Android関連のセッションが光った「Google Developer Day 2010」

2010年10月04日 17:15 by いのたしん
「Google Developer Day 2010」Android OSで動くロボットも展示

「Google Developer Day 2010」Android OSで動くロボットも展示

Googleが開発者向けに開催するイベント「Google Developer Day 2010」が9月28日、東京国際フォーラムにて開催された。


当日は開発者を中心に多数の人が来場。基調講演やAndroid、Chrome、HTML5など5つのカテゴリーに分かれて、ブレイクアウトセッションが行われた。そんな中からここではAndroid関連の話題をピックアップしてお伝えする。


※プログラムについてはこちらより参照ください


Androidへの期待が高まる基調講演

基調講演ではGoogleデベロッパー アドボケイトのティム・ブレイ氏がAndroidの近況を説明した。


ブレイ氏はまずモバイルデバイスの現状を説明。世界人口68億に対し、モバイルデバイスが41億台、モバイルユーザが36億人となったと伝え、もはやモバイルは世界全人口の半分を超えたとした。その上でAndroidもiPhone・iOSがこの4年半で見せた急速な伸びをしのぐような成長を見せており、GoogleサーバーへのAndroidのアクティベーションデバイスが、今年2月時点では1日6万台程度だったが、最近では1日20万台の勢いとし、Android市場の拡大に自信を見せた。


またアプリケーションもゲームジャンル等でデバイスの増加を牽引していることを挙げ、ハイパーデブボックスジャパンが開発中のシミュレーションRPG『Spectral Souls』を紹介した。


さらにAndroid OS 2.2 Froyoについても紹介。新たに搭載されるC2DM機能(サーバからAndroid搭載端末に対してインテントを送り、アプリケーションを起動させる機能)やデザリング機能(Android端末を外部モデムとして、PCなどの端末をインターネットに接続させる機能)等の説明を行なった。その他Androidマーケットの新機能として閲覧中のアプリと似たアプリを紹介する機能も紹介された。


Androidの近況を語るティム・ブレイ氏

Androidの近況を語るティム・ブレイ氏


日本国内の話題では、Googleとオムロンの協力による日本語音声入力のデモが実施された。また日本Androidの会会員が11万1600名となったことや、日本がアプリダウンロード数世界5位、アプリ登録数世界2位であることを挙げ、日本はAndroidにおける大きな成功事例であることを強調し、基調講演におけるAndroid関連の話題は終了となった。


ブレイクアウトセッション「クールなAndroidアプリを作るには」

「クールなAndroidアプリを作るには」というタイトルで実施されたブレイクアウトセッションは、Tokyo GTUG(Google Technology User Group)マネージャーの安生真氏の司会で進行。壇上には有名アプリを手がけたAndroid DEvelopers’ CluB(デ部)の江川崇氏山下盛史氏が立ち、それぞれクールなアプリを作るために必要な事柄について語った。


司会・進行の安生真氏

司会・進行の安生真氏


江川崇氏は言わずと知れた非公式iモードメールクライアント『IMoNi』の開発者。『IMoNi』は現在ダウンロード数が表示上限25万まで達し、アクティブインストールは76%、アクティブユーザは20万、評価数は8,500で総評価4.5となっているという。


同氏はその開発経験等からクールなアプリを作るために、「緩やかな繋がり」を活かすことを提案。「緩やかな繋がり」は技術的側面、人的側面に分けて説明された。技術面では外部アプリとの連携の利点とこれまでの経験で得られたTIPS等を解説。有名アプリとの連携や標準の仕組みをなるべく使うこと、といったポイントを挙げた。人的側面では開発者やユーザからの意見の取り扱いや個人開発者は無理をしないことをポイントに挙げつつ、アプリ連携が開発者同士をつなぐこともあり、「Android開発者の集いはAndroidという共通の話題がある中での異文化交流。おもしろいし勉強になる」とした。


『IMoNi』の開発者、江川崇氏

『IMoNi』の開発者、江川崇氏


一方、山下盛史氏も「Android Developer Challenge 2」で3位となったアプリ『FxCamera』の開発者。『FxCamera』はいろいろなエフェクトつきの写真を撮影できるアプリで、ダウンロード数370万、アクティブインストール数210万、評価数は4万を超え、総評価4.5となっている。


同氏はクールなアプリを作るために必要なポイントして「使いやすいこと」「落ちないこと」「サポートがしっかりしていること」「進化していくこと」の4点を挙げた。


『FxCamera』の開発者山下盛史氏

『FxCamera』の開発者、山下盛史氏


「使いやすいこと」についてはわかりすいUIを実現するため、あえて標準UIの部品を使ったり、ひと目で惹きつける起動画面デザインとしたりといった工夫を紹介。またBackキー、メニューキーのユーザにストレスを与えない使い方にも言及した。「落ちないこと」では画面の縦横切り替えやスライド式キーボードの開閉時にActivityが強制再起動される点に注意が必要だとし、「サポートがしっかりしていること」についてはFAQやWebサイトを作っておくと便利だとした。


最後に機能拡張等の進化を続けることの重要性を説明しつつ、「自分が作りたいものをこだわって作ればいい。迷ったときは自分が納得するかどうかで決める」とアプリへの自分の考えを通すことの大切さも語った。


ブレイクアウトセッション「Androidでリアルタイムゲームを開発する方法:リベンジ」

「Androidでリアルタイムゲームを開発する方法:リベンジ」というタイトルのブレイクアウトセッションでは、Googleデベロッパー アドボケイトのクリス・プルエット氏がAndroidでリアルタイムゲームを開発する際のポイントを語った。同氏はゲームアプリ『ワンダのレプリカ島』の開発者でもあり、このゲームはAndroidマーケット公開後100日に約100万ダウンロード、現在は約130万ダウンロードを達成しているという。


Googleデベロッパー アドボケイト、『ワンダのレプリカ島』開発者のクリス・プルエット氏

『ワンダのレプリカ島』開発者のクリス・プルエット氏


プルエット氏はまずAndroid端末の種類の多さをポイントに挙げ、リリースされている端末を大きく第1世代・第2世代と分けてそれぞれの特徴的なスペックを説明。その上で5機種(Liquid、Droid、Nexus One、Xperia、HT-03A)のパフォーマンステストの結果を公開した。


テストではOpen GL ES 1.1を利用した高さマップを表示する自作のプロファイルアプリを使用。頂点の数を変更してレンダリングを行い、その読み込み時間を計るもの。その結果HT-03A以外の機種は、3万頂点程度までならばゲーム表現に十分なパフォーマンスがあると評価した。またパフォーマンスを高める方法としてVBO(Vertex Buffer Object)の利用、VBOの数は減らすこと、浮動小数点数の頂点の利用、30ヘルツで遊べるようにプランニングすることなどを挙げた。


自作アプリによる5機種パフォーマンステスト結果を公表

自作アプリによる5機種パフォーマンステスト結果を公表


ゲームのスレッド構成についても解説。レンダリングスレッドにGLSurfaceViewを使用した点についての説明やNDK使用の際のスレッドモデルの紹介を行なった。


さらに実際にゲーム開発を行なって勉強になった点として、操作システムの設定の必要性を挙げた。ユーザや端末によって好みは変わるので、キーコンフィグ等は設けたほうがいいとのことだ。プルエット氏は操作設定の導入にあたり、最終的にはInput SystemとGameの間に結局Input Interfaceを取り入れている。


その他アプリをwebサーバーに接続してユーザデータを収集したり、webサーバーからシェーダーをいじってテクスチャを変更したりする例も挙げた。最後にプルエット氏は「ゲームカテゴリーは、Androidマーケットでユーザーランキング2位、ダウンロード数1位、インプレッション数1位と、今もっともユーザが注目しているカテゴリー」と説明。ゲームアプリ開発環境は追い風にあることを強調した。


上記セッションの他にもAndroid関連のセッションが多数実施。その他HTML5やGoogle App Engine等のセッションも行われ、開発者の熱気に溢れたイベントとなっていた。



※ブレイクアウトセッションの一覧は、こちらから参照ください

※Google Developer Day 2010に関するTwitter


【お詫びと訂正:2010/10/6】

筆者および編集部の確認不足により、安生真様の写真を誤って掲載致しました。安生真様及び関係者の皆様にご迷惑をおかけした事を訂正しお詫び致します。