Androidにまつわるエトセトラ:004 HT-03Aでキレイに撮影するためのTips集

2010年03月11日 16:19 by 日本Androidの会 幹事 庵動 ロイド 隆

失敗写真の例

失敗写真の例


あー!また失敗だ

AndroidケータイのHT-03Aで写真を撮ると、すぐに左のような写真になってしまう。特に少しでも暗いところで撮影しようものならば、まさに100発100中!何度撮影に泣いたことか。残念ながら、日本の標準的なケータイに比べるとカメラ撮影についてはイマイチの感が大きいAndroidケータイ。しかし、そういう中でもちょっとした工夫で綺麗に撮影する事ができるものなのだ。そのTipsを紹介しよう。


Androidとカメラの熱い関係

Androidを手に取って、何がキラーアプリケーションかというと、ブラウザとTwitterとGmailである。少なくとも私はそうである。カメラ機能はどうだろうか? 残念ながら、日本のケータイのように「コンパクトカメラの代わりになる」ような主役にはなっていない。光学ズームや1000万画素を誇るような Androidケータイも執筆時点で未だ存在しない。そういう意味で、本格カメラとしては今ひとつ物足りないのが現在のAndroidの状況である。


それではAndroidケータイのカメラ機能はおまけにすぎないのだろうか? 現実は違い、HT-03Aのカメラを使う頻度は上がっている。少なくとも私はそうである。なぜかというと、Twitterでつぶやく際に写真も一緒に添えたり、Googleのフォト共有サービスのPicasaに写真をアップロードして「共有」を中心に利用したりというシーンが増えてきているからだ。つまりカメラ機能がそれ単体のみだけでなく、Twitterなどのキラーアプリケーションの脇役として、新たな活躍をし始めているのだ。まさに、Androidとカメラには、Twitterなどの共有ツールを仲介にした、熱い関係が始まっているのである。


Twitterサイト

Twitterサイト


手ぶれを防ぐ工夫

ところがHT-03Aのカメラは、冒頭で触れた通り暗いところでまともな写真を撮ろうとすると、それなりに撮影する側での工夫が必要である。一方で、HT-03Aの最も使いやすく話題になるキラーコンテンツの一つであるTwitterは、いつでもどこでもつぶやく事のできるツールである。その場の様子を撮影した写真を添えてつぶやく事もでき、そういう意味では、明るいところだろうが暗いところだろうが、「カメラで撮影する」という機会が、通常のカメラケータイよりも多くなっていると考える。


しかしながら、HT-03Aのカメラは初心者でも使いやすいように限定的な機能しか搭載されていない。そのため暗いシーンでの撮影では、どうしても手ぶれが起きやすい設定となってしまう。ひとたび手ぶれが起きると冒頭の写真のように「画像が流れた」ようになるだけでなく、精細感が極端に落ちてしまう。つまり「なんとなくぼやけた」画像になってしまうのだ。


手ぶれして解像感のない画像

手ぶれして解像感のない画像


手ぶれしておらず解像感のある画像

手ぶれしておらず解像感のある画像


それは、HT-03Aのディスプレイ上ではあまり分からず、PicasaなどにアップロードしPC上で見ると、その違いが一目瞭然となる。いくらカメラの画素数が上がっても、手ぶれを起こしてしまうとその画素の高精細感を活用できなくなる。つまり高画素数は無駄な機能となってしまうのだ。このような手ぶれを防止するには、ワンランク上の撮影をするためのTipsが必要なのである。特に暗い場所での、手ぶれを防止するためのチョットした工夫は次の通りである。



手のひらでストラップを持ち固定すると良い

手のひらでストラップを持ち固定すると良い


ストラップは手の平でもって固定

HT-03Aに限らず、大量のストラップを付けていないだろうか?それらのストラップの重たさが結構あり、カメラ撮影時に「ぶらぶら」していないだろうか? その揺れにつられて、ケータイ本体が撮影時にぶれてしまうことがある。左の写真のように、手のひらでストラップを握り、本体に固定させ、撮影時に「ぶらぶら」させないようにしよう。



両手でしっかりとホールドする

両手でしっかりとホールドする


基本は両手でホールド

片手よりは両手で撮影する。その際に、両手でしっかりと本体をホールドする。浮いている手を、同じ位置で固定するのは至難の業であるため、脇を締めて腕がぶれないようにする。腕の動きを消し、身体全体の動きだけが残るようにすることで、手ぶれの原因となる、細かい早い動きが抑えられる。


身体の動きを固定する

身体の揺れが手ぶれとして写真に反映されてしまうこともある。できれば、身体を固定すると良い。肘を壁に押し当てたり、背中を壁に押し当てるなど、身体の一部だけでも固定できる場所があるならば、押し当てると良い。


シャッターの瞬間息を止める

シャッターを切る時は、息を吸ったり吐いたりしていると、その動きが手ぶれとして写り込んでしまう。人間の呼吸に伴う動きですら手ぶれの原因となるのだ。回避するには、シャッターが切れる瞬間は息を止めて、ケータイの微動を抑える。


しかし辛いのがシャッターが切れる瞬間じっとすることである。カメラを手に持ち画面に表示されている画像を見る。そして息を止めつつ、身体の揺れが止まったときを見計らって「軽く」シャッターボタンを押す。そして音がした後も、しばらくそのまま持ち続けて、一息ついたら撮影完了という感じである。しかし、案外この息を止めている時間が長い。撮影が終わったときには息切れしている可能性もある。


この息を止めるタイミングを取るために使うのがオートフォーカス(AF)の「音」である。カメラのシャッターを切るときに、よく耳を澄ますとカメラ部分で「シャーカッカッ」という小さい音が、または振動がしている。そしてこの音が止まった後にシャッター音が「カシャッ」と鳴る。この「シャーカッカッ」の正体こそがAFを行って焦点を合わせている音である。そのため、このAF音が止まりそうになるタイミングから、身体の揺れと息を止めると良い。


シャッター音の後に一息おく

シャッター音が鳴った後すぐに動くと、特に暗い場所ではまだシャッターが切れておらず画面が流れてしまうケースがある。シャッター音が鳴って一息(0.5~1秒程度)つくまで、ぶれないようにケータイを撮影状態のまま持ち続ける


HT-03Aカメラのシャッターボタン

HT-03Aカメラのシャッターボタン


シャッターは指を離した時に切れる

シャッターボタンを押したらAF動作、離したらシャッターが切れる仕組みを利用する。HT-03Aのカメラはシャッターボタンを押しても、すぐにシャッターが切れない。それは、ボタンを押した後にAF動作が行われ、シャッターが切れるまでに時間がかかるためだ。しかもAF動作は一定ではないので、まさにシャッターチャンスを得られるかどうかは運次第となってしまう。


シャッターボタンを押したままにすることでパンフォーカスを実現

シャッターボタンを押したままにすることでパンフォーカスを実現

これを改善するTipsがある。タッチパネルのシャッターボタンを指で触るだけではAFだけが働き、シャッターは切れない。触った指が離れた時にシャッターが切れるのだ。これを利用するとパンフォーカスが実現できる。つまり、シャッターチャンスを逃したくない場合は、対象物にカメラを向けて、シャッターボタンを押したままにする。そのままだとシャッターが保留状態になるので、シャッターチャンスがやってきたら、指をタッチパネルからあげる。そうするとAFの時間が無く、即シャッターが切れるため、シャッターチャンスをモノにし易くなる。


ちなみに、説明してきたTipsの多くはHT-03Aに限ったことではなく、ケータイ全般にあてはまる内容である。しかし、昨今の日本製ケータイの性能は良くなってしまい、ここまで気にすることなくとも、ある程度綺麗な撮影ができてしまっている。そういう意味では、HT-03Aの弱点を特に改善するための Tipsと考えてもらえると嬉しい。


そういう意味では、従来の日本のケータイの機能を取り入れたソニーエリクソンのXperia X10は大変に期待する端末である。AF、8Mピクセル、顔認証というスペックからはカメラ機能への並々ならぬ気合いを感じるからだ。


シャッターアイコンが画面の下半分にあるため押しにくい

シャッターアイコンが画面の下半分にあるため押しにくい


カジュアルに撮影するにはやはり片手で

HT-03Aでの撮影の際は基本は両手ホールド、と述べたばかりだが、そうはいってもTwitterやBLOGに投稿する写真を撮影するとき、必要なのは「さりげなさ」だったりもする。仰々しく両手で撮影していると、ちょっと目立ちすぎてしまう場合もあるだろう。また、片手にバッグなどの荷物を持っていたりすると、両手で撮影するのはほぼ不可能に近い。そのため、ちょっとしたものをさりげなく撮影するには、片手で行いたい。


ところが、HT-03Aを片手で持ってカメラ撮影するのは、なかなか難しい。何故ならば、筐体のトラックボール側を握ると、左上の写真のように本体のカメラシャッターアイコンが画面の下半分にあるためだ。旧バージョンではボタンは上にあって押しやすかったのだが変更されてしまった。これでは指が届かない。そのために左下のような持ち方をすることが良いだろう。右下のように挟む方法もあるのだが、撮影中にタッチパネル上を触ることとなり、誤動作の恐れも含めてあまり好ましくないと考える。


オススメの持ち方(左)とはさむ持ち方(右)

オススメの持ち方(左)とはさむ持ち方(右)


機能アップはアプリケーションで

Androidの特徴はAndroidマーケットなどからダウンロードできるアプリケーションの多彩さである。カメラアプリケーションも例外ではなく、FxCameraなどのように、画像効果を後からつけるカメラ撮影アプリケーションが存在する。始めから入っている(プリセット)カメラアプリケーションには備わっていない機能である。このように多彩な機能を後から追加できるのが、Androidの良いところである。


しかし、カメラ機能も無尽蔵に拡張できるかというと、そうではなく限界がある。まず、ハードウェアに依存する部分は拡張できない。特に、カメラから入った映像をLCDに逐次表示している、カメラのシャッターを切っていない状態で、リアルタイムにデジタルズームをしたり、明るさ、コントラストを変えることは簡単ではない。残念ながらこれらをアプリケーションから操作するためのAPIがAndroid本体で定義されていないためだ。無理矢理アプリケーションでデジタルズームなどを行う方法もあるが、普通に行うと処理速度が間に合わないため、数フレームレートしか表示できず、実用にならない可能性がある。


ISPの構成

ISPの構成


一般的にこのような機能は、ハードウェアのISP(イメージング・シグナル・プロセッサー)などでハードウェア的に処理されることが多い。そのため、Androidのライブラリ層を拡張しても、ISPが対応していないと機能の拡張は不可能である。またはISPでは機能を持っているが、ドライバーで全てをサポートしていないケースもある。


そういう意味ではハードの機能とソフトウェアの機能を明確に分けていくことは、Androidでは作りたい機能を作るための、大切な視点である。AppleのiPhoneで利用するアプリをダウンロードする「AppStore」でもカメラアプリは非常に人気のあるカテゴリーである。Android マーケットでもこの分野が非常に賑わうと予想されている。ここで特徴のあるアプリケーションを開発することで、一攫千金を狙うことも夢ではないだろう。これぞと思う人は是非チャレンジして頂きたい。


Androidとカメラの関係

HT-03Aのカメラ撮影のTipsから、カメラ機能のソフトウェアとハードウェアの分担について紹介した。Androidはオープンソースで自由に拡張できるところにそのメリットがある。端末メーカからするとISPなどを用いるとAndroidとは関係なく先進的な仕組みを利用することができる。しかし、それらの実装はAndroid側には存在せず、アプリケーション開発者から利用できない領域が広がることも意味する。今後Androidケータイのカメラ機能競争が本格的になる頃、メーカでは機能拡張を熱く行い、差別化をすることが想像される。カメラのアプリケーション開発者と、利用者はそれを取り入れるべく、新しいアプリを開発したり、使い勝手を工夫して使うことになるだろう。