夏モデル発売!国内キャリアのスマートフォン戦略

2010年05月28日 16:09 by 石川温
NTTドコモ新たに3機種を発表

NTTドコモ新たに3機種を発表

先週はケータイ3社の夏モデル発表会が相次いで開催された。スマートフォン関連の動きとしては、やはりNTTドコモの「本気」が感じられたと言えるだろう。


そこで、各キャリアの夏モデル発表から見えたスマートフォン戦略について考えてみる。



NTTドコモは4月にXperiaを発売。現在もやや品薄状態が続くなど、売れ行きは相変わらず好調だ。発売前の予約で5万台、4月20日までに10万台を売り上げるなど、4月は本当にXperiaがよく売れた。例年、春商戦が一段落する4月は富士通「らくらくホン」が売れるものだが、今年は見事にXperiaが市場をかっさらっていった感がある。


充実するNTTドコモラインアップ

やはり、「iPhoneを買いたいがソフトバンクモバイルには移行したくない」というNTTドコモユーザが、iPhoneに代わるスマートフォンとしてXperiaを購入しているのだろう。


そのNTTドコモが、夏商戦において3つの新機種を投入する。シャープのAndroid「LYNX」、東芝によるWindowsPhone「dynapocket」、そして、RIMの「BlackBerry」だ。


NTTドコモの新機種。左から「LYNX」、「dynapocket」、「BlackBerry9700」

NTTドコモの新機種。左から「LYNX」、「dynapocket」、「BlackBerry」


しかも、今回から「ドコモスマートフォンシリーズ」として、スマートフォンを全面に押し出したかたちでのシリーズ展開となった。これにより、NTTドコモはSTYLE、PRIME、PRO、SMART、らくらくホン、さらにはスマートフォンという6シリーズが揃うことになる。3機種の発表に加え、秋にはサムスン電子製のAndroidを発売することを明らかにした。OSのバージョンは2.1だ。


また、端末だけでなくスマートフォン関連サービスの整備も明らかにされた。「spモード」(どうやらSmartphoneを略したものらしい)として、iモードのプッシュメールや、課金代行サービス、フィルタリングサービスなどを導入していく。現在はコンテンツが少なく、魅力に乏しいドコモマーケットもコンテンツ数を大幅に拡充していく方針だ。


いまだにアップルとiPhoneの獲得交渉を進めているようだが、思うように進んでいない。iPadが日本だけSIMロックのかかった状態で販売されることを考えると、アップルとソフトバンクモバイルの関係は相当、強固なように思える。NTTドコモとしては、iPhoneを獲得できないのであれば、自社のコントロールが効く日本メーカーや、すでに取引のある海外メーカーからの調達を強化していくしかないのだろう。


スマートフォンにおけるキャリアごとの差別化にも期待

今回、NTTドコモとしてスマートフォンのラインアップを強化したのは評価できるが、よく見ればシャープ製も東芝製も、すでにauが発表したモデルとほとんど一緒といった状態となっている。これまでの一般的な携帯電話であれば、見た目は一緒でも各キャリアが提供するサービスが載っているため、とりあえず機能的な違いが多少はあった。しかし、オープンなスマートフォンとなれば話は別。見た目もほとんど一緒、中身も同じとあれば、ユーザは「どっちを買っても変わらない」ということになる。


auのIS01

端末コンセプトで差別化を図ったauのIS01


実際は、auのIS01は深澤直人氏のデザインであったり、IS02は緊急地震速報に対応しているなどの違いはある。だが、今後もオープンなOSの採用が進み、キャリアサービスの差がほとんどなくなるとあれば、「ラインアップは多いが中身は一緒」という状態が頻発すると予想される。スマートフォンラインアップが増えるのは嬉しいが、あまり3社で違いがなくなるというのも、何だか寂しくもなったりする。


ソフトバンクモバイルからはスマートフォンの発表はナシ

ちょっとした驚きだったのが、ソフトバンクモバイルの発表だ。ほとんどの携帯電話でTwitterに対応させるという仕掛けはあったものの、スマートフォンラインアップに関しては皆無だったからだ。ソフトバンクモバイルとしては、やはり6月にも発表されると噂されるiPhoneが本命であるため、他のラインアップは強化する気がないというのが本音なのかも知れない。一瞬にして在庫が無くなってしまったHTC Desireに関しても5月下旬に販売が再開されると言われているが、どれだけの入荷数があるかは不明。HTCによれば世界的に人気が高く、取り合いになっているようなのだが、果たして、日本に満足できるだけの個数が入荷できるかは見えていないようなのだ。


auはスマートブックが発売間近

一方、auは先頃発表したAndroid「IS01」、WindowsPhone「IS02」がようやく発売となる。IS01はどちらかと言えばスマートブックと呼ばれるジャンルに位置づけられる製品だ。1台目のスマートフォンとして使いたいのならば、年末に発売されると言われる、おサイフケータイ対応のフルタッチタイプを待つのが賢明だろう。



iPhoneを主力として戦うソフトバンクモバイルに対して、AndroidやWindowsPhoneなど幅広いラインアップを揃えて勝負を挑むNTTドコモとau。2010年のスマートフォン戦争「夏の陣」がいよいよ始まろうとしてる。