日本Androidの会:主催者レポート~アンドロンジョナイト!を振り返って~前篇

2010年02月25日 16:49 by 矢野 りん
日本アンドロイドの会 女子部

日本アンドロイドの会 女子部

日本アンドロイドの会は2010年2月15日(月)、秋葉原ダイビル12階のはこだて未来大学サテライトキャンパスにて、日本アンドロイドの会定例会を開催しました。


しかし、今回の定例会はいつもとちょっと様子が違います。本定例会は、「アンドロンジョナイト!」というタイトルで、「日本アンドロイドの会女子部(以下女子部)」が2時間まるまる頂戴したのです。


この日本アンドロイドの会初の女性をターゲットとしたイベントは、なんと参加者のうちおよそ半数が女性になりました。女性が少ないといわれているIT系のイベントで、これほど女性が集結する機会はなかなかありません。


以下、女子部部長である私矢野りんが、主催者側から振り返った「アンドロンジョナイト!」の様子をお届けいたします。


イベントの冒頭は矢野が女子部の活動指針や活動内容を説明。女子部に入会して男だらけのIT業界に多様性を生もうと呼びかけました。


最初のセッションは女子部が誇るセクシープログラマー、あんざいゆき氏によるUIデザイン改良講座です。既存のAndroid用note padアプリの外観をカスタムUIに差し替えて、より使いたくなるようなアプリに変えてしまおうという内容です。ビジュアルデザインは矢野が担当しました。フリルの豊かな黒いミニから長い足を覗かせて登壇する姿に心をうばわれるのもつかのま、始まってみると普通に複雑なXMLコードの解説をし始めるところはさすが理系です。


あんざい氏のプレゼン資料より。女子の枠におさまらない技術トークでした

あんざい氏のプレゼン資料より。女子の枠におさまらない技術トークでした


女子部はメンバーの全員が開発者ではなく、デザイナーや企画担当者など複数の属性で構成されています。そのため、矢野は内心、いきなりコードの解説から始めたあんざい氏のプレゼン内容を見た瞬間、気が引けてしまう参加者もいるのではないか。と心配になりました。しかし会場には一生懸命内容を追おうとする女性の視線や、純粋にノウハウを確認してうなずく人もありと、むしろ肯定的な雰囲気が強く漂っていました。コードに萎縮していたのはグラフィックデザイナの私だけかもしれません。よくメンバーからうかがう、「女性だからといってみんながみんな技術に疎いとか、難しいことがわからないのではと言われるのは心外だ」という意見を思い出し、矢野はこの瞬間ひっそり自分を責めていました。


あんざい氏とのコラボレーションにあたって矢野が作成したUI用イラスト群。Adobe Illustrator CS4とWacomのタブレットintuos3で手描きしています

あんざい氏とのコラボレーションにあたって矢野が作成したUI用イラスト群。Adobe Illustrator CS4とWacomのタブレットintuos3で手描きしています


パネルディスカッションの様子。左からニシヲカ氏、hiroii氏、宮田氏、あんざい氏

左からニシヲカ氏、hiroii氏、宮田氏、あんざい氏

続くセッション2では、女子部のコアメンバーであるhiroii氏ニシヲカ氏宮田氏、そしてあんざい氏によるディスカッションです。女性視点で面白いと思うAndroidアプリを紹介してもらったり、Android Marketの現状に対する感想を言い合います。目的は、現状のマーケットを取り巻く人の多くが男性であるところに、女性の視点で意見して面白い気付きを共有するためです。


みな人前で話すことに慣れていないという点を心配していましたが、始まってみたらそこは女性。どんどん意見が出てきます。


まずhiroii氏は欲しいアプリとして知育系など子供が使えるようなコンテンツの充実に期待したいと話しました。マシンスペックが高い、まさに持ち歩けるPCと呼びたくなるスマートフォンは、外出先で子供に与え、お母さんの時間を作る格好の道具です。家庭用ゲーム機のコンテンツにはないような、より単純な操作でできるお遊びアプリはたしかに需要がありそうです。


ニシヲカ氏は休日なかなか起きられないという悩みを打ち明けながら、自分自身に関するつぶやきがTwitterに流れたのを感知してアラームが鳴り、起こしてくれるようなAndroidの目覚ましアプリがあればと夢を語りました。みんなの力で生活習慣を改善する、という面白いアイデアですね。しかしながら「待ち合わせ場所に来ないけど、どうしたのかな?」とつぶやかれる前に起きたほうが良いかもしれません。


また、ニシヲカ氏は仕事で気持ちが荒むことがよくあるそう。そんなとき、Animal Soundsという動物の鳴き声を何種類も聞くことができるアプリで心を慰めるとか。その他Fxcameraは手軽に素敵な写真が取れるということで活用頻度が高いそう。その他おススメアプリには忍者になりきって手裏剣を投げられるBeNinjaをプッシュしました。端末を手のひらに乗せて手裏剣ジェスチャーでぐるぐる回りながら敵を倒すそうです。


女性視点でAndroidアプリについてディスカッション

女性視点でAndroidアプリについてディスカッション


宮田氏も、なかなかすっきり起きられないというニシヲカ氏同様の問題をスマートフォンで解決したいと話します。Smart Alarm Clockのように起床予定時間と、起こし始める時間を設定して時間をかけて起こしてくれるアプリは効果的だとか。他に利用頻度の高いアプリは「あまり2ちゃんをよく見ていると思われたくない..」と、女性的な面をちらりとみせながらも、2ちゃんビューワーのドロイドあんてなはよく使うと白状していました。宮田氏の場合、欲しいアプリがあるというよりも、既存のアプリの機能性がもう少し充実してくれたらという希望が強いとのこと。たとえば連絡先アプリに登録した人を、属性ごとに分類したり、検索可能にする機能などが付いてくれることを期待していました。


あんざい氏の場合、特別なアプリは特になく、文字入力アプリのsimejiGmail、Twitterクライアントのtwiccaといった基本アプリがあればあまり不便はないそう。欲しいアプリはもっと背景画像とかテーマをカスタマイズできる機能がついたものと話しました。Android端末の訴求ポイントはホーム画面などを自分ごのみにカスタマイズできる部分。この利点を生かすため、ウィジェットのようにホームに乗せるアプリの色は変えられるとうれしい。ということですね。たしかにAndroidのキーワードは「カスタマイズの余地が大きい」という点です。この点を押さえた開発企画があると良いですね。


4名の話からは、スマートフォンユーザは機能性を重視する傾向にあり、性別で特に使い方が変わるわけではないといった仮説が導き出せそうに思います。ただし、女性の場合「便利さ」に加え「使い続ける楽しみ」が両輪の一方としてあることで、スマートフォンを「魅力のある道具」だと認識できるのではないでしょうか。Android端末の場合、楽しみの部分についてはまだまだ改善の余地がありそうです。


~後半に続く~


女子部の活動や、メンバーの日常を紹介