東芝初のAndroid端末、クラウドブック「dynabook AZ」の特徴を紹介

2010年09月24日 16:10 by Highmount
東芝初のAndroid端末-クラウドブック「dynabook AZ」

東芝初のAndroid端末-クラウドブック「dynabook AZ」

2010年8月27日、東芝から「dynabook AZ」が発売されました。東芝のノートPC“dynabookシリーズ”のひとつとしてのラインナップですが、Windows系のOSではなく、Android OS 2.1を搭載してきたのが大きな特徴です。


海外では「AC100」という名称で販売されるようです。今回は、dynabook AZの特徴について下記3点を中心に紹介していきたいと思います。


  • スタイル
  • 動作
  • 機能



スタイルはまるでネットブックのよう

dynabook AZは、広義ではKDDIの「IS01」やNTTドコモの「LYNX」と同様、スマートブックに分類されるタイプの端末となりますが、東芝はスマートブックの呼称は用いずに「クラウドブック」という名称を用いています。


液晶は10.1インチ、画面解像度も1024 × 600ということで、標準的なネットブックと共通であることから、外観はぱっと見普通のネットブックのように見えます。天板は他の東芝製ノートPCと並べてもまったく遜色がない質感ですし、側面やタッチパッドの周り、キーの印字がオレンジでアクセントとなっており、非常におしゃれな感じです。


天板はノートPCとまるで遜色がない高級感がある

天板はノートPCとまるで遜色がない高級感がある


キーボードはキーピッチ19mm、キーストローク1.6mmと、こちらもノートPCと遜色ありません。従来のノートPCではファンクションキー(F1~F12)になっている部分がメディアプレイヤー関連ボタン、表示切り替えやタッチパッドのオンオフ、ボリュームや照度調整、無線のオンオフ、画面キャプチャなどの機能に割り当てられています。


また、Windows PCではWindowsキーなどが割り当てられている部分もAndroidの操作系に合わせたキーが割り当てられました。


PCのキー配置と基本一緒だが、Androidの使い勝手に配慮したキー割り当てになった

PCのキー配置と基本一緒だが、Androidの使い勝手に配慮したキー割り当てになった


従来のAndroid端末にはなかった、端末単体での画面キャプチャ機能が搭載されていることに注目です(今回の画面キャプチャ画像はすべてこの機能を使って取得しました)。また、非常に薄いことと、870gという重量から、ノートPCを持ち歩くよりも更にモバイルでの運用に適しているように思います。


動作は非常に快適

dynabook AZは、メインプロセッサにNVIDIA社の「Tegra 250」を採用しています。動作周波数は最大1GHz、GPU(グラフィックプロセッサ)も搭載するというモバイル向けとしてはかなり高性能なプロセッサです。


また、メモリも512MB搭載しており、メモリの空きが動作速度に影響するAndroidとしてはかなり潤沢なメモリ容量となります。


メインプロセッサに「NVIDIA Tegra 250」を搭載

メインプロセッサに「NVIDIA Tegra 250」を搭載


このため、動作は非常に快適です。通常の動作も非常に軽く、もたつきを一切感じない他、ブラウザは専用にチューニングを受けているのか、ページの表示が同程度の動作周波数のAndroid端末と比較しても非常に速いという印象です。


試しに動きが激しく、端末によってはコマ飛びするような動画を再生してみましたが、一切コマ飛びすることなくスムーズに再生することができました。内蔵ストレージ領域はユーザー領域として約12.5GB確保されており、かなり余裕を持ってデータを保存できます。


外部ストレージとして、SD/SDHC/マルチメディアカードやUSBメモリを接続する事ができます。このため、デジカメで撮影したデータをその場でdynabook AZに取り込んでオンラインストレージにアップロードしたり、他のPCのデータをUSBメモリ経由で取り込んで閲覧や編集を行うといった用途に使うこともできます。


外部ストレージにも対応しており、データのやりとりが楽々

外部ストレージにも対応しており、データのやりとりが楽々


様々なオリジナル機能、多彩なアプリケーション

先程の外部ストレージ機能も特徴的ですが、dynabook AZは様々なオリジナル機能が搭載されています。画面デザインは、ホーム画面が5面、メニューUIは独自のものを採用しています。このUIは先日発表されたタブレット端末「Folio 100」でも採用されているようです。


メニューUIは2種類の表示を選ぶことができる

メニューUIは2種類の表示を選ぶことができる


また、ホーム画面は設定で画面ごとに無線LANのSSIDを切り替えることができます。自宅や職場、所有しているモバイルルータなど、使用するアクセスポイントごとにホーム画面を切り替えて、それぞれで使う頻度の高いアプリやウィジェットをホーム画面にまとめて使うという運用が可能です。


デスクトップ設定では、ホーム画面のページごとにSSIDを指定できる

デスクトップ設定では、ホーム画面のページごとにSSIDを指定できる


dynabook AZはGoogleアプリケーション(Gmail、Googleマップ、YouTubeなど)が搭載されていませんが、それに代わって様々なアプリケーションやウィジェットが搭載されています。


ブラウザは標準ブラウザの他、「Opera Mobile」(Opera10-Beta)が搭載されています。標準ブラウザを使うか、Operaを使うかは好みの問題だと思いますが、Operaはユーザーエージェントの設定をデスクトップとモバイルで切り替えが行えるため、モバイル向けサイトを閲覧したい場合には重宝するでしょう。


Opera Mobileでユーザーエージェントを切り替えて、アンドロナビを表示(上:デスクトップ 下:モバイル)

Opera Mobileでユーザーエージェントを切り替えて、アンドロナビを表示(上:デスクトップ 下:モバイル)


この他、コミュニケーションソフトウェアの「fring」や、クラウドサービス「Evernote」のクライアントアプリが標準搭載されています。fringを使えばWi-Fiネットワークを介してチャットやインターネット電話を利用できますし、Evernoteは画像、テキストデータ、音声データなどをネットワークを介して様々な端末で共有できます。Android端末で撮影した画像をEvernote経由でdynabook AZで取り込んだり、出先でdynabook AZで作成したテキストデータをEvernote経由で自宅のPCに取り込むという事が可能になります。


ちなみに、使用にあたってはアカウント登録が必要です(既にアカウント登録をしている場合はそのアカウントでログインして使用することができます)。


fringやEvernoteを活用するとクラウドを用いた作業の幅が広がる

fringやEvernoteを活用するとクラウドを用いた作業の幅が広がる


この他にも「Documents to Go」や、電子辞書アプリ「デ辞蔵」を搭載しているので、レポート作成くらいであれば問題なくできるのではないかと思います。「TOSHIBA Media Player」や「TOSHIBA File Manager」といった、東芝製のユーティリティアプリも標準搭載されており、操作もわかりやすく画面も見やすいと感じました。


さらに、「SingleClick Connect」というアプリが搭載されていて、ネットワークを経由してWindows PCにリモートアクセスできるという機能が搭載されています。アカウント登録が必要ですが、登録したアカウントでログインすることでどこからでも自宅のPCに保存したデータにアクセスすることができるようになるようです。


また、ウィジェットも充実しており、メモウィジェットやソーシャルネットワークウィジェット、YouTubeウィジェットが用意されています。


ソーシャルネットワークウィジェットは、FacebookやTwitterの情報を表示、YouTubeウィジェットはモバイルYouTubeの情報を表示するものです。情報の詳細にアクセスするにはブラウザを立ち上げるなどが必要になります。


標準ウィジェットも複数搭載されている

標準ウィジェットも複数搭載されている


Googleアプリケーション未搭載、タッチパネル非対応

前述のように、dynabook AZにはGoogleアプリケーションが搭載されていません。これはつまりAndroidマーケットが搭載されていないため、マーケット経由でのアプリケーション導入ができないということでもあります。これについてはこの端末特有の問題というわけではなく、最近盛り上がりつつあるタブレット型端末でも多い話で、独自のマーケットを提供していることがあります。


dynabook AZの場合は、アンドロナビやCamangi Marketのような独自マーケットからアプリを入手する形になるでしょう。ただしCamangi Marketはタブレット端末向けにアプリを提供しているため、公式にdynabook AZへの対応をアナウンスしていないことには注意した方がいいでしょう。


また、Android OS 2.1を搭載してはいますが、タッチパネル非対応であることやGmailなどを搭載していないことから、マルチタッチ機能やマルチアカウント機能などが利用できないのが若干残念なところではあります。ファーストモデルでもありますし、仕方のない部分もあるとは思いますが。


通話/3G通信機能はないが、なぜか電波表示などはそのまま残っている

通話/3G通信機能はないが、なぜか電波表示などはそのまま残っている


不思議だったのは、携帯電話機能は搭載されていないはずなのに電波表示やSMSなどのメッセージ機能、電話帳などがそのまま残されていたことです。これについては調べてみたところ、海外モデルでは3Gを搭載したモデルも登場するようです。3G対応モデルのためにOSレベルで3Gまわりは残してあるのかなと思いました。


発売前から盛り上がるユーザが印象的

発表直後から、Twitterでは「#aznyan」というハッシュタグで情報のやりとりが行われています。なぜこんなハッシュタグなのかというと、アニメ「けいおん!」の登場人物である中野梓(通称:あずにゃん)が由来となっているそうです。


型番である「AZ/05M」を“あずにゃんは5人目”(あずにゃんは軽音部5人目のメンバーである)にこじつけている人もいたようです。発売される前からdynabook AZには注目が集まっており、発売される前に予約していた人も多かったと聞いています。


ハードウェアとしてのクオリティは非常に高く、今後に期待したい端末

いくつか残念なポイントはありますが、ハードウェアとしてのクオリティは非常に高く、使い方さえ上手く見いだすことができたらかなり使い勝手のよいツールであると感じました。ここ最近市場に登場した「変わり種Android端末」の中では“素性の良さ”はダントツと言ってもいいでしょう。単体で使うというよりは、他のAndroid端末、デジカメ、PCなど、様々なツールと連携させながら使うことで、よりdynabook AZは魅力を増すのではないかと思います。


アプリの入手性についても、タブレット端末「Folio 100」の登場に合わせてコンテンツやアプリをダウンロードできるサービス「Toshiba Market Place」が利用できるようになるとのことなので、将来的にはdynabook AZでも利用できるようになるかも知れません。そうなれば現在の不便さは大幅に改善されるでしょう。


今後メインプロセッサにTegra 250を採用する端末も増えてくるので、処理能力や描画能力を生かし切ったアプリが増えてくると、dynabook AZの使い勝手も更に良くなると思います。