

話題の「iPhone 5s」と「Xperia Z1」を比較してみました
Appleから「iPhone」の新モデル「iPhone 5s」と「iPhone 5c」が発売されました。今年は、いよいよNTTドコモも取り扱いを始め、俄然注目を集めています。
特に、「iPhone 5s」に関しては、スマートフォン初の64ビットCPU採用や、iPhoneとしては初めての指紋認証センサー「Touch ID」の搭載など、スペック重視のユーザにとっては興味深い機種となっています。
一方、Androidスマートフォンも、グローバル展開しているメーカーが新モデルを続々と発表しており、その中の一部が、国内でも秋冬モデルとして公開される見通しです。
特に、ソニーモバイルコミュニケーションズがグローバルモデルとして発表した「Xperia Z1」は、“Androidスマートフォン史上最高の出来”と前評判もかなり上々です。
※ドコモ「Xperia Z1 SO-01F」
※au「Xperia Z1 SOL23」
みなさんの中にも、初めての、あるいは次のスマートフォンをiPhoneにするかAndroidにするか迷っている方がいるでしょう。
そこで、「iPhone 5s」とグローバルモデルの「Xperia Z1」をベンチマークにして、それぞれをいくつかの観点から比較・検討します。迷っている方の参考になれば幸いです。
まずは、iPhoneが欲しい方はこちらから☆
「iPhone 5s」と「Xperia Z1」の比較ポイント
比較その1:ボディ・持ちやすさ
特に、フィーチャーフォンをお使いの方は、片手で端末の操作を行うことが多いと思います。しかし、スマートフォンは比較的画面の大きいものが主流で、手が小さいと片手操作が厳しいことも少なくありません。片手操作にこだわるのであれば、サイズ面と重量面での比較が必要です。
「iPhone 5s」のサイズは123.8×58.6×7.6mm(高さ×幅×厚さ)で、重さは112gとなっています。幅は60mm(6cm)を切っており、比較的小さな手でも片手で持ちやすくなっています。
また、高さも昨今のスマートフォンとしては抑えられているので、片手の親指で画面操作できる範囲も広く確保できます。片手操作派には理想的なスマートフォンのひとつであると言ってもいいでしょう。


「iPhone 5s」は、昨今のスマホとしてはコンパクトな部類。片手操作もしやすい
「iPhone 5s」はカバーケースの種類も豊富。気に入ったデザインのものが見つかりやすいです。
一方、「Xperia Z1」のサイズは144.4×73.9×8.5mm(高さ×幅×厚さ)で、重さは170g。このサイズだと、大きな手であっても片手操作をするのが厳しい面が出てきます。また、重量もそれなりにあるため、持った時にズッシリと感じる方もいるかもしれません。


「Xperia Z1」は先代で指摘された持ちにくさを改善し、持ちやすくなった
では、持ちにくいかというとそうでもないです。先代の「Xperia Z SO-02E」では、全体的に角張ったデザインのため、持ちにくいという意見も少なからずありましたが、Z1では筐体側面に丸みを持たせ、持ちやすさにも配慮しています。
「Xperia Z1」」のカバーケースも取り揃ってきました!


筐体側面のラウンドが持ちやすくしている
また、防水・防塵性能が備わっているので、水に濡れても安心なのもポイントです。
- iPhoneにはない、防水機能が活きるシーンをチェック!
比較その2:ディスプレイ
スマートフォンで楽しみたいこととして、よく挙がるのが、動画や写真の閲覧です。当然きれいで迫力ある画面で楽しみたいものです。この点で比較するとどうでしょうか。
「iPhone 5s」は、640×1,136ドットの4インチ液晶を採用しています。1インチあたりのドット数は326ppiで、網膜で認識できる以上の密度となっています。
そのことから、Appleではこの液晶を「Retinaディスプレイ」と呼んでいます。輝度も高く、屋外でも非常に見やすくなっています。タッチパネルの追従性も非常に高く、操作しやすいです。動画や写真もきれいに見られます。


「iPhone 5s」のRetinaディスプレイ。十分すぎるぐらいきれいだ
一方、「Xperia Z1」は1,080×1,920ドットの5インチフルHD液晶を採用しています。1インチあたりのドット数は441ppiで、実は「iPhone 5s」よりもさらに“Retina”なディスプレイになっています。フルHD解像度ということで、デジタル放送の録画番組などを忠実に楽しめます。
また、この液晶は従来品よりも表現可能色域を広げた「トリルミナス ディスプレイ」で、先代の「Xperia Z SO-02E」と比較しても、色の再現度・鮮やかさが向上しています。動画や写真をキレイに楽しむなら、これが決定版だろう、と言ってよいと思います。


「Xperia Z1」の「トリルミナスディスプレイ for mobile」。「iPhone 5s」よりもさらにきれいで正直驚いた
比較その3:カメラ
「iPhone 5s」と「Xperia Z1」は、いずれもカメラ機能を強化しているのが特徴です。
「iPhone 5s」は、メインカメラが800万画素CMOSセンサーで、iPhone 5から“据え置き”になっています。数字の上では変化がないように見えますが、センサーとレンズの開口部が大きくなっており、より多くの光を取り込めるようになっています。よって、暗部での撮影がしやすくなりました。


「iPhone 5s」はカメラのセンサーとレンズの開口部を拡大した上、LEDフラッシュを2種類搭載
また、2色のLEDフラッシュが搭載されていて、被写体に合わせてフラッシュ強度と色味を変えてくれます。連写やスローモーションビデオ撮影など、新機能も盛りだくさんです。


カメラアプリも大幅に刷新された
「Xperia Z1」のメインカメラは約2,070万画素のソニー製CMOSセンサー「Exmor RS for Mobile」を採用しています。先代「Xperia Z SO-02E」よりもかなり画素数を上げました。また、高感度で暗所にも強くなっています。
これに、ソニーのデジタルカメラでも採用されている高性能ガラスレンズ「Gレンズ」と、画像処理エンジン「BIONZ for Mobile」を組み合わせています。


「Xperia Z1」はカメラセンサーをさらに高画素化し、レンズを高性能ガラスレンジに置き換え
カメラアプリの機能拡張も非常に多岐にわたっており、シャッターを切った瞬間の前後61枚の写真を撮影する「タイムシフト連写」機能、リアルタイムでCGを合成できる「ARエフェクト」、カメラで撮影した対象の情報をオンラインで検索してくれる「Info-eye」など、別途カメラアプリをダウンロードしなくてもかなり楽しめます。


「ARエフェクト」や「Info-eye」など新機能も満載
ここまで進化したカメラ機能をもってすれば、デジカメのように撮影することもできますね。
比較その4:ストレージ
音楽、動画、カメラなど、様々なことを楽しめる故、データを保存するストレージの容量も気になるところです。
「iPhone 5s」では、内蔵ストレージを16GB、32GB、64GBの3種類から選択することができます。しかし、万が一容量が足りなくなった時に増設をすることはできません。
iOSのアプリは容量が全般的に大きく、Androidの同等アプリと比較して数倍あることも少なくないです。アプリだけでも結構容量を食う上、色々データが増えてくると意外とあっという間にストレージがいっぱい、というケースもあります。


iOS向けのアプリは容量が大きい傾向にある。「Facebook」アプリは約2.5倍。iOS版(左)Android版(右)
筆者の知人の中には、アプリ、写真、音楽、動画…と、いろいろ詰め込んだ結果、64GBでも容量が足りない、という人もいるぐらいです。


「iPhone 5s」は内蔵ストレージを3種類から選択可能。ストレージ以外の本体スペックは全く同じ
一方、「Xperia Z1」の内蔵ストレージは16GBのみ(国内モデルは32GB)。「iPhone 5s」の最小容量モデルと同じになっています。
「iPhone 5s」の上位2機種と比べると見劣りしますが、まずアプリ保存の面では先述の通り、同種のアプリであれば、Android版の方が消費容量が少ない傾向にあるので、アプリをインストールするという観点ではそこまで問題にはなりません。
また、microSDカードスロットも搭載しており、ストレージを増強できます。64GBのmicroSDXCカードを装着すれば、本体と合わせて80GBのストレージ空間が生まれます。
- andronavi編集部おすすめのmicroSDXCカードはこちら
別のmicroSDカードを、電源が入っている状態でも入れ替えられますから、運用方法次第では、容量は事実上無限大とも言えます。


「Xperia Z1」はmicroSDカードスロットを使ってストレージの容量を増やせるのが強み
ストレージに保存したデータのやりとりについても違いがあります。
「iPhone 5s」は、PCとUSBで直接接続すると、カメラデバイスとして認識されます。この状態で画像のやりとりは可能ですが、それ以外のファイルはコピーしてもiPhone側で認識・利用できません。
「iTunes」を使えば、アプリも含めて端末データの完全バックアップが可能で、万が一の時の復元や古いiPhoneからの環境移行が非常に簡単に行えます。
しかし、画像ファイル以外のやりとりに対応しないことは変わりありません。例えば、仕事で作ったExcelシートを直接PCからコピーしてもアプリで開くことができません。一旦ファイルをクラウドサービスにアップロードするか、メールで送信して開く必要があります。


iPhoneはカメラデバイスとして認識し、PCと画像のやりとりは簡単にできるが、それ以外のデータのやりとりは事実上できない
一方、「Xperia Z1」が採用しているAndroid 4.2では、PCに接続するとMTPプロトコル対応デバイスとして認識します。Windows PCでは、追加のアプリケーションやドライバーをインストールすることなく、ファイルのやりとり・バックアップができます。
Mac OS Xでも、「Android File Transfer」を別途インストールするか、microSDカードをSD変換アダプタからPCとつなぐことで、Windows PCと同様にファイルのやりとり・バックアップができます。
ただし、Androidでは「iPhone 5s」のように端末データを完全にバックアップして、そのまま環境移行ということはできません。
Xperiaシリーズのスマホの場合は、Windows PCで「PC Companion」を使うことにより、ファイルや設定のバックアップが取れます。環境復元時の手間が減らせます。


Xperiaシリーズではおなじみの「PC Companion」。これを使えばデータのバックアップ・復元も比較的簡単
比較その5:近接無線通信
店頭などでモバイルクーポンを取得する際に、おサイフケータイを専用のタグ・機械にかざして取得してきた方も少なくないと思います。このような機能については、どうなっているのでしょうか。
「iPhone 5s」では、Bluetooth Smart(Bluetooth 4.0)を活用した「iBeacon」という機能を使うことができます。Bluetoothの電源をONにしておけば、例えば自動的にクーポンを取得することができます。
複数のタグを用意しておけば、位置情報の把握も可能なので、位置に合わせた情報配信や、退店時に自動的に決済するなど、応用も可能です。
ただし、情報配信を受けるためにはBluetoothをONにしないといけないという課題もあります。
一方、「Xperia Z1」ではNFC(Near Field Communication)を使ったタグの取得や決済ができます。それだけではなく、NFC搭載のBluetooth機器とのペアリングを簡略化できるという大きなメリットもあります。
恐らく、今までの例にならえば、日本仕様の「Xperia Z1」にはNFCに加えておサイフケータイも搭載するものと思われます。そうすれば、『モバイルSuica』、『楽天Edy』といったiPhoneではできない決済サービスなども便利に使えることでしょう。


「Xperia Z1」にはNFC機能も搭載。日本仕様にはおサイフケータイも搭載されるはず
NFCについて詳しくはこちらをチェック!
結論:
様々な観点から、「iPhone 5s」と「Xperia Z1」を比較しました。これまでの内容を含めて、まとめてみました。
「iPhone 5s」は、片手で操作しやすいサイズ感や最新の指紋認証システムの採用など、非常に使いやすいです。ただ、コンテンツを楽しむという点では4インチが小さく感じるかもしれません。
音楽は「iTunes」で一括管理できる等、PCとの連携を活用するとバックアップ・復元を行いやすいのは魅力的です。
「Xperia Z1」は、5インチの大画面でコンテンツを楽しめるが、片手で操作しにくい面があります。
カメラでできることが多く、NFC対応で周辺機器との連携も簡単。スマートフォン単体でいろいろなことを楽しんだり、便利に利用できます。
人によってどこが“便利”なのかは変わってくるので、ショップなどでしっかり触って確かめましょう。
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