IS01の5つの特徴!~成り立ちからその個性まで~

2010年07月13日 16:15 by Highmount
発売されたIS01

発売されたIS01

2010年6月30日、KDDIからau初のAndroid端末「IS01」が発売となりました。初のモデルはスマートフォンではなく、クアルコムが提唱し“スマートフォンとネットブックの中間”に位置する「スマートブック」というカテゴリに分類されるものでした。


カテゴライズ自体が特徴的なIS01ですが、今回は特徴的な部分を5つピックアップして紹介していきたいと思います。


  1. IS01のスタイル
  2. 新しいユーザーインターフェース
  3. Android端末では初のワンセグ機能搭載
  4. セカイカメラ for Android搭載
  5. ケータイ的機能の積極的な取り込み


1.IS01のスタイル

前述のように、IS01はスマートフォンではなくスマートブックにカテゴライズされます。スマートブックは世界的に見ても、製品化されたものはまだあまり多くはありませんが、IS01と同じくシャープが開発した「NetWalker PC-Z1」は、ARMコアのCPUを採用しLinux系OSを採用(NetWalkerはUbuntu 9.04のカスタマイズ版を採用)するなど、スマートブックの定義を満たしていると言えるでしょう。


このためIS01が発表された際、ネット上での反応は「3G通信機能付きNetWalker」といったものや、過去に販売されていたLinux搭載のPDA「Zaurus SLシリーズ」(いわゆる“りなざう”)を引き合いに出す人も多かったように思います。実際、りなざうの開発に関わった方々がIS01にも関わっているので、事実上りなざうの後継機であると言えなくもないでしょう。


IS01の外観

IS01の外観

深澤直人氏によるデザインやライトブルーのカラーリングなどは、同氏がデザインに携わっているau design projectの「neon」やiidaブランドの「PRISMOID」などにも通じるものがあります。


また、その見た目や形状から“メガネケース”なる愛称で呼ばれることも少なくありません。


KDDIが当初コンシューマ向けスマートフォン投入を発表した際、Android端末も“スマートフォンである”と発表されていましたが、実際に発表された端末はスマートブックとして登場したことで、「Nexus One」や「Xperia」のような普通のAndroidスマートフォンを期待していたユーザは大いに肩すかしを食う形となりました(筆者も含む)。


そのためか、IS01発表の際はネガティブな反響もやや多く、筆者自身も「ユーザーニーズと合致しているのだろうか?」と疑問を覚えた一人です。しかし、KDDIデザイニングスタジオや一部の量販店などで実機が公開されると、好意的な評価も徐々に広がっていきました。結果としては、敢えて定石を外したことが製品に注目を集め、また製品の評価を高めることになったのではないでしょうか。


キーボードは手に持っても、机に置いても使いやすい

キーボードは手に持っても、机に置いても使いやすい


QWERTYキーボードを持つAndroidスマートフォンはいくつかありますが、クラムシェルスタイル(※)を取っているものは初めてとなります。


IS01のキーボードは十分なキーピッチを確保しており、キーボード付きスマートフォンのように手に持って親指で打っても、机の上に置いてPCのようにタッチタイピングをしようとしても、結構不自由なく文字入力をすることが出来ます。


(※)折りたたみ式の形状


2.新しいユーザーインターフェース

IS01ではAndroid標準のユーザーインターフェース(UI)ではなく、独自のUIを採用しています。特徴的なのが「カード型メニュー」で、ユーザの必要に応じてページ(カード)を増やして管理を行えるというのはこれまでのAndroid端末にはなかったものです。


画面下部によく使用するアプリケーションや機能を登録できるクイックメニュー」や、他のAndroidのようにデスクトップ上にショートカットアイコンやウィジェットを配置できるなど、使い勝手にも配慮されています。


ホーム画面は画面下部にクイックメニューなどを並べて使い勝手を考慮している

ホーム画面は画面下部にクイックメニューなどを並べて使い勝手を考慮している

カード型メニューは必要に応じてカードを増やすようにメニュー画面を追加できる

カード型メニューは必要に応じてカードを増やすようにメニュー画面を追加できる


また、今までは別途入れなければならなかったタスクマネージャー機能が標準で搭載されていて、無駄に起動しているアプリを終了させることもできます。


この他に従来の通知領域が「お知らせエリア」と「ステータスエリア」に分けられ、今まではアプリやウィジェットを追加することで利便性を向上させてきた部分についても、あらかじめ使い勝手に配慮された構成となっています。このあたりには、従来の(ガラパゴス)ケータイ同様に買ってきたままの状態でも不自由なく使うことが出来るよう配慮されていることが伝わってきます。


お知らせエリアには従来通りアプリのインストール通知やメール受信などの通知が表示

お知らせエリアには従来通りアプリのインストール通知やメール受信などの通知が表示

ステータスエリアには通信状態などの各種ステータスが表示される

ステータスエリアには通信状態などの各種ステータスが表示される


3.Android端末では初のワンセグ機能搭載

IS01はAndroid端末としては初めて標準でワンセグを搭載しています。


5インチの大画面で見るワンセグはワンセグ専用受像器にも引けを取らない。

5インチの大画面で見るワンセグはワンセグ専用受像器にも引けを取らない。


画面表示は全画面表示とパンスキャン(映像を引き延ばして画面に余白が出来ないようにする)表示の二種類、音声も副音声の指定や字幕表示など、ワンセグとして標準的な機能は一通り揃っています。


受信感度についても、走行中の車内でもほとんど途切れないなど、思っていた以上に優秀です。また、録画機能も搭載しています。


4.セカイカメラ for Android搭載

IS01は拡張現実(AR)アプリ「セカイカメラ for Android」を搭載しました。


セカイカメラのAndroid対応版はアメリカのAndroidマーケットでAndroid OS 2.1以降に対応したバージョンが先に公開され、日本ではダウンロードできないという状態が続いていましたが、7月に入ってAndroid OS 2.1以降に対応した「セカイカメラ for Android」の配布が国内でもスタートしました。そのため、タイミング的にはIS01にプリインストールされたものが国内では初導入となり、Android OS 1.6で動作するバージョンとしては唯一となります。


カメラで撮影した画像にGPSや基地局情報を元にした位置情報を合成し、位置情報に該当するタグが表示される。

カメラで撮影した画像にGPSや基地局情報を元にした位置情報を合成し、位置情報に該当するタグが表示される。

タグをタップすると情報が表示される。

タグをタップすると情報が表示される。


画面上部には現在カメラを向けている方向にどれだけのタグ(※)が登録されているかを視覚的に表示しています。白い光点が多いほど、登録されているタグが多い方角ということになります。


既にiPhone版での利用者が多く、ユーザが多くのタグを登録していますが、一般ユーザだけではなく、企業も積極的に活用を始めています。賃貸仲介業では管理している物件にタグをつけて、物件情報を掲載していました。


(※)タグ:GPSを使った位置情報に紐付いてその場に表示される情報


5.ケータイ的機能の積極的な取り込み

IS01は従来の(ガラパゴス)ケータイ的な機能も積極的に取り込もうとしています。


上記のワンセグの他にも、8月以降のアップデートを待たなければなりませんが、Eメール(@ezweb.ne.jp)や「LISMO! Music」への対応のほか、赤外線通信ポートの搭載なども興味深いところです。


スマートフォンを使っていると、ケータイユーザとのアドレス交換が結構大変だったりします。相手のケータイがBluetoothに対応している場合はまだ何とかなります。しかし、使い方がわからない場合やBluetoothを搭載していない場合などは電話帳データをやりとりする方法がなく、なんとも原始的な方法を使わなければいけないという場面も多々あります。筆者もそういったユーザが多い集まりに行く場合は、スマートフォンではなくケータイを持っていくことがあるほどです。


それを考えると、赤外線通信機能を搭載したということは、そういった使い勝手をも考慮していることが伺われます。


赤外線ポートを搭載

赤外線ポートを搭載

ケータイとのデータ交換も問題なく行える

ケータイとのデータ交換も問題なく行える


また、開発者インタビューを読ませていただくと、終話キーでアプリを終了させられるなど、従来のケータイユーザでは“自然”な動作が違和感なく使えるような配慮も随所になされています。


既に搭載されている機能としては「au one ナビウォーク」や伝言メモ機能の標準搭載なども、従来の(ガラパゴス)ケータイからの移行を考えると当たり前に欲しい機能となるでしょうが、Androidへの機能追加と考えても非常に嬉しい機能です。


ケータイユーザをAndroidへ自然に導く配慮

IS01の特徴を棚卸ししてみて、浮かんだ言葉は「温故知新」といったものでした。現在までケータイユーザが培ってきたものを一旦リセットするのではなく、それは継承した上でAndroidという新しいシステムへ移行することができるよう、随所に配慮がなされていることを感じます。また、単純にAndroidのスマートフォンではなくスマートブックとして商品を構成したことにより、他のAndroidデバイスとは一線を画した印象をユーザに与えることに成功していると言ってよいでしょう。


ケータイの機能を上手く取り入れたことによって、Androidデバイスとしての完成度も向上していると思われます。更に発展させたAndroidスマートフォンの登場も今後予定されており、IS01の今後ともども非常に楽しみなことです。