Androidの魂を持ったガラケー!?「AQUOS K SHF31」を使ってみた

2015年02月27日 10:30 by せう
Androidの魂を持ったガラケー!?「AQUOS K SHF31」を使ってみた
「AQUOS K SHF31」を使ってみた

「AQUOS K SHF31」を使ってみた

andronaviをご覧の方のほとんどはスマートフォン・タブレットを既に使っていると思いますが、様々な理由から従来型携帯電話(「フィーチャーフォン」「ガラケー」とも呼ばれる)を使い続けている、という方も少なくありません。

 

MM総研の調査によると、昨年は2008年以降の調査で初めて従来型携帯電話の出荷が前年超えしたようで、根強いニーズが伺えます。

 

一方、フィーチャーフォン向けのWebサービスは昨今縮小傾向で、スマホ・タブレットとの「サービス格差」あるいは「コミュニケーション格差」が生じつつあるのが現状です。また、本体そのものも数年前に発売した機種の“焼き直し”がほとんどで、技術の革新はもとより部品の調達面でも厳しい面が出てきています。

 

そんな中、au(KDDI・沖縄セルラー電話)の2015年春モデル「AQUOS K SHF31」がにわかに注目を集めています。見た目は今までのフィーチャーフォンと変わりありませんが、OSにAndroid 4.4を採用したことを筆頭に、スマートフォン用のハードウェア・ソフトウェアを使って作られているのです(通称「ガラホ」)。

 

Androidを使っているのなら、andronaviの「守備範囲」。取り上げない訳にはいきません。そこで、andronavi執筆陣の中では数少ない(?)フィーチャーフォンをメイン携帯電話としている筆者が「AQUOS K」を徹底的にレビューします。

 

「AQUOS K」の主な特徴

 

見た目はどこからどう見ても「ガラケー」

まず、見た目は普通の折りたたみフィーチャーフォン(ガラケー)です。時計や電話・メールの着信通知などを表示するディスプレイや通知LEDが付いているので、折りたたんだ状態でも便利に使えます。

 

どこからどう見ても折りたたみ式のフィーチャーフォンにしか見えない「AQUOS K」。画面裏面にはサブディスプレイもある

どこからどう見ても折りたたみ式のフィーチャーフォンにしか見えない「AQUOS K」。画面裏面にはサブディスプレイもある

 

本体を開くと、フィーチャーフォンでおなじみのテンキーや方向キーなどが並んでいます。フィーチャーフォンにおいて、auではメーカーを問わずキー配列・機能を統一してきました。

 

「AQUOS K」のキー配列はそれに概ね準拠しているため、auフィーチャーフォンユーザの多くは違和感なく使えるはずです。テンキー部は「クリートラインキー」と呼ばれる傾斜処理が施されているキーを採用していて、非常に押しやすくなっています。

 

キー配列は昨今のauフィーチャーフォンとほぼ同じ(左)写真では若干わかりづらいが、テンキー部は傾斜のある「クリートラインキー」で押しやすい(右)

キー配列は昨今のauフィーチャーフォンとほぼ同じ(左)写真では若干わかりづらいが、テンキー部は傾斜のある「クリートラインキー」で押しやすい(右)

 

画面は約3.4インチの540×960ドット(QHD)液晶を採用していて、1インチ当たりの画素数は約328ピクセルと高密度です。いずれも今までのフィーチャーフォンよりもハイスペックです。

 

また、液晶の画素を照らすバックライトには特に赤色の表現力に定評のある「PureLED」(ピュアレッド)を採用しています。文字はよりハッキリと、画像はより美しく楽しめます。

 

画面は今までのフィーチャーフォンとあまり変わらないものの、解像度がQHDと高くなり、文字や画像が見やすくなった

画面は今までのフィーチャーフォンとあまり変わらないものの、解像度がQHDと高くなり、文字や画像が見やすくなった

 

操作は「ガラケー」そのもの+α

以前、シャープではソフトバンク向けに供給した「AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH」に始まる「テンキー付きスマートフォン」を数機種開発してきました。しかし、それはあくまで「スマートフォン」であって、操作の作法は普通のAndroidスマホと同じく画面のタッチパネルでの操作が主体でした。

 

待受画面に表示された通知(左)は下キーを押してから左右キーで選択すると詳しい通知が見られる(右)出てくる通知画面はAndroidのそれを感じさせる

待受画面に表示された通知(左)は下キーを押してから左右キーで選択すると詳しい通知が見られる(右)出てくる通知画面はAndroidのそれを感じさせる

 

しかし、「AQUOS K」ではタッチパネルをあえて搭載せず、従来のフィーチャーフォンと同じように操作を行います。例えば、待ち受け画面で決定キーを押すとメインメニュー、左キーを押すと着信履歴、右キーを押すと発信履歴、上・下キーを押すと待受画面上のアイテムへのアクセスができる、といった感じです。

 

機能の終了はとにかく終話キーを押せばOK、というフィーチャーフォンの分かりやすさも再現できています。端末内データへのアクセスもauケータイでおなじみの「データフォルダ」で行います(※1)。

 

(※1)パソコンに接続すると、通常のAndroidスマホと同じようにMTP(File Transfer Protocol)デバイスとして認識します。Windowsでは追加ソフト不要で、Mac(OS X)では以前ご紹介したGoogleの「Mac File Transfer」アプリを使ってファイルのやりとりができます。

 

メインメニューの構造もフィーチャーフォンそのもの(左)目新しいのは『LINE』があるところ。端末でのデータ管理は「データフォルダ」で行う(右)

メインメニューの構造もフィーチャーフォンそのもの(左)目新しいのは『LINE』があるところ。端末でのデータ管理は「データフォルダ」で行う(右)

 

また、バックグラウンドでの通信も原則として行わないことも同様で、バッテリー持ちや余計な通信が気になってスマホにできなかった、という方にも配慮しています。

 

追加したアプリではバックグラウンドで通信することもある。それを制限するかどうかは随時設定可能(画像はアプリインストール直後での設定画面)

追加したアプリではバックグラウンドで通信することもある。それを制限するかどうかは随時設定可能(画像はアプリインストール直後での設定画面)

 

とは言え、スマホライクな操作もできたらできたで嬉しいもの。「AQUOS K」ではタッチパネルの代わりに「タッチクルーザーEX」という静電式ポインティング機能を用意しています。

 

以前ドコモ向けのフィーチャーフォンにあった「タッチクルーザー」を改良し、キーパッド面全体をセンサーとしています。また、ピンチイン・ピンチアウト操作にも対応していて、表示の拡大・縮小がかんたんにできます。

 

標準設定では利用可能な機能が起動すると有効になりますが、発話キーの長押しで手動でON/OFFの切り替えもできます。「画面に直接触るのに抵抗がある…」という理由でスマホを敬遠していた方も、スマホならではの操作を画面に触らずできるようになって嬉しいはずです。

 

「タッチクルーザーEX」は左の写真の赤枠の範囲内で反応する。操作に対応する機能が起動すると通知エリアにその旨が表示される

「タッチクルーザーEX」は左の写真の赤枠の範囲内で反応する。操作に対応する機能が起動すると通知エリアにその旨が表示される

 

Androidベースで「スマホ」の要素を取り入れて便利に!

冒頭にも書いたとおり、「AQUOS K」はAndoidスマホのハードウェア・ソフトウェアを使って作られています。その“良さ”を活かし、今までのフィーチャーフォンには無かった機能をいくつか搭載しています。

 

その筆頭が「au 4G LTE」への対応です。スマホ用通信チップを使うことで、より高速・低遅延なモバイルデータ通信ができるようになったのです。また、auのフィーチャーフォンとしては初めてWi-Fi(無線LAN)を使ったテザリングが可能となりました(※2)。

 

フィーチャーフォンをメインにしているユーザはタブレットやパソコンを一緒に持ち歩くことが意外と多く、「ケータイでもテザリングしたい!」というニーズに結果として応えられるようになりました。Bluetooth(PANプロファイル)やUSBケーブルでのテザリングももちろん可能です(※3)。

 

(※2)専用ケーブルやBluetoothでパソコンとつないでネット接続することは従来のauフィーチャーフォンでも一部機種を除き可能でした。

(※3)USBテザリングはWindows Vista以降のWindowsでは追加ソフト不要で、Macでは以前ご紹介した「HoRNDIS」などの仮想NDISドライバーをインストールしておくと使えます。

 

普通のAndroid端末と同じくUSB、BluetoothやWi-Fiでのテザリングが可能。「AQUOS K」とパソコン(タブレット)だけで高速モバイルインターネットが可能になる

普通のAndroid端末と同じくUSB、BluetoothやWi-Fiでのテザリングが可能。「AQUOS K」とパソコン(タブレット)だけで高速モバイルインターネットが可能になる

 

更に、ネット接続にWi-Fiが使えるのも恩恵です(※4)。対応規格はIEEE802.11b/g/n(2.4GHz帯)で、追加料金は一切かかりません。自宅や外出先のWi-Fiアクセスポイントにつなげれば、余計なパケット通信を発生させずにWeb閲覧や各種アプリを利用できます。IEEE802.11a/ac/n(5GHz帯)には対応していないのが残念ではありますが…。

 

(※4)以前、auでは「Wi-Fi WIN」というフィーチャーフォン用のWi-Fi接続機能があったのですが、2014年6月30日をもってサービスを終了してしまいました。そういう意味ではフィーチャーフォンでのWi-Fiネット接続が“復活”したことになります。

 

Wi-Fi接続にも対応。モバイル回線の通信容量制限を気にすることなくガンガンアプリや動画のダウンロードができる

Wi-Fi接続にも対応。モバイル回線の通信容量制限を気にすることなくガンガンアプリや動画のダウンロードができる

 

カメラもスマホ譲りでかなり高機能になりました。逆光下でもくっきりとした写真を撮れる「リアルタイムHDR」機能、写真の構図の補助をしてくれる「フレーミングアドバイザー」、カメラに写った英語の文章を日本語に翻訳してくれる「翻訳ファインダー」など、シャープの最新Androidスマホ・タブレットとほぼ同等の機能を備えています。

 

もちろん、「AQUOS K」のキー操作に最適化されていますし、タッチクルーザーEXを使ったデジタルズームも可能です。

 

昨今のシャープ製スマホのカメラでイチオシしている機能も「AQUOS K」で使える。キレイな構図で写真を撮る手助けをしてくれる「フレーミングアドバイザー」は筆者的にもお勧め(ちょっと皿の上の料理が寂しいのは、撮影を忘れて食べてしまったため)

昨今のシャープ製スマホのカメラでイチオシしている機能も「AQUOS K」で使える。キレイな構図で写真を撮る手助けをしてくれる「フレーミングアドバイザー」は筆者的にもお勧め(ちょっと皿の上の料理が寂しいのは、撮影を忘れて食べてしまったため)

 

LINEも“スマホ並み”に楽しめる!

昨今のフィーチャーフォンユーザが一番“疎外感”を感じるもののひとつである『LINE』。フィーチャーフォンでもテキストメッセージのやりとりはできるのですが、リアルタイム更新されないため再読込をしないと最新のメッセージを表示できません。さらに、音声通話(LINE電話を含む)やスタンプ購入もできません。

 

しかし、「AQUOS K」では専用『LINE』アプリを使えます(初回にメーカーサイトからダウンロードする必要あり)。このアプリはAndroid版ベースなので、音声通話もスタンプ購入も可能です。これでフィーチャーフォンだからと“仲間外れ”になることもありません。

 

『LINE』利用時を初めて使う際は、メニューのLINEアイコンを選択してアプリをダウンロード。セットアップすればスタンプ(左)もLINE電話(右)もできる

『LINE』利用時を初めて使う際は、メニューのLINEアイコンを選択してアプリをダウンロード。セットアップすればスタンプ(左)もLINE電話(右)もできる

 

『LINE』以外にも、「auスマートパス」から「AQUOS Kに」最適化されたアプリをダウンロードできます(※5)。これから順次追加していく予定だそうなので、期待しましょう!

 

(※5)Google Playには対応していません。また、apk(Androidアプリのパッケージファイル)からのアプリインストールも本体単体ではできません。無理矢理インストールする方法もあるのですが、タッチ操作前提のアプリが多い中でAQUOS Kで快適に使える保証がないのでお勧めできません。。

 

auスマートパスからは「AQUOS K」に最適化されたアプリをダウンロードできる

auスマートパスからは「AQUOS K」に最適化されたアプリをダウンロードできる

 

「AQUOS K」はそれがAndroidベースであると感じさせないほどにしっかりフィーチャーフォンに仕上がっています。それでいて、4G LTE対応、Wi-Fiテザリング対応などAndroidベースであることを活かした機能も、使いやすく落とし込んでいます。

 

「フィーチャーフォンは手放せないけど、LINEはフル機能で使いたい!」という方や、「メインのフィーチャーフォンで高速テザリング機能を持たせてパソコン・タブレットを快適に使いたい!」という方には特にお勧めの機種です。auショップなどで、手に取れる実機を是非試してみてください!

 

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