

au初のAndroid端末IS01
ついにauからコンシューマ向け初のAndroid端末「IS01」が発売されました。今回はIS01の契約と維持にいくらかかるのかをシミュレーションしていきます。
シミュレーション内容は下記3パターンで検討しました。
- 新規契約をする場合・他社からMNP(番号ポータビリティ)で契約する場合
- au携帯電話を持っていて、回線契約を増やす場合
- 回線は増やせないので、既存のau携帯を機種変更する場合
目次
IS01、2台目端末としてのすすめ
シミュレーションの前に、IS01はスマートフォンではなく“スマートブック”として発表されています。通話機能は付いていますが、通常はハンズフリー状態で通話を行うことになるので、イヤホンマイクかBluetoothヘッドセットが必須となってしまいます。
サイズとしてはちょっと大きめの電子手帳と同程度のサイズになるので、上着のポケットに入るかどうかというところでしょう。このため、auも1台目需要としてではなく、2台目需要という形でPRを行っていますが、普通のau携帯電話や他社スマートフォンから乗り換える場合、確かに1台目の代替という形で持つにはやや使い勝手が悪いかも知れません。
よって、IS01を持つ場合はやはり“2台目”として持つことを前提に検討を行った方がよいと思います。au携帯電話に契約を追加して持つか、他社携帯電話をメインに運用しながら追加で持つという考え方を基本にして、上手く用途を分けながらトータルの支払金額を下げる方向で検討してみてはいかがでしょうか。
IS01のメールサービスはどうなる?
料金シミュレーションの前にメールサービスの内容を確認しておきましょう。auではメールサービスとして、4点を利用することができます。
IS01はAndroidで動いているので、Gmailは標準で対応しているほか、Cメールにも対応しています。標準搭載のメールアプリや、Androidマーケットやau oneマーケットから、メールクライアントアプリ(K-9 mailなど)をインストールし、受信設定を入力することでau oneメールのメールアドレスは、利用できます。
しかしEZ Webのメールアドレスについては、8月以降のソフトウェアアップデートによって対応するとされているため、それまでは使用することができません。auの場合はメールサービスの利用に追加料金が発生したり、au携帯電話がないと登録ができないなどという制約がないことから、その点は非常に便利です。
1.新規契約をする場合・他社からMNPで契約する場合
IS01の場合は、機種変更よりは回線を追加する形での契約が多くなるかと思われます。下記の2点がこちらに該当します。既にau携帯電話を持っていて、回線を追加契約する場合は後述します。
- au携帯をまったく新規で契約する
- 他社回線をメインで使用しながらIS01を別に契約する
インターネットに接続するためには、「IS NET」(月額315円)の加入が必要となります。これはau携帯電話の「EZ WINコース」に相当するものですが、それ以外に別のプロバイダに加入する必要はありません。ISシリーズの発売に合わせて、9月30日まで「ISデビュー割」という割引サービスが実施されます。これは購入から2年間、基本使用料とIS NET相当額を割り引くというもので、最大26,280円(1,095円×24回)が割り引かれます。


IS01接続画面:ネットに接続するためには、「IS NET」(月額315円)の加入が必要
それでは気になる料金の内訳を、具体的に計算をしていきましょう。auでは、スマートフォン専用の料金プランはなく、EZ WINコースの代わりにIS NETに加入する以外はau携帯電話の料金プランと同じ考え方でよいという、非常にわかりやすい形になっています。
他社と同様、auも端末を分割払いで購入する代わりに基本料金が安くなる「シンプルコース」と、端末は一括払いで購入する代わりに端末代は安くなるものの、基本料金の割引がない「フルサポートコース」があります。ほとんどの方はシンプルコースを選択すると思いますので、今回フルサポートコースについては詳細を割愛します。


IS01ホーム画面:シンプルコースで料金プランをシミュレーション
料金プランは「プランEシンプル」が最安となり、「誰でも割」と組み合わせると780円となります。「プランSSシンプル」にすれば、1,050円分の無料通話がつきます(ただしパケット定額の適用がプランEシンプルとは異なります)。支払いの内訳としては以下の通りとなります。
プランEシンプルとプランSSシンプルを例に金額を出していますが、プランSシンプル以上の契約にする場合や、フルサポートコースを選択する場合は「基本料金+誰でも割」の料金を変えて読んで下さい。通話料や各種オプションについては割愛します。ただし、端末補償サービスの「安心ケータイサポート」の有料サービス(月額315円)については、加入する前提で掲示しています。
プランEシンプル
基本料金+誰でも割 | 780円 |
IS NET | 315円 |
パケット料金 | 0円~5,985円 |
ユニバーサルサービス料(※) | 8円 |
安心ケータイサポート | 315円 |
ISデビュー割 | -1,095円 |
合計 | 323円~6,308円 |
プランSSシンプル
ダブル定額スーパーライトの場合 | ダブル定額ライトの場合 | |
基本料金+誰でも割 | 980円 | 980円 |
IS NET | 315円 | 315円 |
パケット料金 | 390円~5,985円 | 1,050円~5,985円 |
ユニバーサルサービス料(※) | 8円 | 8円 |
安心ケータイサポート | 315円 | 315円 |
ISデビュー割 | -1,095円 | -1,095円 |
合計 | 913円~6,508円 | 1,573円~6,508円 |
ダブル定額スーパーライト:月額定額料390円からはじめられるパケット定額制(0.105円/パケット)
ダブル定額ライト:月額定額料1,050円からはじめられるパケット定額制(0.084円/パケット)
(通常は0.21円/パケット)
(※)ユニバーサルサービス料:日本全国のユニバーサルサービス(加入電話、公衆電話、緊急通報)の提供確保のために負担する料金
無料通話がどうしても必要でない限りは、プランEシンプル以外の料金プランにするメリットは、やや薄いのかも知れません。安心ケータイサポートについては、他社と違い無料サービスと有料サービスに分かれていて、無料サービスでも比較的保証内容が充実しています。
しかし、有料サービスを利用すると保証内容が更に充実するだけではなく、1年間故障なく利用するとauポイントが1,000ポイントもらえるほか、申し込むと電池パックを1個無料で貰うことができます。無料サービスの内容でも十分という人もいるかと思いますし、より充実したサービスを求めるということで有料サービスを選ぶ方もいるとは思いますが、各自の判断で有料サービスへの加入は決められて良いでしょう。
端末割賦代金に関する詳細は割愛しますが、au販売店は普段から他社からのMNPユーザに対してかなり高額のキャッシュバックサービスを行っている販売店があり、それを適用することでかなり安くすることができるかもしれません(サービス内容は販売店ごとに異なるため、詳細は販売店でご相談下さい)。
2.au携帯電話を持っていて、回線契約を増やす場合
既にau携帯電話を持っている場合は、機種変更をするよりは回線契約を増やして2台持ちとする方が便利かと思われます。回線を増やす場合はそれぞれの回線に「家族割」を適用できるため、「家族分け合いコース」を選択すると無料通話分を従来使用している回線と分け合うことも可能です。また、IS01の回線で「着信転送サービス」を指定して、従来使用しているau携帯電話で着信を受けることもできます。着信転送サービスの申し込みは不要で、基本料金もかかりません。新規で回線を増やすことになるため、料金に関しては新規契約をする場合と同様です。
プランEシンプルで回線を増やす場合
既存のau端末 | IS01 | |
基本料金+誰でも割 | 780円 | 780円 |
EZ WINコース/IS NET | 315円 | 315円 |
パケット料金 | (※)0円~4,410円 | 0円~5,985円 |
ユニバーサルサービス料(※) | 8円 | 8円 |
安心ケータイサポート | 315円 | 315円 |
ISデビュー割 | - | -1,095円 |
合計 | 1.418円~5,288円 | 323円~6,308円 |
(※)EZweb+PCサイトビューアーをご利用の場合、上限は5,985円/月となります
IS01を契約した回線にはISデビュー割が適用されるため、月々1,095円が割り引かれることになり、これは「基本料金+誰でも割:780円」と「IS NET:315円」の合計金額に相当します。よって、プランEシンプルで契約した場合は1回線分の基本料と2回線分のパケット定額料を支払う形になります。運用用途を上手く分けることで、2回線両方でパケットの上限額を支払う必要もなくなるかと思われます。
3.回線は増やせないので、既存のau携帯を機種変更する場合
以前より安くなったとはいえ、回線を複数持つということはやはり大変なことです。従来契約しているau回線を使って、機種変更でIS01を入手する人も中にはいるかと思います。しかし既存のau携帯電話から機種変更をする場合、下記の点に注意して下さい(詳しくはこちらを参照下さい)。
- EZ Webが使えなくなるため、従来利用してきたサービスが複数使えなくなる(月額課金のサービスを利用している場合は、機種変更の前にすべて解約する必要があります)
- Eメール(@ezweb.ne.jp)は8月下旬以降、「LISMO! Music」は9月下旬以降に行われるアップデート以後使えるようになるとのことだが、それまでは利用できない
- EZ FeliCa(おさいふケータイ)も搭載されていない(これまで利用していた場合は不便)
- IS01は通話を行う際平型端子のイヤホンマイクかBluetoothヘッドセットが実質的に必用となる
機種変更後も前の端末にau ICカードを入れることで利用することはできますが、そのたびに電源を切ってICカードの入れ替えを行わなければいけないため、あまり現実的とは言えません。しかしどうしてもEZ Webを使い続ける必要がある場合は、機種変前の端末も引き続き使うという方向で考えておいた方がいいでしょう。
料金については、現在契約している料金プランなどを変更する必要はありません。「EZ WINコース」は自動的にIS NETに切り替わります。ただしパケット定額料については、従来は上限額が4,410円であったところが5,985円となり、常にPCサイトビューアーを利用した場合の料金がかかることにも注意が必要です。
わかりやすい料金体系で安心して維持しよう
スマートフォン契約の際の維持費については、NTTドコモは4月からの「パケ・ホーダイ ダブル」と「Biz・ホーダイ ダブル」の統合により、以前よりはわかりやすくなりましたが、インターネット接続のために「mopera U」に契約をしなければいけないため、契約内容に明るくない人にとってはまだ若干複雑さが残ります(9月以降導入予定の「spモード」はどうなるのでしょう)。ソフトバンクは別途プロバイダ契約を要さないのはいいのですが、「HTC Desire」投入と同時に行われた改定でパケット定額と“月月割”の関係性が複雑になり、かなりわかりにくくなってしまいました。
それに対して、auは従来の携帯電話とほぼ同じ料金プランやサービスを踏襲していることから、3大キャリアの中では一番わかりやすい料金体系となっています。9月末までの契約ではISデビュー割が適用されるため、非常に安価に維持することができます。