

iAnnotate PDF
PDFファイル(以下、PDF)を扱うアプリの多くは見ることが基本で、注釈を付ける機能を持っていません。PDF規格を開発したAdobeの『Adobe Reader』でもそうです。
『iAnnotate PDF』は、iPad用の同名アプリのAndroid版です。PDFの閲覧はもちろん、“Annotate(注釈をつける)”の名の通り、手書きメモやマーキング、吹き出しといった注釈を簡単に付けることができます。しかも無料!
アプリの表示自体は現在のところ英語のみですが、日本語のPDFにも対応しています。タブレットだとより使いやすいですが、HD解像度(720×1, 280ドット)以上の画面を持つAndroidスマートフォンでも十分に使えますよ。
※一部、インストールできない端末があります。
プレビュー表示で目的のPDFを選択しやすい
起動すると、PDFを選択する「ライブラリ」が表示されます。
「ライブラリ」はタブ形式になっていて、本アプリで編集したいPDFを表示する「iA PDFs」、最近開いたPDFを表示する「Recent PDFs」、フォルダからファイルを探す「All PDFs」があります。
フォルダからPDFを開く機能は『Adobe Reader』などにもありますが、本アプリではプレビュー表示を見ながら選択できるという点が強みです。


iAnnotate PDF:「ライブラリ」。フォルダ選択はアイコン形式(左)PDFはプレビューが表示される(右)
開いたPDFは、タブ形式で行き来できます。


iAnnotate PDF:PDFを複数開いても、タブから行き来できる
表示後、しばらくするとタブは消えてしまいますが、アノテーション(注釈)モードを解除した状態にして表示部分をタップすれば、また閲覧できます。
タブの左上にあるタンスのアイコンをタップすると、「ライブラリ」に戻ることができます。
ファイルを開くと、そのままPDFビューワとして使えます。複数のファイルを開いても相互の移動がスムーズなので便利です。
簡単編集!様々な注釈を付けよう
ツールバーは表示画面の左右に配置され、左側にはページのプレビュー、目次、注釈一覧、検索の各ツールが用意されています。本家の『Adobe Reader』より、導線はわかりやすい印象です。
アプリ自体は英語表記ですが、各ツールいずれも日本語のPDFでも問題なく使えます。ちなみに、注釈禁止フラグの付いたPDFを開くと、表示や本文検索は可能ですが、注釈を付けられない旨の警告が表示されます。
企業がインターネット上に公表しているPDFは、このフラグを設定していることが多いです。仕事で使うPDFで注釈が付けられない場合は、作成時の設定を見直してみましょう。


iAnnotate PDF:左側のツールバーの機能。ページのプレビュー画面(左)注釈一覧画面(右)
本アプリで肝心なのは右側のバーです。右側には注釈・閲覧ツールが集中していて、下記のようなメニューにすぐにアクセスできます。
- Pencil(鉛筆) : PDF上に自由に線を描ける
- Note(ノート) : タップした場所に注釈をテキスト入力できる
- Highlighter tools(ハイライトツール) : 文字列にマーカーを引ける
鉛筆で囲んだ部分やラインマーカーを引いた部分には、別途ノートを付けることもできます。また鉛筆、ノート、ハイライトツールの表示色は自由に設定できます。


iAnnotate PDF:鉛筆ツールで囲った部分に、注釈を付けている様子(左)ハイライトツールを使えば、文字列にラインマーカーを引ける(右)
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ツールから詳細を編集可能
1番下の道具箱のアイコンをタップすると、さらにツールが表示され、文字列に下線や取り消し線を引くことができます。閲覧用のツールも充実していて、ページごとにブックマーク登録も可能。
そして注釈の概要(テキスト形式)や編集したPDFは、Gmailアプリを経由して電子メールで送ることも可能です。


iAnnotate PDF:道具箱のアイコンをタップすると、さらにいろいろなツールが表示される(左)下線や取り消し線を引ける(右)
ちなみに、ページは標準で1ページごとですが、本体のメニューボタンを押すと出てくるポップアップの「Continuous View」(連続表示)をタップすれば、複数のページを連続で表示できます。
元に戻したい時はポップアップの「Single-Page View」(1ページ表示)をタップしましょう。


iAnnotate PDF:標準では1ページビュー(左)複数ページ表示も可能(右)