Androidのバージョンに見るキャリアとメーカーの取り組み

2010年12月01日 07:55 by 石川温
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Androidのバージョンはユーザの判断材料になりつつある

Androidのバージョンはユーザの判断材料になりつつある

いよいよ11月下旬より、Android搭載端末の新製品が立て続けに発売される。年末から来春の商戦に向けてメディアや店頭はAndroid一色に染まることだろう。


そんな中、ユーザの間ではAndroidのバージョンが話題になっている。ソフトバンクモバイルが全機種2.2搭載を掲げたことで、今まで以上に「バージョンはいくつか」ということを気にする風潮になりそうだ。


同時期に発売される端末のバージョンが違うワケ

今回の商戦で、NTTドコモとソフトバンクモバイルから、ハード的にはほぼ同等の3Dスマートフォンが発売される。しかし、NTTドコモはAndroid 2.1、ソフトバンクモバイルは2.2というバージョンの違いが出てきた。


これは「NTTドコモ端末の場合、検証作業に時間をかけるため、どうしても製品の開発を早めに行う必要がある。タイミングが悪く、そこに間に合わせるには2.1で開発を進めるしかなかった」(関係者)というのだ。ソフトバンクモバイルでも、2.1で開発を進めていたが、途中で2.2に変更しても何とか時間的に間に合うように調整を行った。この違いがほぼ同時期の発売であっても、最新バージョンで販売できる理由につながったようなのだ。


バージョンにおいては特に、auがIS01において、バージョンアップを断念した(KDDI、11月18日付けリリース)こともあり、今後、どのバージョンが搭載されているかが、ユーザの購入の判断材料になりつつあるようだ。


最新OS、メーカーとしての作り込み、必要なのはどっち?

ソフトバンクモバイルが冬~春商戦において、2.2を標準搭載するのは立派なことだと思う。しかし、2.2の目玉機能であるはずのテザリングには非対応。ZTEやファーウェイの機種ではFlash Player 10.1にも非対応とあってはやや拍子抜けしてしまう。


孫社長は発表会で「(キャリアとしてOSに)作り込みをさせるのはナンセンスだ」と一蹴していた。確かにauはキャリアとして、Android OSのユーザーインターフェース部分にかなりの作り込みをしている。そのせいか、IS01では「バージョンアップを検討したが、パフォーマンスが落ちてしまう可能性があったので、見送った。バージョンの数字が上がっても、前より使いにくくなってしまっては意味がない」(KDDI関係者)ということになってしまった。では、作り込みをしない端末が本当によいといえるのか。


ソフトバンクモバイルと取引のあるメーカー関係者に話を聞くと「孫社長は表向きはああ言っているが、実際はそんなことはない。メーカーに『他キャリアよりもいいものを作れ』と指示が飛んでいる」という。ソフトバンクモバイルの関係者も「将来発売する海外メーカー製は、かなり手を入れてがんばっていきたい」と語る。


実際、ソフトバンクモバイルのGALAPAGOS 003SHを触ってみると、同等のハードウェアスペックを持つNTTドコモのLYNX 3D  SH-03Cと比べても、相当な作り込みが施されている。アドレス帳周りのユーザーインターフェースは、Twitterとの連携にもすぐれ、相当、シャープとして作り込みの努力が伺える。


Android 2.1搭載のNTTドコモ LYNX 3D(左)Android 2.2搭載のソフトバンク GALAPAGOS 003SH(右)

Android 2.1搭載のNTTドコモ LYNX 3D(左)Android 2.2搭載のソフトバンク GALAPAGOS 003SH(右)


海外メーカーを見ても、ソニー・エリクソン、HTC、サムスン電子とも、メーカーとして独自のユーザーインターフェースを開発し、相当な作り込みを行っている。Androidという同じプラットフォームを使っているからこそ、メーカーとして差別化や作り込みが重要になってくる。


シャープのような日本国内でも全キャリアに端末を提供するメーカーであれば、なおさらキャリアとしての差別化要素をAndroidに盛り込む必要もあるだろう。


「素に近いOSで最新版をいち早く市場に投入する」か、それとも「作り込んで他社と差別化するか」。この2択で、しばらくキャリアやメーカーは頭を悩ませそうだ。

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