「GALAXY S」に見るハイスペックな機能とサムスンの戦略

2010年06月21日 16:04 by 石川温
「CommunicASIA2010」会場

「CommunicASIA2010」会場

6月15日からシンガポールで開催された「CommunicASIA2010」に行ってきた。例年、サムスン電子とLGエレクトロニクスが記者会見を行い、新製品を発表するのだが、今年はLGエレクトロニクスは欠席の模様。サムスン電子も、5月下旬に「GALAXY S」をシンガポールで発表したためか、このイベントに合わせた大きなイベントはなかった。


しかし、サムスン電子のブースでは大々的に「GALAXY S」を紹介。実際に触ってみたが、「早く日本でも欲しい」というのが第一印象だった。


規定以上のスペックを満たす「GALAXY S」

まず、驚くのがディスプレイだ。さすがに4インチというのは「大きい」と言わざるを得ない。日本でも東芝端末などが4インチを採用するが、GALAXY SではWVGA(480×800ドット)に加えて、サムスンご自慢の「SUPER AMOLED」を搭載している。このディスプレイが本当に美しい。


日本でもソフトバンクモバイルが発売する「941SC」もほぼ同等のディスプレイを採用するが、どうやらサムスンでは同社が規定する以上の解像度と画面サイズがないとSUPER AMOLEDと名乗れないようにしているらしい。GALAXY Sはそのスペックを充分に満たすと言うことから、SUPER AMOLEDと売りにしているのだ。


サムスン電子の避けては通れない戦略

実際に触ってみると、どこかでみたような画面構成になっているのに驚く。Android OS 2.1の上に当然ながら、サムスン独自のユーザーインターフェースをかぶせているのだが、これがまたiPhoneそっくりな構成なのだ。


「GALAXY S」:iPhoneと似ているユーザーインターフェース

「GALAXY S」:iPhoneと似ているユーザーインターフェース


画面下には、4つのアイコンが並び、普段よく使う機能を置くことができる。さらにアイコン一覧の上には小さな●(丸)が置かれており、今何ページ目を開いているかもわかる。画面を横にフリックしてアイコン一覧を出すという作法はまさにiPhoneだったりもするのだ。サムスン電子は他社で優れたところをうまい具合にリスペクトして取り込むのに長けているメーカーだったりもする。アップルのアプリプラットフォームに対して、bada(サムスン独自のオープンモバイルプラットフォーム)というのを立ち上げてしまうのもその典型例とも言える。


なにもその戦略がけしからんとは思わない。サムスン電子は、巨人・ノキアを追う2番手携帯端末メーカー。スマートフォンの世界で注目を集めるアップル・iPhoneをいいとこ取りするというのも間違った戦略ではない。


かつて、日本でもNECが折りたたみ携帯で販売シェアで独走していたころ、カメラ付きケータイでようやく認知度が広まりつつあったシャープは、NECのユーザーインターフェースを徹底的に研究して、ユーザが使いやすいと思えるような操作性を作り込んでいったという。まさにサムスン電子がやろうとしているのは、iPhoneユーザを取り込むために避けては通れない戦略なのだ。


Swype搭載でGALAXY Sへの高まる期待

そんな中、サムスン電子がGALAXY Sでイチオシの機能として紹介していたのが、「Swype」だ。Swype社が開発した文字入力システムなのだが、QWERTYキーボードを一筆書きのようになぞるだけで文字が入力できるようになっているすぐれものなのだ。例えば、helloを打ち込みたい場合、指をhのキー部分に置いた後、e、l、oの順番に一筆書きでキーボードをなぞってしまうだけでいい。すると、Swypeが最適な文字の並びを自動的に判断して、helloと入力してくれる。似たような言葉があれば、変換候補を出してくれるようになっている。


現在は英語のみの対応となるが、実はSwype社はDOCOMO Capitalから出資を受け、2010年後半にも日本語対応バージョンを投入する話があるという。


GALAXY Sも、日本ではNTTドコモが秋を目処に発売するとすでにアナウンスしている。「スペックも高く、ディスプレイも美しい。ドコモスマートフォンのフラグシップ的な位置づけにしたい」(ドコモ関係者)という話もあるので、場合によっては発売のタイミングでSwypeの日本語対応もあり得るだろう。ハイスペックなAndroidとして、ドコモから発売されるGALAXY Sに期待をしておきたい。