の設定のままだとデジタル一眼レフカメラのようにピントが合っている部分と、そうでない部分のボケ味に差が出ます。

 

画像は個人の主観が強いですが、スマホのカメラのバージョンアップ版と考えるなら「QX10」、デジタル一眼レフカメラのようなボケ味を楽しみたいなら「QX100」ですね。

 

 

QX10」が光学10倍ズーム、「QX100」が3.6倍ズームと高感度・高画質でお互いの特性がまったく違います。

 

用途によってどちらを買うかを決めるのがいいと思いますが、2機種とも買うという方もいそうですね。レンズを交換できるスマホ。少し前までは考えられなかった、夢のようなことが現実になった感じです。

 

QX10」や「QX100」があれば、日常の何気ないシーンや旅のお供に、スマホでの撮影がワンランクアップしますよ。

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