SIMロック解除でもっとおトクに!海外旅行でプリペイドSIMカードを活用する方法

2015年05月01日 07:00 by せう
SIMロック解除でもっとおトクに!海外旅行でプリペイドSIMカードを活用する方法
海外旅行でプリペイドSIMカードを活用する方法

海外旅行でプリペイドSIMカードを活用する方法

まもなく、携帯電話端末のSIMロック解除が原則義務化されます。

 

先日の特集では、大手キャリアが販売したスマホ・タブレットのSIMロック解除のメリット・デメリットを見ていきました。

 

今回の特集では、特に多くの読者のみなさんにメリットが大きいであろう、SIMロックフリースマホ・タブレットで海外のプリペイドSIMカード(以下:プリペイドSIM)を使う方法をご紹介します。

 

国内ならこちらもオススメです!

 
 

滞在日数が長いほど現地のプリペイドSIMがおトク!

大手キャリアでは、海外でも通信できる「ローミング」と呼ばれるサービスを提供しています。キャリアが提携している海外通信事業者(オペレーター)のエリアにおいて通話やデータ通信が利用可能です。

 

ローミングサービスのメリットは日本で使っている電話番号でそのまま電話の発着信ができること、一部のIPアドレス(※1)でサービス提供を制限するWebサイトやアプリを日本と同様に使えることが主に挙げられます。

 

しかし、ローミング中は、音声通話の着信時にも料金が発生したり、パケット通信定額が国内向けのものとは別個で(※2)1日または24時間単位だったりするので、滞在日数が長くなるほど割高になってしまうという大きな問題があります。

 

例えば、ドコモの「海外1dayパケ」は事前申し込みしておけば24時間980円~1580円で30MBまでの通信が定額となり、同じくドコモの「海外パケ・ホーダイ」は国内向けのパケット定額を申しこんでおけば事前申し込みなしで1日の上限通信料金が2,980円となります。これらの料金は国内のパケット定額とは別個に料金計算されるので、1週間海外にいるとなると大変な出費になります。

 

ドコモは「海外1dayパケ」(上)と「海外パケ・ホーダイ」(下)と2種類の海外パケット定額があるが、いずれも国内より割高

ドコモは「海外1dayパケ」(上)と「海外パケ・ホーダイ」(下)と2種類の海外パケット定額があるが、いずれも国内より割高

 

(※1)インターネット上のアドレスのことです。特に動画や音楽関係のサービスはIPアドレスで視聴者の在住地域判定を行っていることが多いです。

(※2)ソフトバンクでは「アメリカ放題」という、月額980円を追加して支払えば国内のパケット定額がアメリカ国内でも適用される制度があります(現在はキャンペーン中で無料)が、あくまで例外です。
 

海外での滞在日数が長め(概ね3日以上)になる場合は、現地で販売されているプリペイドSIMカード(以下:プリペイドSIM)を購入して使うと、通信費を節約できる可能性が高まります。

 

筆者が“初海外”として最近行った香港を例にすると、「3」(Three)の198香港ドル(約3,095円)のプリペイドSIMでは、178香港ドル(約2,783円)分のチャージで30日・1.5GBまで、63香港ドル(約985円)分のチャージで10日間・500MBまでのLTE・3Gデータ通信ができます。

 

長期滞在するのであれば海外パケ・ホーダイ1日分で1ヶ月、そこまで滞在しなくても海外1dayパケ約1日分の料金で約17倍の高速データ通信ができてしまいます。

 

また、「China Mobile Hong Kong」(中国移動香港)の80香港ドル(約1,251円)のプリペイドSIMでは、48ドル(約750円)分のチャージを使うと5日間・1.5GBまでのLTE・3G通信ができます。日数あるいは容量を使い切ってしまうとチャージが中途半端に余りやすいのが難点ですが、割り切って使えばこちらもローミングするよりはお得です。

 

筆者が買った「3」(左)と「China Mobile Hong Kong」(右)のLTE対応プリペイドSIM。実は、場所によっては定価よりも安く買える

筆者が買った「3」(左)と「China Mobile Hong Kong」(右)のLTE対応プリペイドSIM。実は、場所によっては定価よりも安く買える

 

どうやって買うの?

プリペイドSIMは渡航先によって買い方が異なる場合がありますが、空港、国際フェリー乗り場、国境付近の鉄道駅など、外国人が多くいる場所では自動販売機や専用カウンターで買えることが多いです。

 

香港の羅湖駅(香港と中国本土の境界)にあった中国本土用プリペイドSIM自販機(左)マカオのフェリー乗り場にあった旅行客用プリペイドSIMの自販機(右)

香港の羅湖駅(香港と中国本土の境界)にあった中国本土用プリペイドSIM自販機(左)マカオのフェリー乗り場にあった旅行客用プリペイドSIMの自販機(右)

 

このような場所で買えるプリペイドSIMは、海外旅行客向けの特典として、プリペイドチャージのボーナスが付いていたり、同じチャージで通信可能な容量が増えていたりすることもあります。

 

その他、街中のオペレーターショップ、家電量販店、コンビニ、スーパーなどでも購入可能です。詳しくは後述しますが、国・地域によっては本人確認のために、対面での販売に限定していたり、購入はすぐできても、何らかの手段での本人確認が必須だったりする場合もあります。

 

「プリペイドSIM天国」とも言われる香港では、街中にもプリペイドSIMの自販機が。これはそのうちの1台と記念撮影したときのショット

「プリペイドSIM天国」とも言われる香港では、街中にもプリペイドSIMの自販機が。これはそのうちの1台と記念撮影したときのショット

 

どうやって使うの?

実は「どうやって使うか」が一番の問題点です。使い始めるまでを簡単に説明します。

 

まず、本人確認が必要な国・地域の場合、所定の方法で済ませます。大抵、外国人であれば旅券(パスポート)を本人確認書類として使えるのでそれを提示しましょう。確認完了後、所定の方法で契約の有効化を行います。

 

本人確認手続きが不要な場合、契約の有効化手続きを行います。香港やマカオのプリペイドSIMの場合、概ね以下の手順で行います(オペレーターによって若干異なる場合があります)。

 

1.購入したプリペイドSIMをスマホ・タブレットに入れて(再)起動

まずは、購入したプリペイドSIMをスマホ・タブレットに入れて電源を入れます。国内で使っているSIMカードは無くさないように保存しておきましょう。

 

なお、最近のプリペイドSIMはミニSIM(日本では「通常サイズ」と呼ばれる)とマイクロSIMを取り外し時に選べるハイブリッドタイプが多いです。ナノSIMや、それを含めたハイブリッドタイプのプリペイドSIMはまだあまり多くないようです。

 

最近のプリペイドSIMは切り取る位置でミニSIMとしてもマイクロSIMとしても使えるものが多い

最近のプリペイドSIMは切り取る位置でミニSIMとしてもマイクロSIMとしても使えるものが多い

 

マイクロSIMに対応したSIMフリースマホ・タブレットを用意することをお勧めします。

 

適切なサイズで切り取ってスマホに挿入

適切なサイズで切り取ってスマホに挿入

 

2.ダイアラー(電話)アプリで所定のコマンドを入力して発信ボタン

挿入後、アンテナピクトが立ったことを確認したら、ダイアラー(電話)アプリでプリペイドSIMのマニュアルに書かれた有効化番号を入力し発話ボタンを押します。

 

有効化番号が「USSDコマンド」と呼ばれるテキストコマンドである場合、発信するとすぐに直前の画面に戻り、携帯電話ネットワークからのメッセージが表示されます。例えば、「Your request has been submitted, thank you!」(あなたの要求は受け入れられました、ありがとう!)とか表示されます。

 

有効化番号が開通用特別番号である場合、通常の音声通話と同様に発信画面に移行します。音声ガイダンス(ふつうは現地の言葉と英語)を聞いて終話します。

 

プリペイドSIMで指定された番号を入力して発話を押す(左)USSDコマンドである場合、電話アプリを表示する直前の画面に戻り、ネットワークからのメッセージが表示される(右)

プリペイドSIMで指定された番号を入力して発話を押す(左)USSDコマンドである場合、電話アプリを表示する直前の画面に戻り、ネットワークからのメッセージが表示される(右)

 

3.開通を通知するSMSを受信(これで音声通話は可能な状態に)

ネットワークの状況にもよりますが、有効化手続きをすると5分以内にSMSが届きます。これにはSIMの電話番号とその有効期限などが記されています。この時点で、現地の携帯電話として電話は可能になります。

 

なお、有効化直後に届いたSMSの内容は、万が一プリペイドSIMを再発行することになった場合に必要なので、メモ等をしておくことをお勧めします。

 

有効化直後に届くSMSは契約の基本情報が記されているので、メモをしっかり取っておこう(この画面では繁体中国語だが、この直後に英語でも届いた)

有効化直後に届くSMSは契約の基本情報が記されているので、メモをしっかり取っておこう(この画面では繁体中国語だが、この直後に英語でも届いた)

 

4.プリペイド残高でデータ通信容量を購入

有効化で所定のデータ通信サービスが自動的に有効になる場合もありますが、自分でプランを選択(購入)しなければデータ通信が行えない場合もあります。

 

プラン選択は、先ほどの「手順2」と同じく、ダイアラーアプリで希望するプランの番号を入力し、発話ボタンを押します。メッセージ、または音声ガイダンスを確認してしばらく待つと、3.と同様にプランを購入した旨のSMSが届きます。

 

5.端末設定でAPN(接続先)を設定する

あとは端末設定の「モバイルネットワーク」でAPN(接続先)設定をするだけです。通常、APNはプリペイドSIMのマニュアルに書かれています。場合によっては、SIMカードの起動時メッセージ、あるいはデータ通信を購入した後に届くSMSに書かれていることもあります。

 

China Unicom Hong Kong(中国聯通香港)の香港・中国本土兼用プリペイドSIM「跨境王」では、SIMカード読み込み時にAPN設定を促すメッセージが出る

China Unicom Hong Kong(中国聯通香港)の香港・中国本土兼用プリペイドSIM「跨境王」では、SIMカード読み込み時にAPN設定を促すメッセージが出る

 

APN設定を保存し、選択してしばらくしてアンテナピクトに「G」(GSM)、「3G」または「LTE」(4G)と表示されるか確認しましょう。いずれかが表示されればデータ通信ができる状態となっています。

 

APNを設定・保存して(左)選択してデータ通信が始まるか確認(右)

APNを設定・保存して(左)選択してデータ通信が始まるか確認(右)

 

これで、スマホ・タブレットでのデータ通信が可能な状態になりました。『Twitter』でも、『Facebook』でも、『Instagram』でも、楽しみ放題です!

 

注意点もある

SIMフリースマホ・タブレットで海外のプリペイドSIMを使えば通信料を節約できますが、問題点もあります。

 

まず、プリペイドSIMで使っている間は、あくまで当該の国の携帯電話となり、日本国内の電話を待受けできない点です。

 

筆者はドコモの回線をメインで使っています。音声通話は「カケホーダイ」プランなのですが、このプランだと「転送でんわ」の転送先への通話料が無料になります。

 

それを生かし、メイン番号にかかってきた電話を0秒で『050 plus』の番号に転送してプリペイドSIMを入れたスマホで受ける、という手法でこの問題を回避しました。こうすると、海外で電話を受けると着信料がかかる、という問題も同時に解決でき、かなりお得です。

 

海外旅行中の電話の着信は『050 plus』でまかなえた。通信状況によるが、国内にいるのと変わることない感覚で使える海外旅行中の電話の着信は『050 plus』でまかなえた。通信状況によるが、国内にいるのと変わることない感覚で使える

海外旅行中の電話の着信は『050 plus』でまかなえた。通信状況によるが、国内にいるのと変わることない感覚で使える

 

次に、ドコモスマホ・タブレットにつきまとうテザリングの問題です。ドコモから発売されているスマホ・タブレットには、セキュリティ上の問題からテザリング時、強制的にAPNを切り替えるしくみを取り入れています。

 

これはSIMロックを解除しても残るため、国内のドコモ回線を使うMVNOの「格安SIM」ではテザリングが使えない、という問題が発生しています。

 

海外のプリペイドSIMでもこれは同様なのか、というと「Yes and no」という答えしかできません。実は、一部の機種において、SIMカードのオペレーターIDがドコモ以外に設定されている場合、言い換えるとドコモ以外のSIMカードを入れていると、APNの強制切り替えを行わないようになっているのです。一方で、このような仕組みを取り入れていない機種もあります。

 

この辺の情報は公開されているものではありません。試す方法があるとしたら、とにかくデータ通信ができるドコモ「以外」のSIMカードを用意してテザリングを有効にしてみる、というものがあります。

 

筆者は、個人的にauのSIMカード検証した「ARROWS NX F-05F」を香港に持っていき、テザリングできましたが、全ての機種で同じことができるとは断言できません。テザリングも視野に入れているなら、最初からSIMロックフリーで販売されているスマホ・タブレットを用意する方が無難かもしれません。

 

「ARROWS NX F-05F」では海外のプリペイドSIMでテザリングを有効にできる

「ARROWS NX F-05F」では海外のプリペイドSIMでテザリングを有効にできる

 

大型連休で海外へ渡航する方、この記事を足がかりに、ぜひ現地のプリペイドSIMにチャレンジしてみてはどうでしょうか? 事前に「下調べ」と「SIMロック解除」が必要ですが、試してみる価値はあるでしょう。何より、節約できた分でよりおいしい料理を食べたりよりたくさんお土産を買えたりするのは嬉しいものですよ!

 

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