日本Androidの会:スマートTVでメディア革命!?最新AndroidタブレットSmartiaのタッチ&トライも実施

2010年12月08日 17:30 by いのたしん
会場の様子

会場の様子

日本Androidの会は12月6日、東京電機大学にて、12月の定例イベントを開催した。


今回のイベントではGoogle TVの登場で俄然注目の集まっているスマートTVや一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラムのスマートフォンへの取り組みについての講演、NECビッグローブが発売開始したAndroid搭載タブレットSmartia」のタッチ&トライ等が実施された。会場の様子をリポートする。


「日本Androidの会12月定例イベント」開催概要

<日時>

2010年12月6日(月)

<場所>

東京電機大学 丹羽ホール

<主催>

日本Androidの会・早稲田大学

<協力>

日本電機大学

<講演者>

杉本礼彦氏(株式会社ブリリアントサービス 代表取締役)

佐々木陽氏(株式会社GClue 代表取締役)

粟冠徳幸氏(NECビッグローブ株式会社 アプライアンス事業開発本部グループマネージャー)

高野敦伸氏(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム 事務局長代理)


株式会社ブリリアントサービスの杉本礼彦氏

株式会社ブリリアントサービスの杉本礼彦氏

ARIB準拠ではないAndroid TVがおもしろくなる

最初に登壇したのは株式会社ブリリアントサービス代表取締役の杉本礼彦氏。同氏は日本Androidの会関西支部長も務めており、当日は定例イベント全体の司会進行も担当していた。


講演のテーマは「実は違うGoogle TVとAndroid TV」。社団法人電波産業会(以下ARIB)の存在をキーとして、Google TVではないAndroid TV登場についての持論を展開した。


杉本氏はまず、もし放送画面上にニコニコ動画のように文字がスクロールするGoogle TV向けアプリを開発したとしても、それは日本では提供できないと語り、その理由をARIBが策定した地上デジタル放送の運用規定によるものだと説明。その他運用規定には電子番組表(EPG)の使用等の項目があり、通信の世界のように自由な機器・アプリ開発は難しいと語った。


しかし09年7月23日に総務省は経済的に困窮度の高いNHK受信料全額免除世帯に対する簡易地デジチューナー配布に際し、機器の納入事業者を公募。この簡易地デジチューナーに求められる仕様にはEPG等の条件が入っておらず、ARIB準拠のものとは異なる製品が登場することを杉本氏は紹介。それが既成事実となりARIB準拠ではないAndroid TVが広がるのではないかと、Android搭載TVの裾野が広がる可能性を示唆した。


その上で「大手家電メーカーはおそらく、ARIB準拠のGoogle TVしか出せないであろう。しかしARIBとの関係の薄い小さな家電メーカーや家電以外のメーカーが“Google TVではない”Android TVを出すのではないだろうか。そちらの方が開発者にとって非常におもしろくなるかもしれない」と、開発者から見たAndroid TVに対する期待を表明した。


株式会社GClueの佐々木陽氏

株式会社GClueの佐々木陽氏

次世代テレビの姿を問われた2010年 メディア革命はこれから起こる

続いて株式会社GClue代表取締役の佐々木陽氏が「Google TVにより到来するメディア革命!」と題し講演を行なった。


講演に際し同氏はステージ上にソニーのGoogle TVとApple TV、そしてApple TVと同じくセットトップボックスタイプのスマートTVデバイスBoxee Boxを展示。Google TVとBoxee Boxに関しては動作デモも行なった。


デモではGoogle TVとBoxee Boxでミュージックビデオサイト「VEVO」のアプリを実行。会場のネットワークの関係でやや処理が重くなる場面も見られたが、基本的にはスムーズにミュージックビデオが再生されていた。デモ中に佐々木氏はスマートTVの特徴について「1つはアプリケーションが実行できるようになること。もう1つはwebがテレビチャンネルの1つとなること」と説明していた。


Google TV、Apple TV、Boxee Boxの展示・デモも行われた

Google TV、Apple TV、Boxee Boxの展示・デモも行われた


その後に行われた講演では、Google TV等のスマートTVとVEVOのようなメディアの登場により、webをテレビチャンネルとして見せるというトレンドが生まれつつあると、現在のスマートTVの状況を説明。既存の放送メディアもテレビアプリによって再生される形であり、テレビもwebも同じチャンネルとして並列されるようになるという。


またGoogle TVの特徴についても説明し、Android OSによるアプリ拡張やChromeブラウザによりwebをチャンネルとできる点、Intel Atom CE4100チップセット搭載によりどのような状態でもGoogleの検索ウインドウをオーバーレイ表示可能といった点をポイントとして挙げていた。


将来のスマートTV像に関しては、「2013-15年には液晶サイズは100インチで価格は10万円程度。それらがたとえばスマートブックと合わせて教育分野等で利用されるのでは」と予想を語った。そして「2010年はGoogle TVの登場によって、次世代のテレビはどうあるべきかというテーマが開発者に問いかけられた年だと思う。Google TVはテレビだと思わず、テレビの次にくるものだと考えたほうがいい。日本でも可能性はあると思うし、スマートフォン、スマートブック、スマートTVによるメディア革命はこれから起こると思う。そこをうまくビジネスにつなげられれば」と、Google TVをはじめとするスマートTVによるメディア革命に対して期待をこめていた。


NECビッグローブ株式会社の粟冠徳幸氏

NECビッグローブ株式会社の粟冠徳幸氏

Smartiaのタッチ&トライを実施 アプリのLarge Screen対応も解説

10分間の休憩を挟んだ後、NECビッグローブ株式会社アプライアンス事業開発本部グループマネージャーの粟冠徳幸氏が「ネットサービス一体型タブレット「Smartia」の紹介&タブレット対応アプリの開発ポイント」と題した講演を行なった。



講演ではまず11月25日に発表され、定例イベント当日の12月6日より販売開始となった7インチタッチパネル搭載Androidタブレット「Smartia」の概要を紹介。同時に会場内に数台のSmartiaが提供され、タッチ&トライも実施された


Smartiaの特徴は大きくわけて「手頃なサイズ&横置き」「Smartiaホーム」「andronavi」の3つ。「Smartiaホーム」では「ニュース」「アプリ」「お買い物」等ジャンルごとに専用のホーム画面を設け、そこにNECビッグローブの各種サービスに直接アクセス可能なウィジェットを配置。サービスをより利用しやすい形にし、ネットサービス一体型タブレットの長所を生かすものとなっている。


またAndroidアプリ・コンテンツマーケット「andronavi」のアプリも搭載。当初はSmartia向けにタブレットでの動作確認を行なった、厳選された200本のアプリを提供する(うち無料150本)。2012年末までには提供アプリを10万本まで拡大したい考えだ。


その他スペック面では「CPUはTI(テキサス・インスツルメンツ)のOMAP3630 1GHzを使っている。DROID X(米モトローラ社のスマートフォン)と同じもの」と説明。さらにSmartiaはUSBホストを搭載しており、その接続例としてUSBスキャナ「ScanSnap S1500」とUSBバーコードスキャナ「Coscoペン」を挙げていた。SmartiaとUSB機器の連携に関しては11年1月開催予定の「Android Bazaar and Conference 2011 Winter」で詳しく講演すると伝えていた。


タッチ&トライが実施されたSmartia

タッチ&トライが実施されたSmartia


Smartiaの紹介の後には、タブレット対応アプリ開発のポイントについて解説を実施。まずLarge Screen端末でLarge Screen非対応アプリを動作させると、Nomal Screenサイズで表示されてしまう(画面に黒枠ができる)点を説明。既存アプリをLarge Screen対応するための方法として「Project Build TargetをAndroid1.6以降に設定する」「AndroidManifest.xmlファイル内にてタグのtargetSdkVersion属性を4以上に設定する」「AndroidManifest.xmlファイル内にてタグのlargeScreens属性をtrueに設定する」の3点を挙げていた。


またAbsoruteLayout使用時に部品のサイズや座標をpxやdipで指定している際には、他部品や背景画像との位置関係にズレが生じる例など、レイアウト定義方法によってLarge Screenでは期待通りの表示とならない例などについても解決法を解説していた。


一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラムの高野敦伸氏

一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラムの高野敦伸氏

MCFと日本Androidの会がスマートフォンで協力体制

この日最後の講演に登壇したのは、一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム(以下MCF)の高野敦伸氏。同氏は「MCFと日本Androidの会の提携、他ご紹介」というテーマでの講演を行なった。


MCFはモバイルコンテンツ関連の民間事業者による任意団体。加盟社数は10年11月末で307社となる。その内コンテンツプロバイダーは150社ほどで、各社のメンバーがモバイルコンテンツに関わるさまざまな委員会活動を行なっているという。


高野氏は現在のモバイルコンテンツ市場について「約5,500億円の市場であり、そのうちのほとんどがキャリア課金を利用している」と説明。しかし「ユーザのスマートフォン移行により、この市場が縮小していく可能性がある」とした。


そこでMCFはスマートフォンに関して対応するために「スマートフォン・タスクフォース」を11月25日に創設。座長に株式会社シーエー・モバイル会長の寺山隆一氏を据え、MCF会員企業経営者や有志メンバーが月1回ペースでセミナーやディスカッション等を行なっていくと、今後のスマートフォンへの取り組みについて紹介した。


さらに高野氏はAndroidに関する情報交換や協議・協力を目的に、日本Androidの会と相互協力することで合意したとし、「人的交流やビジネス上の交渉・交流等、いろいろな活動をご一緒できれば」と、今後の協力体制への期待を述べた。



最後に日本Androidの会より「Android Bazaar and Conference 2011 Winter(以下ABC2011Winter)」開催についての説明があった。


ABC2011Winterは11年1月9日10時~18時、東京大学本郷キャンパス安田講堂および工学部新2号館1~4Fにて開催される。基調講演が行われる安田講堂は1,145名が収容可能で、かつてない規模での基調講演となるという。ちなみに「すでに1,200名以上の申し込みがあり、基調講演の座席は先着順」との話もあった。その他一般講演、セッションも全7トラックとなるなど、大規模での開催となる今回のABC。会場からも感嘆のうなり声が上がっていた。


Google TVに代表されるスマートTV、そして新型Androidタブレットの登場など、日々めまぐるしく変わるAndroidの世界。その進化が既存メディアへも影響しつつあることを実感できる定例イベントだった。