

各Twitterクライアントのアイコン
携帯電話でTwitterといえば、一時はiPhoneの独壇場といった雰囲気でしたが、その他のプラットフォームでも優秀なTwitterクライアントが増えてきたことで、徐々にそんな情勢も変わりつつあります。Androidも例外ではなく、複数の優秀なクライアントが公開されています。
今回は比較的メジャーなTwitterクライアントをピックアップして、特徴や使い勝手について紹介していきます。各クライアントの検証はHT-03Aにて実施しています。また各クライアントは3月中旬時点での最新バージョンを使って検証を行いました。
- Twitterクライアントの代表格「Twidroyd / Twidroyd PRO」
- 表示が速く簡単操作で使いやすい「TweetsRide」
- 軽快動作で通好み?「Swift App for Twitter」
- 無料でここまでの多機能がうれしい「Seesmic for Twitter」
- 日本語完全対応、独自機能も多彩な「twicca BETA」
- Twitterとmixiに一度で投稿できる「mixvTweet」
目次
1. Twitterクライアントの代表格「Twidroyd / Twidroyd PRO」


Twidroydのタイムラインと投稿画面
「Twidroyd」はAndroidでTwitterをしている人の中でも利用者が多いクライアントの一つです。リスト機能(閲覧のみ)、公式RT機能、トレンドキーワード機能に対応しているほか、タイムラインの途中からでも一気に一番上のつぶやきまでジャンプできる機能があります。プロフィールの編集も行えるほか、つぶやき投稿時に画像や動画を添付することもできます。バックグラウンドでのタイムライン更新もできるため、見たいときには最新のタイムラインを見ることもできますね。


Twidroyd PROのタイムライン
有料版の「Twidroyd PRO」はマルチアカウント対応やウィジェット機能、リストの編集機能に対応しており、更に使い勝手がよくなっています。また、有料版は画面デザインの変更にも対応しており、ボタンやリンク色の変更や背景を黒ベースに変更することも可能です(変更を反映するにはアプリの再起動が必要)。


Twidroyd PROのウィジェット機能と、ウィジェットからの投稿画面。ウィジェットからの投稿でも画像などの添付が出来ます。
ウィジェット機能はタイムライン表示や、アプリを立ち上げなくても投稿できるクイック投稿、リプライやダイレクトメッセージの受信数表示などが可能です。クイック投稿は複数のアカウントを登録している場合はアカウントの指定ができますし、画像や動画の添付投稿も行えます。複数アカウントを管理するのでなければ無料版でも十分な使い勝手ですが、クイック投稿が欲しい場合やマルチアカウントが必要なら有料版の購入を考えても良いかも知れません。有料版はおよそ400円です。
アプリレビュー&ダウンロードはこちら
『twidroyd PRO for twitter』Twitterクライアント~複数アカウントを切り替えてつぶやき放題~
2. 表示が速く簡単操作で使いやすい「TweetsRide」


TweetsRideのタイムラインと投稿画面
動作が軽快で、こちらも利用者が多いクライアントです。日本人が作成したクライアントとしては後述する「Twicca」が有名ですが、このクライアントも制作者は日本人の方です。以前は「TwitterRide」という名称でしたが、クライアントの名称やサービスの名称に“Twitter”という単語が使えなくなったことから改名されたとのこと。最近のバージョンアップで画面デザインが変更され、Twidroydのように画面下に各種メニューボタンが表示されるようになりました。
更新されると、タイムライン、自分宛のリプライ、ダイレクトメッセージの受信件数が表示されるのは非常に便利です。また、他のクライアントはタイムラインとリプライを別々に取得しますが、TweetsRideはタイムライン取得と同時にリプライも取得してくれるため、APIの消費が抑えられるのと表示が速いというメリットもあります。リスト機能、公式RT機能、バックグラウンド更新機能にも対応しています。プロフィールとリストは閲覧は出来ますが、編集は行えません。
3. 軽快動作で通好み?「Swift App for Twitter」


Swift App for Twitterのタイムラインと投稿画面
こちらも非常に動作が軽快ですが、割と「玄人好み」するクライアントなのかもしれません。メニューから「Change View」を選ぶか、ユーザー名の下をタップしないと画面切り替えのメニューが表示されないので、画面表示はシンプルに構成されています。このクライアントは最終既読ポイントから延々とタイムラインを辿るように取得していくため、すぐに最新のタイムラインを取得したい場合は「Jump to Now!」を選ぶ必要があります。延々タイムラインを辿るという性質上、APIの消費が早いのがやや難点。またリスト機能や公式RT機能にも対応していないため、そうした機能を多用するユーザーにはやや不向きでしょう。
アプリレビューはこちら
『Swift App for Twitter』Twitterアプリ~扱いやすさピカイチ!~
4. 無料でここまでの多機能がうれしい「Seesmic for Twitter」


Seesmic for Twitterのタイムラインと投稿画面
無料ですが多機能なクライアントです。マルチアカウント対応、リスト閲覧、バックグラウンド更新には対応していますが、公式RT機能には対応していないようです。複数アカウントを登録している場合、投稿の際に投稿先アカウントを指定できるほか、ネットワークが混雑しているときでも比較的タイムラインの取得漏れが少ないのも特徴といえるでしょう。ただ多機能な分、若干動作が重いと感じることもあります。リプライ元のコメントを参照したい場合も、他のクライアントでは一覧表示するのが主流ですが、Seesmic for Twitterでは一つ一つ遡る形になるため、好みが分かれそうです。
アプリレビュー&ダウンロードはこちら
『Seesmic for Twitter』~マルチアカウントにも対応した高機能Twitterクライアント!~
5. 日本語完全対応、独自機能も多彩な「twicca BETA」


twicca BETAのタイムラインと投稿画面
日本人開発で、数少ない日本語完全対応のクライアントであるため、国内ユーザーには人気が高いです。これまた珍しい黒を基調としたデザインとなっていますが、これについては賛否が分かれるようです(筆者もどちらかというと見にくいと感じています)。画面下にボタンが配されていますが、他の同様のデザインを採用したクライアントと比べるとサイズが小さいため、やや押しにくさを感じます。が、その分タイムライン表示に面積を割けることからこちらの方が好ましいという意見も聞きますね。リプライ画面、ダイレクトメッセージ画面に移ると、タイムライン画面に戻るために本体の“戻る”ボタンを押さないといけないのも好みが分かれるかも知れません。リスト機能、公式RT機能、バックグラウンド更新に対応しています。
このクライアントの特徴は誰がどんなコメントに対してリツイートしたか、自分のコメントのどれがリツイートされたかを見ることが出来るなど、他のクライアントとはやや切り口が違うところでしょうか。他にもカラーラベル機能は特定のユーザーに対してラベルを設定することができたり、アカウントを非公開に設定しているユーザーのコメントに対して、公式・非公式を問わず一切リツイートをさせないという配慮がされています。
また、このクライアントはプラグイン機能を搭載しており、別途公開されている「TwitPicプラグイン」をインストールすると、標準では対応していないTwitPicへの画像アップロード機能が追加されます。また「buzztterプラグイン」をインストールすると、“話題のトピック”ボタンを長押しすることでbuzztterを参照することが出来るようになるプラグイン。「はてなフォトライフプラグイン」は、はてなが提供しているウェブアルバムサービスである“はてなフォトライフ”への画像アップロード機能が追加されます。
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『twicca BETA』Twitterアプリ~日本語対応で使い勝手がすばらしい~
6. Twitterとmixiに一度で投稿できる「mixvTweet」


mixvTweetはTwitterとmixiボイスの両方に投稿が可能
他のクライアントとはやや毛色が違うのがこの「mixvTweet」。Twitterと、mixiのつぶやきサービス「mixiボイス」の両方に投稿できるというクライアントで、もちろん日本人が作成しています。Twitterについてはメッセージ投稿とタイムライン取得しかできませんが、Twitterとmixiボイスに同じコメントを同時に投稿することが出来ます。mixiも大事というユーザーにはお勧めのクライアントと言えます。またTwitterでも画像などを添付せず、コメント投稿専用で使うには軽快に動作するクライアントです。
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『mixvTweet』~mixiボイスとTwitterに同時投稿!~
おまけ:WebクライアントDabr


Dabrのタイムライン
これはアプリケーションクライアントではありませんが、Webブラウザ上から利用できるTwitterクライアントです。公式RTやリストにも対応しています。何らかの事情でクライアントが使えない場合、WebブラウザでもTwitter公式サイトより使い勝手のいい操作を望む場合はオススメです。
低速回線で運用して、ちゃんと動作するクライアントは?
筆者は数年前に携帯電話会社関連の業務に就いていた関係で、複数キャリアの回線契約をしていて、その流れで今でも複数の回線を契約しています。そのため、全ての回線でパケット接続を利用していると、いくらパケット定額を契約しているからといってもとんでもない金額になってしまいます。そのようなわけで、以前はパケット接続を利用する回線を決めて利用していましたが、数カ月前からウィルコムの「どこでもWi-Fi」を契約し、通信を集約することで通信費を削減しています。なんでイー・モバイルの「Pocket WiFi」じゃないの?と思われるでしょうが、現在別にイー・モバイル回線を持っているのでこれ以上複数契約するのはやや辛いのと、Twitterやメール確認程度であればPHS回線のスピードでも十分だと思っています。筆者は複数の無線LAN対応スマートフォンで、ウィルコムの電波が入らない場所や緊急の場合を除いては基本的にこの運用法で使っていますが、3G通信機能を持たない無線LAN搭載Androidタブレットなどでもこういった方法を使えると思います。
さて、低速回線でTwitterクライアントを使用すると、正常にタイムラインを取得できないものがあります。今回検証したクライアントのうち、Twidroyd(フリー版)、TweetsRide、Swift App for Twitterでは正常にタイムラインを取得することが出来たのですが、Seesmic、Twiccaではタイムアウトが発生してタイムラインを取得できないことが確認されました。Twidroyd(有料版)は、登録しているアカウントのタイムラインを一斉に取得するためか、一つのアカウントだけなら問題なく取得しますが、複数アカウントを登録してしまうと取得出来なくなることがありました。ちなみに、Dabrはブラウザから立ち上げるため他のクライアントとは条件が違いますが、ちゃんと利用することが出来ました。また、mixvTweetについては他のクライアントと条件が異なるので比較方法が異なりますが、メッセージ投稿は問題なく行えました。元々の動作が軽いクライアントの方が、低速回線で運用する場合でも支障なく利用できるようです。
まとめ
今回取り上げたクライアントだけでもそれぞれに特徴があり、使用者の使い方や求める方向によって最適なクライアントが変わってくると思います。無料のクライアントは複数インストールしてみて、使い勝手を比べながら自分に合うクライアントを絞り込んでみてもいいのかも知れません。また今回紹介した以外にも、たくさんのTwitterクライアントがAndroidマーケットで公開されています。まさに玉石混淆といった感じですが、そんな中に自分にあったクライアントが眠っているかも知れません。
また、今後XperiaやDesire(X06HT)、またIS01といった高解像度かつ高速なスマートフォンやスマートブックが登場することから、既存のクライアントのバージョンアップはもちろん、新しい発想のクライアントや日本語対応クライアントが増加することも期待されます。今後もTwitterクライアントは進化と増殖を続けるでしょうから、いつの日か「Twitterを快適にやりたかったらAndroidだよね」と言われる日が来るのかも知れませんね。