Androidだからこそ実現できる開発者とキャリアの関係性

2010年03月18日 16:17 by 石川温
NTTドコモから発売されるソニー・エリクソンの「Xperia」

NTTドコモから発売されるソニー・エリクソンの「Xperia」

まもなくソニー・エリクソン「Xperia」がNTTドコモから発売される。家電量販店の店頭ではすでにモックが並べられ、予約の受付も始まっている模様だ。なんでも、4月1日には手に入れることができるらしい。


ソニー・エリクソンでは、銀座や名古屋、大阪などで先行展示を行っていたので、すでに使用感を試した読者も多いと思う。実際、本当に多くの人が会場を訪れ、大盛況になっているようだ。


いよいよ満を持して投入されるXperiaであるが、NTTドコモユーザーにとって悩ましいのが、「既存の環境をどうするか」という問題だろう。


料金面においては、4月から「パケ・ホーダイ ダブル」と「Biz・ホーダイ ダブル」を統合され、1枚のSIMカードで、既存のiモード系端末とスマートフォン端末のどちらを使ってもパケットの請求が一緒になるように改訂が行われる。これはXperiaを購入するものの、今使っているiモード端末も継続して使う可能性があるというユーザーにはありがたい施策だ。


ただ、まだ統合できていないのがサービス面だ。NTTドコモユーザーであれば、当然ながらiモードを使っていることだろう。しかし、Xperiaにおいては残念ながらiモードコンテンツは使えない。ワンセグやおサイフケータイなども非対応となっている。NTTドコモからは、「iモード.net」として、メールが扱えるアプリが提供されているが、残念ながらいまのところWindowsMobileのみとなってしまっている。NTTドコモとしては他のプラットフォームへの対応も急いでいるようだが、未だに実現できていない状況だ。


しかし、そこはAndroid。すでにiモード環境に近いアプリケーションがいくつか登場してきている。


Android上でiモードメールを使用できる「IMoNi」

Android上でiモードメールを使用できる「IMoNi」


まず、ドコモユーザーの定番とも言えるのが「IMoNi」だ。iモード.netに対応したクライアントアプリで、Android上でiモードメールが扱えるようになる。docomo IDとパスワードを入力したら、iモードの受信メールを一覧で見ることができる。もちろん、個々のメールもチェックできるだけでなく、返信も可能だ。驚くべきは絵文字に対応しているので、何不自由なくiモードのメールを作成できるようになっている。iモード.netを経由するので、プッシュによる受信には対応できていない。しかし、IMoNiでは自動的に読みにいくモードを備えており、更新頻度も設定ができる。また、メールを送信したあとには更新頻度を頻繁に行うといった配慮も取り入れている。デコメには対応しないが、かなり役に立つ便利なアプリに仕上がっている。


Android上でMy docomoの電話料金やパケット料金を確認できる「My docomo checker」。

Android上でMy docomoの電話料金やパケット料金を確認できる「My docomo checker」。


もうひとつ、オススメなのが「My docomo checker」だ。こちらもドコモがウェブ上で提供している「My docomo」から情報を引き出してきて、Android上で確認できるようになっている。当月の電話料金やパケット料金、無料通話分の利用状況もしっかりと確認できる。パケット料金については、Androidを活用しているとどうしても上限に張り付いてしまうのを諦めざるを得ないが、音声通話に関してはこまめにつかって節約を心がけることもできる。そんな時には間違いなく重宝して使えるアプリと言えるだろう。


本来ならば、こうしたアプリはNTTドコモが提供すべき内容だろう。しかし、NTTドコモとしては、企業として提供する以上、安全性などのセキュリティを確保した上でないとならないという決まりがあるのだろう。そのあたりの検証作業を終えないことには、提供できない状況にあるのだと思う。しかし、一方で、優秀なクリエイターたちが、このようなアプリを提供することで、ユーザーは何不自由なく使えるようになる環境はとても喜ばしい。まさにAndroidだからこそ実現できたとも言えるはずだ。


今後、NTTドコモはアプリ開発者が自由にアプリを作れるように、同社が提供するサービスに関するAPIなどを積極的に公開していって欲しいものだ。キャリアとして安全性を保つ必要があるが、一方で、アプリ開発者が自由に作れる環境を提供するというのも、これからのキャリアに求められる要素でもある。NTTドコモが本格的なスマートフォンを投入するというのは、なにも端末に限った話ではない。端末だけでなくサービスにおいても、積極的にオープンな環境に対応できる企業体質に変わる必要があるはずだ。