アンドロイドを巡る議論&開発者へメッセージ「Android Developers Forum in Tokyo」開催!

2010年04月23日 11:14 by にしかわゆみこ
Android Developers Forum in Tokyo会場の様子

Android Developers Forum 会場の様子

4月17日(土)、秋葉原UDXギャラリーで、Androidアプリケーション開発者に向けたイベント「Android Developers Forum in Tokyo」が開催された。


会場には、約500名の応募から抽選で選ばれた、150名が来場。イベントの模様は、TwitterやUstreamでライブ中継された。司会は、日経BP ITproの菊池隆裕氏。菊池氏は、開発のヒントとなるイベントであることを説明し、「Android Application Award 2010 Spring」へのエントリーも呼びかけた。


「Android Developers Forum in Tokyo」開催概要

<日時>

2010年4月17日(土)

<主催>

日経BP社 ITpro, Android Application Award事務局, 日経BPセミナー事業センター

<講演>

山下哲也(NTTドコモ スマートフォン事業推進室 アプリケーション企画担当)

丸山不二夫(日本Androidの会 会長)

古川享(慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授)

<司会>

菊池隆裕(日経BP社)


ドコモから開発者への期待「スタンドアローンではなく、相互連携がポイント」


山下哲也氏

山下哲也氏(NTTドコモ スマートフォン事業推進室 アプリケーション企画担当)


NTTドコモ スマートフォン事業推進室の山下哲也氏が、「Xperiaおよびドコモマーケットの紹介と開発者への期待」について講演。


「アプリ、Webと、さまざまなサービスが世界中に広がっている。このカオス的な状態から、目当てのアプリへとつなげていくための橋渡しとして、ガイドブックの役目を果たすのが『ドコモマーケット』。また、Twitterなどの登場で、コミュニケーションの方法が変わってきた。今後は自分のアイデアに他者のアイデアを組み合わせるといった、柔軟で多様性のあるアプリが求められる」と述べた。そして開発者には、以下の3点を視点に入れてほしいと語った。


  1. 日々使い続けられるアプリであること
  2. スタンドアローンではなく、相互連携の仕組みを捉えること
  3. 開発者の思いを、ユーザの五感にまで伝えられるデザインとして取り入れること



日本Androidの会 会長より「グローバルな視点で開発を」


丸山不二夫氏

丸山不二夫氏(日本Androidの会 会長)


続いて、「日本Androidの会、最新の活動」について、日本Androidの会 会長の丸山不二夫氏が登壇。 日本Androidの会は、Androidの普及と発展、ビジネスの活性化にも力を入れ、色々な立場の人が参加できるオープンな場であるとし、丸山氏たちは、クラウドが提供するサービスの受け取り手として、Androidに期待を寄せていた。


「携帯に関していえば、世界で一番開発者が多いのは日本であり、その力をAndroidにも活かせば、日本の活性化にもつながるだろう」と考えを示し、「開発者たちに強調したいのは、アプリをグローバルなマーケットに出してほしいということ。そして、音声入力、画像認識といった新しい流れに挑戦すれば、きっといいアプリができる」と展望を語った。


慶應大学古川氏が語る「Androidが示す、未来の姿」


慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授 古川亨氏

古川享氏(慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授)

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の古川享氏は、「Androidプラットフォームへの期待」について講演。


昨年、日本に初めてAndroid端末が登場したときに「デバイスではなく、新しいプラットフォームが誕生した」と授業で話されたという。


「現在、Androidデバイスを機器に埋め込み、実験や施設など、さまざまな場所でAndroidは使えるようになってきている。看護師がデバイスの組み込まれた電子カルテを持ち歩く、または、ベッドにデバイスを組み込み、医療情報を共有するといった、Androidを使った院内情報機器もある」と述べた。



「こういったコンポーネントが、未来の開発を促進するだけではなく、現実に病院の医者やそこで生活する人に利用されることは素晴らしいと思う。マイクロチップを搭載し、データのログだけでなく、お互いが情報を連動し合って、携帯やSTBで展開を図れるようになる。UI・操作性・サービスといったものすべてを、Androidの世界でカバーしていく」と未来の姿を語った。



Lighting Talks 「リミット5分の熱いプレゼンバトル」


左:時間になるとドラが鳴る。 右:日本アンドロイドの会所属の矢野りん氏。

左:時間になるとドラが鳴る。 右:矢野りん氏(日本Androidの会)


「Lighting Talks」では、アプリ開発者や企画者たちが、プレゼンテーションを行なった。プレゼンテーションは5分間。時間になるとドラが鳴らされる。


日本Androidの会の矢野りん氏は、Android版のFlashPlayerの現状と今後の期待について語った。トリワークスの中谷正史氏は、運営サイト「アンドロイダー」のPCサイトで、現時点では訳1割のアプリがXperia上での動作に問題があることを確認したと発表した。

そして、EMPRESS SOFTWAREのデイビッド・チャン氏は、Android向けEMPRESS組み込みデータベースについて紹介。Waaotn&Company.Ltd.代表のリ・ドンヨル氏は、Android版のSNSアプリ「waarp」について説明。文字をもたないアプリとして開発した「waarp」は、音声認識でサービスが利用でき、視覚障害者たちが活用できると語った。最後に、タオソフトウェア代表の谷口岳氏が、電源を切った時点で、自動的に機内モードになるアプリについて紹介した。



パネルディスカッション「複数のプラットフォームに対応するアプリが必要」


左:ユビキタスエンターテインメント代表 清水 亮氏 右:会場内のTwitter画面

左:清水亮氏(ユビキタスエンターテインメント代表) 右:会場内のTwitter画面


パネルディスカッションでは、講演を行なったNTTドコモの山下氏、日本Androidの会の丸山氏、慶應義塾大学の古川氏に加え、ユビキタスエンターテインメント代表の清水亮氏も参加した。


「Androidのようなオープンなプラットフォームと、アップルのような独自プラットフォーム。どちらが勝つのか」という質問がTwitterから投げかけられると、慶應義塾大学の古川氏は「ハードウェアにかかわらず、欲しい情報が自分にとって最良の条件で手に入る。これからは、Android、iPhone、iPadと分けるのではなく、幅広くとらえるべきだ」と答えた。


さらに、開発者へのメッセージとして、日本Androidの会の丸山氏は「インターネットをモデルとして考えるべき。日本人は携帯文化の感覚が鋭い。クラウドを使って、サービスを作る力がある」と述べた。ユビキタスエンターテインメントの清水氏は、「ケータイからスマートフォンへの動きと、PCがスリムになり、スマートブックになるという2つの動きがある。賢い・スリムという2つの意味合いを持つ“スマート”は、新しい時代が来たことを感じさせる」と語り、NTTドコモの山下氏は「それぞれの特性を活かして、アイデアの具現化を目指してほしい」と示した。


パネルディスカッション:人物は左から (菊池)氏、山下氏、清水氏、古川氏、丸山氏

パネルディスカッション:人物は左から 司会 菊池隆裕氏(日経BP社)、山下氏、清水氏、古川氏、丸山氏


開発のノウハウを解説!「開発ポイント解説」
左:テックファーム 矢吹通康氏 講演画面 右:ランディード 森俊光氏

左:矢吹通康氏(テックファーム)講演画面 右:森俊光氏(ランディード)


最後のセクションは、開発のノウハウを2人の講師が解説する「開発ポイント解説」。別室では、アプリ開発に対する問題や質問に開発者たちが直接アドバイスする「開発クリニック」も実施された。


テックファームの矢吹通康氏は、「企画者と作り手はぶつかり合いながら、互いの感動ポイントを作るべきだ。ゴールをしっかりと捉え、ディスカッションすることが大事。さらに、アプリの進渉は、実機を使ってチェックすることも忘れずに」と語った。


続いて、ランディードの森俊光氏は、デザインについて講演。「形状・質感・色彩・動き。アイコンひとつとっても、すべてに意味がある。市場を深く観察し、ユーザを理解することも忘れてはいけない。限界や常識にとらわれず開発を進めてほしい」とエールを送った。