「IS03」を発表!ユーザビリティにこだわったKDDIのAndroid戦略

2010年10月14日 15:46 by 石川温
KDDIがスマートフォン「IS03」を発表

KDDIがスマートフォン「IS03」を発表

KDDIがついに本命とも呼ぶべきスマートフォン「IS03」を発表した。


シャープが開発を担当し、Android OS 2.1に対応した。日本でよく使われている赤外線通信、ワンセグ、おサイフケータイといった機能を搭載。ディスプレイは3.5インチのNEWモバイルASV液晶(960×640ドット)で、メインディスプレイと一体化して、メイン液晶が消えている状態でも時刻などの表示を可能とする「メモリ液晶」が搭載されている。


まさに日本メーカーによる日本のユーザのことを考え尽くされたスマートフォンが誕生したように思う。


auにとっては何としても、他社から大きく出遅れたスマートフォンにおいて、巻き返しを図らなくてはいけない。その第一弾となるのがIS03だ。


世界に刺激され、スマートフォン開発を強化したau

かつて、auにとってスマートフォンは「話題性はあるが、実際には売れてはいない。日本のユーザには既存のケータイがベスト」という考えがあった。しかし、その戦略を大きく見直さなくてはいけないと気づかされたのが今年2月にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress」。講演に参加する小野寺正社長が、会場内を見回り、展示されている数々のスマートフォンを見て、「世界はスマートフォン一色だ」と日本に戻るや、スマートフォン開発の強化を指示したという。


日本のメーカーと二人三脚でIS03を開発

日本のメーカーと二人三脚でIS03を開発


とはいえ、auは世界的にはシェアの小さいCDMA2000によるネットワークを構築している。そのため、NTTドコモやソフトバンクモバイルのようにW-CDMAをベースにし、世界中からスマートフォンを調達するというわけにはいかない。auとしては、スマートフォンにおいても、日本のメーカーと二人三脚で端末を開発していく必要がある。そこで、徹底的にこだわったのが日本人が使いやすいと感じる、今までのケータイの利便性を踏襲したスマートフォンづくりだ。


見やすさ、使いやすさにKDDIとシャープのこだわりが凝縮

今回、ユーザーインターフェース開発を担当しているのは、IS01と同じくスウェーデンのデザインチーム「ocean observations」でKDDIとの共同開発となる。実際、全体のユーザーインターフェースだけでなく、音楽サービス「LISMO」などのアプリケーションや、メモリ液晶部分のアイコンデザインに至るまで、同チームの手によって開発されている。


モリサワの「新ゴR」というフォントに加え、960×640ドットの高精細液晶、さらには独自開発ユーザーインターフェースなど、見やすさ、使いやすさにKDDIとシャープのこだわりが凝縮されているのがよくわかる。アドレス帳などもケータイで採用されていた項目が踏襲されている。グーグルによるアドレス帳とは異なっているのだ。


独自開発のユーザーインターフェース。IS01の下積みがあってこそ

独自開発のユーザーインターフェース。IS01の下積みがあってこそ


シャープの開発担当者によれば、「おサイフケータイ対応などの苦労はあったが、ユーザーインターフェース的には横画面のIS01を縦にしただけのようなもの」と謙遜する。とはいえ、やはりIS03の完成度の高さは、他社に先駆けてAndroidに着手し、IS01を投入してきた実績があるからこそ、と言えるだろう。


実際、IS01を発売してからのユーザの反響などを反映させて、開発中だったIS03に手を加えている部分もあるのだという。さすがにAndroidの深い部分ではなく、一部のアプリにはなるが、それでもフィードバックが素早く適応されるという状況には驚いてしまう。


かつて、KCP+(KDDIとクアルコムが共同開発したau専用のプラットフォーム)などの独自のケータイプラットフォームではどうしても時間がかかってしまうような開発も、Androidであれば迅速に対応できてしまうようだ。


「2台持ち」からの脱却!auの今後のスマートフォンにも期待

IS03で注目はやはり初のスマートフォン対応となるおサイフケータイだろう。auが目指したのが、「2台持ち」からの脱却。今までスマートフォンと言えば、iPhoneと普通のケータイという2台持ちユーザが多かったが、IS03の登場により2台持ちから解放されると思うとうれしい限りだ。


おサイフケータイ搭載のIS03.カラーはオレンジ、ブラック、ホワイトの3色

おサイフケータイ搭載のIS03.カラーはオレンジ、ブラック、ホワイトの3色


auではIS03だけでなく、今後も続々とスマートフォンを投入予定だ。10月18日には秋冬商戦向けモデルとして、さらに複数機種の発表が予定されている。


個人的に期待しているのは、アメリカで販売されているWiMAXを内蔵した「HTC EVO」のようなスマートフォンだ。12月からはかつてUQコミュニケーションズの社長を務めた田中孝司氏がKDDI新社長に就任するだけに、可能性はゼロではないと思うのだが。