

スマートフォンは医療機器に影響なし?病院や優先席でのスマホ利用可能になるか
「優先席付近では携帯電話の電源をお切りください」、電車に乗っているとよく聞いたことのあるアナウンスだと思います。
でも実際、移動中に連絡を取り合わなければならないことって多いですよね。また子どもやお年寄りにとってはライフラインとなっている携帯電話の電源を切ることは危険に繋がる場合もあります。
この、病院や優先席での携帯電話への規制が、今変わろうとしています。
航空機内での規制も変更されました!ちゃんとチェックしておきましょう!
どうして利用制限されていたの?
病院や交通機関の優先席での利用制限は、携帯電話の電波が心臓のペースメーカーなどの埋め込み型医療機器に影響を与える恐れがあることから設けられたものです。
この基準はドコモのMOVAなどの2G携帯電話の時代に作られた基準で、現在の携帯電話事情にそぐわないという指摘がかねてよりありました。
このたび、総務省が携帯電話(W-CDMA方式)と無線LAN(IEEE802.11n方式)の電波が同時に発射された時のペースメーカー等への影響について実機よりも厳しい条件で検査した結果、1.5cmの距離で20台中2台にわずかな影響があったものの、携帯電話実機で検査したところ影響が認められませんでした。
この結果、スマートフォン等の無線LAN機器でもペースメーカー等に影響が出ないという結論になりました。
総務省の報道資料はこちら
これから病院や優先席での利用はどうなる?
この調査結果を受けて、総務省は「各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針」の対象にスマートフォン等の無線LANを内蔵した携帯機器を追加してうえ内容を改定しました。
この指針に従うようにスマホを利用すれば、原則医療機器への影響はない事になります。注意すべき点は下記の通りです。
- ペースメーカー等装着者:医療機器装着部位から15cm程度離す
- 携帯電話の所持者:ペースメーカー等装着者から15cm程度離れる
基本はこの2つですが、混雑時など15cm離れるのが難しい時には電源を切るように促しています。


優先席での規制は緩和される傾向。混雑時は利用を止め、マナーを守って使おう
スマートフォンのペースメーカー等への影響がないという調査結果を受けて、病院や優先席でのスマートフォン利用ができるようになる動きが加速するものと思われます。
ただし、これらの規制緩和は交通機関や病院それぞれの判断になります。交通機関などでは、ペースメーカー等装着者へ不安を与えないために引き続き禁止にする所もありそうです。病院は病棟や待合室での携帯電話利用ができるところが増えてきていますので、この動きが進んでいくと考えられます。
スマートフォンが使える場所が増えるのはうれしいですが、公共の場所ではマナーを守って楽しく利用しましょう。
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