Androidにまつわるエトセトラ:001 「2010年末のアンドロイドを予測する」

2010年01月08日 13:15 by 日本Androidの会 幹事 庵動 ロイド 隆

はじめに

2010年まではAndroidの黎明期、そして2010年以降はAndroidの発展期と後の歴史で語られることになるのではないだろうか。それほど2010年は『Change』の年となりそうである。このような怒濤の変革の時期を、大胆不敵にも予測してみようと言うのがこのコラム企画なのだ。勝手ながら拙者の頭で傍若無人にも想像を膨らまして予測してみたいと思う。


2010年はアンドロイド関連のビジネスが加速!

2010年はアンドロイド関連のビジネスが加速!

ズバリ、2010年日本国内ではソニーエリクソンの「XPERIA X10」を初めとし、シャープやそのほかのメーカからAndroid端末が合計数機種発売されるだろう。スペックは先日の5日に発表された「NexusOne」のCPUクロック1GHzに肉薄するものが主戦場となるだろう。しかしながら、同じ電話会社の中ではあまり選択の余地はなく、購入する端末は限られると予測する。


海外では、開発されるAndroid端末が百科絢爛となり、Android端末同士の戦いも始まりそうだ。大きくターゲットはCPUクロック 1GHzを中心としたハイスペックと、600MHz前後を中心とした普及に分かれると想像する。


そしてアプリケーションの配信(アプリ配信)を行う Android Marketは、iPhoneのAppStoreのようにビジネスが加速され、多くのアプリケーションの開発(アプリ開発)とダウンロードが行われAndroidアプリ富豪などが生まれ始めるのではないかと予想する。それではこの予想を具体的に紹介しよう。



左:T-Mobile G1 右:HT-03A

左:T-Mobile G1 右:HT-03A

Android黎明期

2007 年はAndroidの名が世の中に登場した年であり、それが具現されたのが2008年の「T-Mobile G1」【画像左】という端末である。2009年はAndroidにとって、携帯電話の初号機が世界各地に散らばり始めた時期だったといえる。


現在 Android端末は世界中で20機種、59の電話会社、48ヶ国、19の言語で販売されている。特に日本では、2009年7月にNTTドコモから国内Android初号機となる「HT-03A」【画像右】が発売された。タッチパネルをベースとしたスマートフォンとして話題を集めるが、なかなか販売台数に結びつかない。


また、国内ではアプリケーションをダウンロードするAndroid Marketでの有料アプリ配信が遅れたことと、端末台数が広がらないため、アプリ販売で儲ける事も難しい状況が続いていた。これはiPhoneと対照的である。


iPhoneの成功は端末の販売数とともに、アプリケーションダウンロード数が伸びている点にある。2010年1月時点で累計30億ダウンロードを記録し、それに伴いアプリ開発者のビジネスも確立されている。個人の開発者が一発あてて、大金を稼ぐようなドリームも起こっている。


残念ながら、2009 年のAndroidにはこのような動きはなかった。



2009年はDROIDで更に加速しました

2009年はDROIDで更に加速しました

AndroidのChange!

2009年11月に米国VerizonWirelessで発売されたMotorolaの「DROID」の登場が、一見沈滞したかに思われた Androidの状況を一変させた。「DROID」が非常に好調な売れ行きであり「利用者が少ないAndroid」という状況を変えつつあるためだ。


売れるには理由もある。この「DROID」は今までのAndroidには無いモノづくしの端末だったのだ。


まずAndroidがメジャーバージョンアッ プされた「2.0」(コード名:Eclair)が、初めて搭載された端末である。従来は「1.1」「1.5(cupcake)」 「1.6(donuts)」のバージョン1のAndroid端末しか存在しなかった。しかも、当初donutsがバージョン2.0と言われていたが、途中 で1.6として「DROID」に搭載するEclairを2.0としたほどである。


次に、従来AndroidはGSMやW-CDMA方式(海外ではUMTS方式と呼ばれる)の端末しか存在しなかったが、「DROID」で初めて CDMA2000通信方式(海外ではCDMA方式と呼ばれる)に対応した。また、アプリケーションが動作するCPUに、初めてARMコア以外を採用したAndroid端末でもある。従来のAndroid端末はARMコアを用いているQualcomm社のプラットフォームを利用していたが、「DROID」は TI(Texas Instruments)社のOMAPを利用しいるためだ。


そして、何より大きい「今までになかった事」は電話会社挙げての「プロモーション」である。


VerizonがCMや広告媒体を用いて、積極的に宣伝を行った。その結果、1週間で25万台、2週間で45万台が出荷されたという計算もあるほどであ る。これにより、利用者が一気に広がりビジネスが回り始めた。この影響もあり、Androidアプリケーション開発ビジネスも脚光を浴び、iPhoneアプリで実績のある開発者がAndroid Marketへの参入を検討している状況である。


多くのAndroidに対応した良質のアプリケーションが開発されると、Androidプラットフォーム の魅力が増し、より多くの端末が開発され、そして多くの人が購入するという「良い循環(エコシステム)」が確立できる。多くのアプリ販売もできるため、よ り多くのアプリ開発者もアプリケーションを作成する流れができあがる。その「きっかけ」が「DROID」によりキックされた形だ。



2010年はNexusOneからはじまり、次々と!!

2010年はNexusOneからはじまり、次々と!!

Androidの発展期のスタート「2010年」

発展期のスタートにふさわしい事象が起こった。2010年の正月もまだ抜けきらぬ1月5日に、Googleから新しい端末の発表と発売があった。最 新のAndroidバージョン「2.1」を搭載した「NexusOne」である。従来と違うのは「Google社自身のブランド」で発売し、自身が販売す るというもの。この端末のカテゴリーをGoogle自身は「スーパーフォン」と呼び、発表時には多くのAndroidファンに熱狂的に迎えられた。


また、2009年12月に発表されたTimes紙のガジェットトップ10にて、iPhoneを抑えて「DROID」が一位となったのも、まさに黎明期か ら発展期に移るタイミングにふさわしい。これにより、iPhone流のアプリケーションや、ビジネス手法がAndroidでも利用できるようになり、アプ リケーションが増えるだろう。そして、端末の数も多く出てくるだろう。


実際、世界中の開発予定の端末をまとめると、2009年末から急激に多くの端末発売 が計画されるようになっている。まさに「良い循環(エコシステム)」回り出す前夜のような状況である。このような背景から、2010年は冒頭紹介した Android Marketが、iPhoneのAppStoreのように本格的にアプリケーションビジネス基盤として回り始めると予測している。



デバイスとして2010年末の端末を斬る

利用する携帯電話本体として2010年末のAndroidはどのようになっているだろうか。


2010 年までの画面サイズはhVGA(320×480)のサイズが中心だったが、「DROID」のAndroid2.0以降、WVGA(480×800)、 FWVGA(480×854)と高い解像度にAndroidが対応している。今後は解像度とともに物理サイズも、より広い画面を持つ携帯電話が登場するものと考えている。国内携帯電話で多く用いられているFWVGAに比べて、Androidで主流のhVGAは縦に比べて横が広めに感じてしまい、ずんぐりとした印象を与えてしまう。それがスマートな形状に変わってくるではないかと予測する。タッチパネルも洗練され、より薄く軽く高機能な端末となるだろう。


サービス面では、国内では電話会社のサービスに順次対応して行くのではないかと予測している。それは、2009年11月30日(月)に行われた日本Androidの会主催ABC2009Fallのイベントで「NTTドコモのAndroidはiモードメールに対応する」と話されていた。このように電話会社の全てでないにしろ、一部の独自機能は対応していくだろう。


そして最後に、アプリケーションの進化は外せない。2009年の後半には、音声認識や、Google Goggle(グーグル・ゴーグル)と言ったアプリケーションが登場した。Google Goggleは、撮影した物体を画像認識で判別し、その製品名などの結果を返すアプリケーションであるが、残念ながらまだ実用的とは言い難い。しかし、これらのアプリケーションはダウンロードでインストールし、しかも、他のアプリケーションと連携した利用を実現している。例えば、音声検索をインストールすると、待ち受けの検索窓で音声入力マークが表示されるだけでなく、ブラウザ検索の窓にも同じマークが表示される。


従来の携帯電話では機種を代えないと実現出来なかったような機能追加が、Androidではダウンロードだけで実現出来ている。そのため、2010年に向けてこれらのアプリケーションのバージョンアップが行われ、より使いやすくなり実用になるレベルになっているだろう。


Google Goggleも更に進化しているハズ!

Google Goggleも更に進化しているハズ!


このように、既にGoogleのサービスにある機能が、どんどんAndroid端末側に移植されるものだと思われる。NexusOneの Android2.1で実装されていた、Android版Google Earthなどは、もともとGoogleのサービスとしてPC用のソフトウェアで実現していたものだ。このように2010年は移植が加速され、 Googleのサービスが手元のAndroid端末で実現出来るようになると予想している。


Androidの2010年

現在アナウンスされている情報からすると、2010年は国内メーカからAndroid携帯電話が数機種発売される見込みである。しかしこの裏でもう 一つのAndroidが黎明を迎えると思われる。非電話系Androidである、ブックビューアやフォトフレームやMID端末などだ。これらのデバイスは Android Marketに接続できないことや、オープンソースを含めたビジネスモデルを構築する必要があり、立ち上がりが遅くなりがちだ。


2010年は携帯電話の Androidが躍進し、多くの企業がそれに牽引されるだろう。2010年以降それら企業が様々なデバイスに展開する際、この非電話系デバイスの発展期と なるだろう。このようにデバイスの多様性がAndroidの何よりの特徴である。


最後にほぼ確実である予想がある。それはAndroidの新しい先進的なデバイスが発表される度につけられるこの肩書きが2010年末までも、必ず続くだろうと言うことだ。iPhoneキラーとなるか?新Android端末。