

「Xperia Z3」 vs 「iPhone 6」をスペックで比較
2014年9月9日の「iPhone 6」の発表を前に、各社から様々なAndroidスマートフォンが発表・発売されました。なかでも注目なのが、9月3日に発表されたソニーモバイルコミュニケーションズ製スマートフォン「Xperia Z3」です。
あらためて説明するまでもなく、「Xperia Z」シリーズの最新フラグシップモデルが、いよいよ今秋にも日本に登場する可能性が高まっています。
両シリーズは日本国内だけではなく海外でも人気で、発売前から期待値が高いスマートフォンです。今回は発売前の「Xperia Z3」と「iPhone 6」を比較して、それぞれの特徴を紐解いていきます。
※スペックは発表された資料に基づいています。実際に発売される端末と異なる場合もあります
ラインナップが一新された「iPhone 6」
「iPhone 6」の発表で一番驚かれたことが、ディスプレイが4.7インチに大型化されたことではないでしょうか。さらに大型の5.5インチの「iPhone 6 Plus」もラインナップされ、iPhoneシリーズはディスプレイサイズで選ぶことができるようになりました。


ディスプレイサイズが4.7インチの「iPhone 6」と5.5インチの「iPhone 6 Plus」
一方の「Xperia Z3」は、前機種である「Xperia Z2」に機能を追加して様々なユーザ層にアピールできるスマートフォンに仕上げられているようです。
機能については後ほど解説しますが、iPhoneのような派手なフルモデルチェンジではありませんが、ひとつひとつの機能がソニーらしい満足度の高い仕上がりになっています。
■「Xperia Z3」と「iPhone 6」のスペック表
Xperia Z3 | iPhone 6 | |
OS | Android 4.4 | iOS 8 |
プロセッサ | Snapdragon(2.5GHzクアッドコアCPU) | Apple A8+M8モーションコプロセッサ |
サイズ(幅×高さ×奥行き) | 約72×146×7.3mm | 67×138.1×6.9mm |
重量 | 約152g | 129g |
メモリ | 3GB | 未発表 |
ストレージ | 16GB | 16/64/128GB |
ディスプレイ | 5.2型フルHD(1080×1920ピクセル)TFT液晶 | 4.7型Retina HD |
バッテリー | 3,100mAh | 未発表 |
メインカメラ | 約2,070万画素積層型裏面照射型CMOS | 800万画素「新」iSightカメラ |
インカメラ | 約220万画素裏面照射型CMOS | 約120万画素 |
「Xperia Z3」には「Xperia Z3 Compact」というモデルもあり、こちらはほぼ「Xperia Z3」と同じ性能ながら、ディスプレイサイズ4.6インチ、幅約64.9mm × 高さ約127mm × 奥行き約8.6mm、重さ約129gとなっています。
「iPhone 6」とほぼ同じ大きさなので、ディスプレイサイズで選びたい方には、うれしい選択肢です。
コンテンツを大画面で楽しむ、携帯性の優れたコンパクトなスマートフォンとして使うという点においては、「Xperia Z3」も「iPhone 6」もユーザのニーズに合わせてラインナップされていることがわかります。
カメラ機能に特色あり
<Xperia Z3の場合>
「Xperia Z3」は「iPhone 6」より大きいサイズの1/2.3型のイメージセンサーを搭載しています。これは多くのコンパクトデジタルカメラに搭載されているイメージセンサーと同じサイズです。
この大きなイメージセンサーの強みがISO12800という高感度に対応したことです。これによって従来では真っ暗に写るようなシーンでも明るく綺麗な写真撮影が可能となります。極端な例を挙げるとすると、肉眼では真っ暗で見えない場所も明るく撮影できてしまうのです。


「Xperia Z3」には大型のイメージセンサーが搭載され、暗い場所でもしっかり撮影が可能
さらに撮影シーンを認識して画作りを行う「プレミアムおまかせオート」など、デジタルカメラ「Cyber-shot」シリーズの技術を惜しみなく投入し、カメラとしての完成度を高めたのがXperia Z3という訳なのです。
<iPhone 6の場合>
「iPhone 6」は、イメージセンサーの中にオートフォーカス用の素子を組み込んだ「Focus Pixels」が特徴です。既にデジタルカメラでもオートフォーカスを高速化するために採用している機種もある技術で、シャッターチャンスを逃がさないオートフォーカスの高速化が進化のポイントです。
さらに、「iPhone 6 Plus」には「光学式手ブレ補正」が搭載されていますので、暗い場所での撮影は勿論ですがスマートフォンでの撮影が苦手という方でも安心して撮影できるでしょう。
進化した動画撮影機能
動画機能ではさらにこの2機種のアプローチの違いが明らかになります。
<Xperia Z3の場合>
「Xperia Z3」は4Kテレビ「BRAVIA」を発売しているソニーらしく高精細な4K(3840×2160ドット)動画撮影が可能です。
さらに「Xperia Z2」で好評だった手ブレ補正機能が進化し歩きながら撮影してもブレを補正する機能が加わり、ビデオカメラ「Handycam」シリーズのような動画撮影が楽しめるのです。
本体のmicroUSB端子は4K出力可能なMHL規格に準拠していますので、撮影した4K動画を大画面テレビで楽しむことができます。
<iPhone 6の場合>
「iPhone 6」の動画機能はフルHD(1920×1080ドット)の解像度ですが、「Xperia Z3」同様に強化された手ブレ補正を軸に、ブレのない綺麗な動画撮影を強みとしています。新たにHD(1280×720ドット)で秒間240コマという超スローモーション撮影が可能となりました。
また、Focus Pixelsの機能により動画撮影中もオートフォーカスで被写体を追い続けることができます。近距離で子どもやペットを撮影する際に重宝しそうな機能ですね。
これらのことから、カメラ及びビデオカメラとしての完成度を高めたのが「Xperia Z3」。新しい発見があるクリエイティブな撮影を可能としたのが「iPhone 6」と読み解くことができます。
使う人の心地よさの追求
「iPhone 6」は、「App Store」や「iTunes Store」と音楽プレイヤー「iPod」を取り込んだ「ミュージック」アプリと、エンターテインメント分野において非常に分かりやすいシステムが特徴です。
さらに指紋認証や日本でのサポートは不明ですが「Apple Pay」いう新たな電子決済システムを搭載し、複雑になりがちな機能を独自の安全なシステムで、尚且つ分かりやすい機能として搭載しています。


iTunesとの連携や新しい電子決済Apple Payなど、従来の魅力にプラスαが加わった「iPhone 6」
多機能という面では、「Xperia Z3」はiPhoneだけではなく他のAndroidスマートフォンと一線を画す要素があります。ソニーといえば「WALKMAN」という代表的な製品がありますが、そのソフトウェアと音響技術がこれまでのXperiaシリーズにも搭載されています。
「Xperia Z3」は新たにハイレゾオーディオの再生に対応しました。このハイレゾオーディオの再生はもともと搭載されているチップセット「Snapdragon」の機能でもあるのですが、ソニーらしいアプローチとして「ハイレゾWALKMAN」に搭載されている「DSEE HX」技術により、従来の音源をハイレゾ音源相当の情報量に変換して再生できます。


人気のハイレゾオーディオにも対応した「Xperia Z3」
また、本体にはフロントステレオスピーカーと「S-Force」によるサラウンド機能で、音楽だけではなく、テレビ連携により録画したテレビ番組の再生や国内版に組み込まれるであろうフルセグ視聴も高音質で楽しめる訳なのです。
さらに、ゲーム機「PlayStation 4」を「Xperia Z3」のディスプレイで楽しめる「PS4 リモートプレイ」に対応し、ゲームファンにも訴求しています。


「PS4」との連携も魅力的な「Xperia Z3」
「iPhone 6」は様々な人が満足できる骨太なスマートフォンという印象です。一方の「Xperia Z3」は多機能という面では敵無しといった印象です。
「Xperia Z3」と「iPhone 6」を比較してみて、それぞれの人が思い描く使い方を想像することが、スマートフォン選びのポイントになってきているのだと感じました。
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