

大きく弧を描いた本体デザインが象徴的なXperia arc
「Xperia」の後継機として発表された「Xperia arc」。その特徴は、大きく「孤(arc)」描いた美しい端末フォルムと、Android 2.3を搭載していることです。美しいデザインやソニーならではのサービスが注目されがちな端末ですが、バッテリー駆動時間や反応速度の速さなど、端末を使用していくうえで重要な動作環境が向上されている事も魅力です。
本記事では「Xperia」との比較を中心に、「Xperia arc」の特徴とその魅力について紹介します。
※実際の製品とは外観や仕様が異なる場合があります。ご了承ください。
Xperia arcの主な特徴は下記の5点です。
- 持ちやすく、美しい外観
- エンタテイメント性の強化
- 操作性の向上・高速化
- バッテリー消費の改善
- 高スペックなグローバル端末
1:持ちやすく、美しい外観
Xperia arcとXperiaの外観を比べてみると、Xperia arcの方が縦に長く、より薄いです。その違いは手に持ってみると歴然で、Xperiaがゴツゴツした感じなのに対し、Xperia arcは優しく手のひらにフィットする感じがします。ディスプレイサイズはXperiaが4インチに対し、Xperia arcは4.2インチ。2011年3月11日現在で、日本で発売されているAndroid搭載端末の中では、HTC Desire HDに次ぐ大きさのディスプレイとなっています。


Xperia arc(左)の方がXperia(右)に比べ長さはあるが、薄くて軽くなった分、それほど大きいと感じることはない
端末の厚さ(最薄部)はXperiaが13.1mmに対し、Xperia arcは8.7mmと、その差は明らかです。重さも139gに対して118gと、見た目以上にその差が大きいので、軽さや薄さを端末を選ぶ際のポイントにしている方には、かなり魅力的だと思います。
新たにHDMI端子が本体上部に設置されたことで、USB端子が本体右側面、イヤホンジャックが本体左側面に配置されています。USB端子はカバーがついていないので、接続が容易になりました。


Xperia arc(左)の方が、Xperia(右)より薄い
電源や音量調整ボタンはXperiaと変わりませんが、端末キーである「戻るキー」がXperiaとは逆の本体左側に配置されたことで、Xperiaに慣れた方は若干使いにくく感じるかもしれません。
本体カラーはSakura Pink、Midnight Blue、Misty Silverの3色。とくにSakura Pinkについては女性からの支持も高いようで、人気カラーとなりそうです。


本体カラーは3色。左からSakura Pink、Midnight Blue、Misty Silver
2:エンタテイメント性の強化
TwitterやFacebook、mixiなどのSNSサービスの履歴を一覧表示させる「Timescape」は、Xperia arcにも搭載されています。ウィジェット上で、情報の更新や投稿ができるようになり、より使いやすくなっています。
また、Xperiaには端末内に保存されていた音楽、動画、写真などのコンテンツを一覧表示できる「Mediascape」というアプリが搭載されていましたが、Xperia arcでは「Mediascape」に代わり、ミュージックプレイヤーやメディア検索のウィジェットがプリインストールされています。ウィジェット化されたことにより、ホーム画面からすばやく、コンテンツを検索できるようになったのが魅力です。

TwitterやFacebookの更新情報を確認できるTimescape(左)メディア表示用のウィジェット(右)
Xperiaになかったアプリとして、「FMラジオ」があります。その名の通りラジオが聴けるアプリで、「TrackID」という楽曲情報を検索・入手できるアプリと組み合わせて利用すると、聞いている音楽の情報やダウンロードが快適に行えます。
たとえばラジオで聞いている曲を「TrackID」で検索して、楽曲情報を入手。さらに入手情報をもとに音楽ダウンロードサイトやYouTune等の関連情報サービスでの検索も行えます。

ラジオを視聴(左)右下にあるTrackIDアイコンをタップするとラジオで放送中の楽曲を取り込める(中)楽曲情報の検索結果を表示(右)
また、ハイビジョン出力を行う規格として、地上波デジタル対応テレビ等でもお馴染みとなっているHDMI端子が搭載されたことで、HDMIケーブルでXperia arcとテレビをつなぐだけで、簡単に出力できます。たとえば、Xperia arcでダウンロードした画像やゲームを大画面で見たい場合などに有効です。


画面のピンチインで、ウィジェットの一覧表示が可能
3:操作性の向上・高速化
Xperia arcは、Android 2.3を搭載することで、フリックやタップ等の操作に対する反応が機敏になっています。立ち上げているアプリの数等によっても変わる可能性がありますが、既存のAndroid搭載端末を使い慣れている方には、その軽快な操作感は大きな魅力になると思います。
ホーム画面はデフォルトで5画面と、Xperiaと同様です。画面下部に固定のアプリアイコンを4つ設置できるようになりました。よく使うアプリは固定アイコンに設定しておくと便利です。もちろん自由に入れ替えることができます。また、ホーム画面のサムネイル表示ができなくなりましたが、代わりに画面をピンチインすることで、ウィジェットの一覧表示が可能となっています。
アプリ画面の一覧表示画面は横スクロールに変わり、アプリアイコンの並び替えが自由にできるようになっています。

アプリ一覧画面(左)で左下のアイコンをタップすれば、各種条件の下で並び替えられる(右)


アプリアイコンを重ねれば、フォルダの作成が可能
2つのアプリアイコンを重ねることでフォルダを作成できるようになりました。この操作はiPhoneでお馴染みです。フォルダアイコンはデフォルトで8種類用意されているので、用途に応じて使いわけてください。
4:バッテリー消費の改善
気になるバッテリーの持ちに関してですが、『Battery Grap(バッテリー監視アプリ)』を使用して下記の条件でXperiaと比較しました。
- デフォルト起動アプリ全て起動
- Wi-Fi機能 off
- ボリューム off
- 輝度設定 50%


Battery Grapでバッテリー消費量を計測
結論からいうと、アプリ等を起動していない状況での待機状態において、バッテリーの継続時間は非常に長くなっています。6時間監視した段階で、Xperia arcのバッテリー状況は100%と変わらず、Xperiaは95%でした。(Xperiaのバッテリーは2010年7月から使用しているもので、経年劣化があるため全く同等の条件ではありません)
ただし、アプリを使いだすと、さすがにバッテリー消費は激しくなります。アプリを使用していない時は、きちんとタスクキル(アプリを終了)を行い、極力バッテリー消費を抑えましょう。他のAndroid搭載端末と比べても、かなりバッテリーの持ちが良いと感じることができます。
5:高スペックなグローバル端末
その他、Xperiaとの違いをいくつか紹介します。


コピー&ペーストが容易に
コピー&ペースト機能
ブラウザ等のテキストをコピー&ペーストする場合、アプリを利用している方も多いかと思いますが、Xperia arcではデフォルトの状態でも使いやすくなりました。操作は長押しとタップのみ。
コピーしたい箇所を長押しして、始点と終点のアイコンを調整するだけです。コピーしたい場合は、タップすればコピーできます。ペーストしたい場合は、ペーストしたい場所に長押しするだけです。
おサイフケータイ、ワンセグ
Xperiaと同じように、非搭載です。普通のケータイ電話から機種変更する際に基準となる機能ではありますが、こうした日本独自の機能にこだわらない方には、現在最高スペックの端末のひとつであることは間違いありません。
また、Android 2.3を搭載しているため、2011年1月27日にソニー・コンピュータエンタテイメントから発表されたAndroid搭載端末向けにPSPのゲームコンテンツなどを配信する「PlayStation Suite(※)」にも対応します。
※「PlayStation Suite」は2011年中の開始を予定しています。
Xperiaとのスペックの違いは下記の通りです。
<基本スペック>
Xperia arc | Xperia | |
サイズ(H)×(W)×(D) |
約 125mm×約 63mm×約 10.9mm ※(最厚部 約 11.4mm) |
約 119mm×約 63mm×約 13.1mm |
重量 | 約 118g | 約 139g |
OS | Android 2.3 | Android 2.1(※) |
連続通話時間(3G/GSM) | 約 340分/約 390分 | 約 290分/約 270分 |
3G連続待受時間(静止時[自動]) | 約 400時間 | 約 300時間 |
GSM連続待受時間(静止時[自動]) | 約 270時間 | 約 230時間 |
ディスプレイ(サイズ/ドット数・通称/種類/発色数) | 約 4.2インチ/横 480ドット×縦 854ドット・フルワイドVGA TFT液晶/16,777,216色 | 約 4.0インチ/横 480ドット×縦 854ドット・TFT液晶/65,536色 |
外部メモリー(最大対応容量) | microSD(2GB)、microSDHC(32GB) | microSD(2GB)、microSDHC(16GB) |
外側カメラ機能(有効画素数/記録画素数) | CMOSカメラ(約 810万/約 800万) | CMOSカメラ(約 810万/約 800万) |
おサイフケータイ | × | × |
ワンセグ | × | × |
赤外線通信 | × | × |
防水機能 | × | × |
Flash対応 | 〇 | × |
※2010年11月10日のアップデートにより、Android 2.1にOSがバージョンアップしました。
2011年を代表するAndroid搭載端末になる事は間違いないので、これから機種変更しようと考えている方は、本記事を参考にしてみてください。