2014年、Androidは新たなフェーズに突入~2013スマホ総括と今後の展望~

2013年12月31日 10:30 by 石川温
2014年、Androidは新たなフェーズに突入~2013スマホ総括と今後の展望~
2014年、Androidは新たなフェーズに突入~2013スマホ総括と今後の展望~

2014年、Androidは新たなフェーズに突入~2013スマホ総括と今後の展望~

2013年、日本のAndroid市場においては苦難の年であった。

 

NTTドコモが夏商戦で「ツートップ戦略」を掲げ、「Xperia A SO-04E」(ソニー)と「GALAXY S4 SC-04E」(サムスン電子)が売れた一方で、NECカシオ、パナソニックがスマホ事業から撤退。

 

ケータイのころから業界をリードしてきた、日本を代表する2社がいなくなってしまったことは、日本のスマホ業界にとっても将来的に大きな痛手となるだろう。

 

もうひとつ、大きなトピックとしては上げられるのが、NTTドコモのiPhone取り扱い開始だ。

 

苦難の2013年。“目に見える進化”が止まったAndroid

NTTドコモとしては、冬商戦は「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」(シャープ)、「ARROWS NX F-01F」(富士通)、「Xperia Z1 f SO-02F」(ソニー)といった「おすすめ3機種」を準備していたものの、ふたを開けてみれば、家電量販店のランキングなどでは上位を各キャリアのiPhone 5s/5cが独占。Androidスマホは下位に沈むこととなった。

 

NTTドコモがiPhoneに参入したことで、スマホ業界における話題の中心はすっかりiPhoneになってしまった感がある。

 

冬モデルのおすすめ3機種として紹介された「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」(左)「ARROWS NX F-01F」(中)「Xperia Z1 f SO-02F」(右)

冬モデルのおすすめ3機種として紹介された「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」(左)「ARROWS NX F-01F」(中)「Xperia Z1 f SO-02F」(右)

 

2013年を振り返ると、スマホブームで盛り上がっている一方で、iPhone、Android共に端末自体は完全に踊り場となってしまった。

 

これまでは、ディスプレイの大画面化、チップセットの高機能化、OSのバージョンアップといった進化が劇的に進んでいたので新製品の登場が待ち遠しかったが、今年は、5インチ以上、クアッドコアが当たり前になるなどハード面での特段な進化はなかったし、OSバージョンアップもマイナーなものに留まった。

 

大画面は当たり前、大容量バッテリーを搭載するスマホが続出。「Xperia Z1 SO-01F」(左)「AQUOS PHONE SERIE SHL22」(右)

大画面は当たり前、大容量バッテリーを搭載するスマホが続出。「Xperia Z1 SO-01F」(左)「AQUOS PHONE SERIE SHL22」(右)

 

各社とも「電池寿命」といった、便利であるが地味な面での争いに突入しまった感があり、スマホファンとしてはワクワクすることがなくなってしまったのだ。

 

Googleも注目。2014年に期待される「第3のOS」

一方、2014年を語る上で、期待したいのが「第3のOS」とも言われているTizen、Firefox OSの動向だ。

 

TizenにはNTTドコモとサムスン電子が注力しており、一方のFirefox OSはKDDIが開発に熱心だ。特にKDDIは、田中孝司社長の肝いりのプロジェクトとして動いている模様。自称「スマホのプロ」と豪語する田中社長が檄(げき)を飛ばして開発しているだけに、スマホファンはぜひとも期待しておきたいところだ。

 

KDDIの田中社長。冬モデル発表会にて

KDDIの田中社長。冬モデル発表会にて

 

Tizenスマホに関しても、一時期は「サムスンが開発を辞めた」といったような報道が流れたが、順調に発売に向けて準備が進んでいるようだ。日本でも年明け早々には新しいニュースが聞こえてくるものと思われる。

 

これまでは、アップルの動向さえ追っていればよかったGoogleのAndroid開発陣ではあるが、これからは第3のOSも意識して戦略を練る必要が出てきた。

 

Googleと交渉しているキャリア関係者は、「GoogleとしてもFirefoxの動きは気になってきているようだ。これまでの方針を転換するなど周りの環境に配慮し、空気を読むようになった感がある」という。

 

Googleにおいては、これまで開発の責任者であったアンディ・ルービン氏が異動となり、ロボット開発に携わるようになった。Androidを統括するポジションについたのが、それまでChrome OSなどを手がけていたスンダール・ピチャイ氏。

 

同氏がAndroidとChrome OSの両方を統括するということは、将来的には何らかの見直しが入る可能性は高い。早ければ2014年中にも、2つのプラットフォームの統合といった動きが出てくることもあり得るだろう。

 

個性的かつキャリアに依存しないスマホの増加

2014年、端末においては、これまでのような正統な進化は一段落し、「変化球」で勝負してくるメーカーが増えてきそうだ。

 

例えば、サムスン電子が「GALAXY ROUND」、LGエレクトロニクスが「LG G Flex」という曲がったディスプレイを採用したスマホを韓国などで販売している。

 

LG G Flexに関しては、曲面にしたことで、映像などが見やすく、また操作時に指が届きやすくなるというメリットがあるという。日本でも発売される可能性が高く、これまでのスタンダードなスマホに比べると、ちょっとした個性があって、おもしろい存在になりそうだ。

 

LG G Flexは6インチであるが、2014年春以降は6インチを超えた「ファブレット」と呼ばれるジャンルの商品が続々と出てくるものと思われる。ソニーも海外では6.4インチの「Xperia Z Ultra」を投入しており、日本での発売が期待されている。

 

2014年に日本のスマホ市場が盛り上がる上で、キープレイヤーになりそうなのがMVNOたちだ。彼らが安価で便利なSIMカードを販売してくれることで、キャリアに依存しないスマホが増えてくる可能性が出てきた。

 

格安SIMサービスに注目

格安SIMサービスに注目

 

すでに、NECビッグローブがシャープ「AQUOS PHONE」を調達して、独自に通信サービスと端末を組み合わせての販売を2月から行おうとしている。

 

また、日本メーカーのなかには、キャリアに依存しないかたちの、全く新しいSIMロックフリースマホを準備しているところもある。メーカー関係者に話を聞くと「キャリアから余計な指示をされることなく、自由に開発できるのが楽しい」と語る。

 

2014年には、いままでにはないようなメーカーの特色が惜しげもなく突入されたスマホというのがお目見えすることだろう。

 

「格安SIM」、「MVNO」とは?こちらもチェック

 

当然のことながら、キャリアによる2年縛りの割賦での購入はできないため、端末代は高くなることは間違いない。しかし、個性的で、本当に自分が欲しいと思えるスマホに出会えるチャンスは格段に増えることになる。

 

ここ最近、少しワクワク感に乏しかったスマホの新製品群であるが、2014年は第3のOSも登場し、新たなフェーズに突入するのは間違いなさそうだ。