

KDDI、国内キャリア初の「Firefox Phone Fx0」を発表!…そもそも「Firefox OS」ってなんだ?
国内キャリア初の「Firefox Phone Fx0」が登場しましたが、AndroidでもiPhoneでもない「Firefox」を発表したイベントに参加してきました!
クリスマス・イブ・イブの12月23日。祝日でもあるこの日に、都内でイベントを行ったKDDI。
この日に発表されたのは「ギークのため」「商売抜き」として、KDDIからのクリスマスプレゼントとも言えるFirefox Phoneの発表です。
現在国内のスマートフォンはXperiaやGALAXYを代表とするAndroidと、iPhoneに搭載されるiOSという2つが大半を占めています。その中で登場した「Firefox」という選択肢。いったいどのようなものなのでしょう。
都内某所で行われた発表会には、報道関係者以外にも、ハッカソン(「ハック」と「マラソン」を組み合わせた造語。短い時間でソフトを開発しプレゼンをする運動)関係者がゲストとして招かれていて、いつもの新製品発表会とはおもむきの違うものとなっていました。
そもそも、なぜハッカソンのイベントになっていたのか。理由があります。それは「Firefox OS」の特徴です。その特徴に迫ってみましょう。
「商売抜き」「ギークのために」に始終した田中社長
もっとも印象に残ったのが、KDDI田中社長の発言した「商売抜き」という発言です。そう、アプリも少ない、1機種しか発売しない、防水もおサイフケータイもワンセグも赤外線もない、Xperiaと比較しても決して高性能ではない、今回発表された「Firefox Phone Fx0」は何かをあらわす言葉が、それなのです。


商売抜きを連呼するKDDI田中社長
何かを開発する楽しさ、面白さを提供したい。最近のスマートフォンは完成されすぎている、それに対してギーク層は面白くないのではないか、という考えにおいて、ひとつの答えを示したのが今回のモデルなのです。
KDDIとしても、これが爆発的に売れるモデルではない、一般層に受けるモデルではないことは承知しているようで、発表会の中でも何回か「商売抜きで考えている」「ギークのために出す」「自由にして欲しい」という言葉が飛び交いました。
また発表会後半では、ハッカソンによるプレゼンイベントが行われ、短い時間で開発されたとは思えないような仕組み、ソフトウェアが動いている様を目の当たりにし、これがFirefox OS、Firefox Phoneの実力なのかと感じるに至ったのです。
それでは、その「Firefox OS」とは何でしょうか。
16番目に登場したFirefox Phoneは「スーパークール」
2011年に登場したFirefox OSを搭載したスマートフォン「Firefox Phone」は世界29カ国、15モデル(12月23日現在)。日本キャリア向けモデルとして初投入される「Fx0(エフ・エックス・ゼロ)」は16番目のモデルとなるそう。また、今まで登場したモデルの中でも最も高性能なモデルになっているのこと。


発表会場に駆けつけたMozilla Corporation CTOのアンドレアス・ガル氏
そもそも、「Firefox OS」というのは、ホームページなどを構成するHTMLやCSS、JavaScriptといった言語を使って、自由なアプリを作ることができるOS(基本ソフト)として登場しました。
AndroidやiPhone(iOS)でもアプリの開発はできますが、アプリ専用言語やルールが必要と、特殊な勉強が必要である、機械制御が自由にできないなどの制約があるなかで、Firefoxが担う役割はとにかく自由であること、作ることを主にしたスマートフォンだということです。


世界でも受け入れられつつあるFirefox OS搭載スマートフォン
したがって、今回は国内キャリア1機種目なのですが、ギーク層などによるアプリ開発によりアプリが爆発的に増える可能性、またHTML5をベースとした開発環境があることで、自身もアプリを作る、スマートフォンをコアとした仕組みを作る楽しさに気づけるスマートフォンになるのではないかとのこと。


とにかくつくる自由を楽しんで欲しいとのこと
また、過去にWindows Phoneを発売したものの1モデルで終わってしまった、Firefox Phoneについてはどうかという問いかけに対しては、「みんな(ギーク層などの消費者)のレスポンスが良ければ」としていました。
細部まで“こだわりすぎた”「Fx0」
肝心の国内キャリア初Firefox Phoneですが、名称を「Fx0」といいます。KDDI田中社長いわく、並び替えをすると「Fox」になるとのこと。
その「Fx0」最大のポイントはスケルトンとこだわりすぎ。


背面が本当に透明で登場するスマートフォン
まず、Firefox OSは自由、クリーン、それが透明になり、背面を透明にしたとのこと。背面に見える部分を細部まで作りこんだそう。まず、見栄えを良くするために、通常では配置しないダミーアンテナを設置したそうです。


ディスプレイにはAndroidスマホのようなホーム画面がなく、iPhoneのようなドロワー(アプリ一覧)のみ
また、シルバーやブラックのネジでは世界観が壊れてしまう可能性があるため、通常のネジよりも40倍もの費用がかかる専用ネジを作成し、11本使っているそう。また、ホームキーにもこだわり、1回の作成に30万円かかるホームキーを10回作りなおしたのこと。


見えることを前提に考えぬかれた本体背面はメカ好きならきっと好き
そのため、店頭で並ぶモック(見本)が作成できず、店頭ではすべて実機の展示になる、また発売日を全店舗一斉12月25日にしたかったけれども、直営店とオンラインショップのみを12月25日(木)より発売し、それ以外のauショップなどの取扱店では1月6日(火)からの販売になるそうです。


こだわりすぎてしまいモックも用意できない上一斉発売もできないとのこと
また、日本向けアプリもいくつか入れていて、『NAVITIME』、『Facebook』、『LINE』を入れているほか、元来日本語などの2バイト文字非対応だったFirefox OSをカスタマイズし、日本語対応にしたほか、アドレス帳も日本向けにカスタマイズ、メッセージアプリもMMSによるauのEメール送受信対応させる、などの細かい調整がされているそうです。
気になる価格は?
そのこだわりすぎたFx0の価格ですが、一括価格で49,680円(税込み)。毎月割は855円(税込み)を24回受けられ、24カ月維持することによる実質的な本体価格は20,520円になるそう。
さらに専用データプランの「「LTEフラット cp(f・2GB)」(3,780円、税込み、24ヶ月間限定)が提供されるほか、新規契約やMNPでFx0を契約した際には「LTEプラン」の1,008円が24ヶ月間無料となるそうです。
これらは、開発者向けに安価に提供したいという考えから、できるだけ負担を減らすプランを提供したい、ギーク層であればメインスマホを持っているだろうから、2台目として手頃な料金で提供したいという考えからだそう。


とにかく自由に作って欲しいとの願いを込めたスマートフォンの登場
スマートフォン黎明期に存在したWindows mobileやPalmでのカスタマイズや試行錯誤が懐かしい世代や、何もないスマートフォンを自らの手で開発、カスタマイズするのが好きな人には良いかもしれません。
しかしながら、買ってすぐに使いたい、みんなと同じアプリを使いたいという人にはAndroidやiPhoneが良さそうです。
ちなみにスペックは以下の通りになります。
- 型番:LGL25
- カラー:ゴールド
- サイズ(幅×高さ×厚さ):約W70×H139×D10.5mm
- 重量:約148g
- バッテリー容量:2370mAh
- 充電時間:約140分(共通ACアダプタ05使用時)
- 連続通話時間:約1010分
- 連続待受時間:約820時間(3G)/約720時間(LTE)
- au ICカード種類:au Micro IC Card(4G LTE)
- OS:Firefox OS 2.0
- CPU:MSM8926/1.2GHz(クアッドコア)
- メモリ 内蔵(ROM/RAM):16GB/1.5GB
- 外部:microSDXC™(最大64GBまで)
- 対応通信規格:4G LTE(800MHz/2GHz)/3G
- 最大通信速度:受信 150Mbps/送信 25Mbps
- ディスプレイ:約4.7インチ IPS HD(1280×720ドット)
- カメラ メイン:約800万画素・CMOS
- サブ:約210万画素・CMOS
- 撮影サイズ 静止画:最大 3264×2448ドット
- 動画:最大 1920×1080ドット
- 外部接続:Wi-Fi IEEE 802.11 a/b/g/n
- Bluetooth®:ver. 3.0
- 外部デバイス/その他:ステレオイヤホンジャック
- 防水/防塵:非対応
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