

果たして“ウォークマン”は、両脇に挟まれたスマホのように使えるのか!?
2012年10月に発売されたソニー製の“ウォークマン”「Fシリーズ」はOSにAndroidを搭載したポータブルミュージックプレイヤーです。
Androidを採用した“ウォークマン”は、2011年12月に発売された“ウォークマン”「Zシリーズ」に次いで2代目となります。
音楽だけでなく動画も充分に楽しめる大画面が特長の「Zシリーズ」でしたが、今回の「Fシリーズ」は小型化されていて、“ポータブルミュージックプレイヤー”として納得のサイズ感となっています。
さらにカラーバリエーションは、ビビッドピンク、ブルー、ホワイト、ライトピンク、ブラックの5色展開に加え、ソニーストア限定モデルのガンメタリックシルバーを用意。3色展開だった「Zシリーズ」より数が増えています。
より幅広いユーザ層が手に取りやすくなった「Fシリーズ」ですが、Androidが搭載されることで、どのようなユーザ体験が得られるのでしょうか?また、同じAndroidならば、スマホ化できるのでは?ということで、実際に試してみましたので紹介していきます。
あなたの疑問はどれ?
- ネットに接続するにはどうしたらいい?
- アプリをダウンロードできる?
- メールは使える?
- ブラウザでネットサーフィンできる?
- マップは使える?
- 電話はできる?
- 電池はどれくらい持つ?
- カメラで撮影できる?
- スマホにはない機能を教えて!
目次
ネット接続には無線LAN(Wi-Fi)の設定が必要
「Fシリーズ」はインターネットに接続することができます。音楽以外にも、各種アプリのダウンロード、Webの閲覧もできますが、キャリア(通信事業者)の3GやLTE回線は利用できません。
インターネットに接続するためには大きく分けて3つの方法があります。まず、1つめは自宅の光回線を無線LANルータ経由で使う。2つめは、モバイルWi-Fiルータを利用する。3つめは、テザリング機能に対応したスマートフォンやタブレットを使うこと、です。


左から無線LANルータ、WiMAX対応モバイルWi-Fiルータ、テザリング機能を搭載しているスマートフォン「GALAXY S III SC-06D」
いずれにしても、「Fシリーズ」単体でインターネットの接続はできないので、別途回線が必要になります。回線さえ用意してしまえば、まるでスマートフォンのような使い方ができます。
スマホと同じようにアプリをダウンロードできる
まず端末の電源を入れると、すぐに初期設定の画面が表示されます。ここでは、Andoroidスマートフォンと同様にGoogleアカウントの設定が行えます。すでにアカウントを持っているユーザであればログインし、新規作成する場合は、初期設定からアカウントを作ることもできます。


電源ONでAndroidの初期設定画面が表示される
そして、初期設定が終わるとホーム画面に推移します。このホーム画面には「Playストア」のアプリアイコンが配置されていて、タップすれば「Google Play」にアクセスして、スマートフォン同様にアプリや書籍、動画コンテンツが楽しめます。
各キャリア(通信事業者)から発売されているスマートフォンとの違いは、有料コンテンツを購入する際に“キャリア決済”ができない点です。「Fシリーズ」単体で有料コンテンツを購入する場合は、クレジットカードの登録が必須となります。
ただし、Androidの場合はGoogleアカウントで紐付けされているため、他に持っているスマートフォンやタブレットで有料コンテンツを購入した場合、同じGoogleアカウントであれば、「Fシリーズ」からもダウンロードできます。
購入はスマホから、実際に楽しむのは“ウォークマン”、といった使い分けもできてしまいます。
メールもしっかりサポート


ホーム画面に設置されたアイコン。Gmail(左)Eメール(右)
キャリアの回線が必要となる、いわゆるキャリアメールは利用できませんが、PCのメールアドレスを設定できるEメールアプリと「Gmail」アプリがプリインされているので、メールもスマートフォン同様に行えます。
ネットでお買い物もできちゃう
「Fシリーズ」には、Andoroid標準の「ブラウザ」と『Chrome』アプリがプリインされている他、Google Playでダウンロードした各種ブラウザアプリも利用できるので、インターネットが可能。ネット通販でお買い物やネットオークションもできます。


ブラウザアプリを表示。標準ブラウザ(左)『Chrome』(右)
GPS搭載で位置情報もバッチリ
「Fシリーズ」には、GPSも搭載しています。プリインされている『マップ』アプリを使えばGoogleマップを利用でき、現在地などもすぐに表示されます。もはや、スマホと何も変わりません。


位置情報サービスの設定画面(左)『マップ』の画面(右)
アプリを使えば電話もできる
スマートフォンのようにキャリアの回線を利用した通話はできないため、電話アプリや電話帳アプリといったものは搭載されていません。しかし、最近では『Skype』や『LINE』といったアプリを使って、ユーザ同士が無料で通話できます。
そこで、「Fシリーズ」でも試してみました。今回は『Skype』を利用しました。アプリ、アカウント、そして無線LAN(Wi-Fi)によるインターネット回線を準備すれば問題なく通話ができます。


Skypeの発着信が可能だった
ただし「Fシリーズ」は、スマートフォンのような通話機能用としてのスピーカー、マイクが用意されていないため、本体だけでは片通話になってしまいます。そこで、Bluetoothのヘッドセット、レシーバーを使うことで問題を解消してちゃんと通話することができました。
通信回線を使わない分、バッテリーの消費は少ない
使い方や環境によりますが、カタログスペック上は音楽再生時が25時間、ビデオ再生時が5時間となっていてミュージックプレイヤーとしては充分な持ち時間です。
ただし、スマートフォンの様にインターネットやアプリを使うことができるので、連続してインターネットに接続していたりずっとゲームで遊んでいたりすると、もちろんその分消費は激しくなります。
ただし、スマートフォンと異なる点としては、無線LAN(Wi-Fi)経由でのネット接続となるので、3G回線、LTE回線を利用した通信に比べれば圧倒的にバッテリーの消費が少なく済みます。
カメラは非搭載…これがあればパーフェクト
ほぼスマートフォンと遜色ない使い方ができる「Fシリーズ」ですが、非常に残念なのがカメラ非搭載という点です。
Google Playから様々なカメラアプリをダウンロードすることも可能ですが、カメラが搭載されていないので使えません。画像ダウンロードやアップロード、編集などは可能ですが、単体で撮影できないのは非常にもったいない仕様です。
“ウォークマン”だからこその機能を使おう
スマートフォンと比較すると“カメラないじゃーん”と残念な結果にもなってしまいますが、それを補うべくミュージックプレイヤーとしてはやはりその辺のスマートフォンに負ける訳にはいきません。
ソニーの“ウォークマン”シリーズに共通しているデジタルノイズキャンセリング機能もしっかり搭載されています。付属するイヤホンもノイズキャンセリング機能に対応した“音のいい”イヤホンです。


本体にはノイズキャンセリングの設定。同梱のイヤホンもノイズキャンセリング対応
「W.ミュージック」は、ソニーオリジナルのミュージックプレイヤーアプリ。本体側面の「W.」ボタンを押すことで、どんな画面からでもこの「W.ミュージック」を呼び出して音楽の再生や停止が可能です。


W.ボタンは本体右の側面にある


「ウォークマン クラシックス」は、歴代“ウォークマン”を3Dで楽しめる上に音楽再生もできる
さらに、歴代の“ウォークマン”が登場する『ウォークマン クラシックス』はファンならずとも必見のアプリです。
他にもソニーがおすすめするアプリ紹介サイト「Sony Select」や、ソニーミュージック所属アーティストのアプリの紹介、ダウンロードができる「Sony Music Apps」も利用できます。
最後に
ミュージックプレイヤーは、“音で選ぶならウォークマン”と言われるほど、これまでのシリーズも音質を追求していますが、今回の「Fシリーズ」は、さらに新しい技術を採用し音質は最強と言われています。
そんな「Fシリーズ」ですが、スマートフォン化といってもそもそもAndroidを搭載している時点でスマートフォンと大きな差はありません。キャリアの提供する回線やサービスが利用できないというだけで、それ以外はほぼスマートフォンとして利用できます。
キャリアのサービスには非対応ということで、最初から入っているプリインアプリの数も少なくとてもシンプルなので、通話やメールはフィーチャーフォン、「Fシリーズ」はアプリや音楽を楽しむといった2台持ちの感覚で使ってもいいですね。
「Fシリーズ」の詳細をチェック!