

モバイルWi-Fiルーター(ポケットWi-Fiルーター)を便利に使う方法!
皆さんは自宅のインターネット環境をどうしていますか?光ファイバーやケーブルテレビのインターネット(ブロードバンド)を導入している方もいるでしょうし、全部スマホ(あるいはタブレット)で済ませている、という方もいるでしょう。
特に全てのインターネットをスマホ・タブレットでまかなっているという方にお勧めしたいのがモバイルWi-Fi(無線LAN)ルータです。
その先駆けとなったワイモバイル(旧イー・モバイル)やソフトバンクモバイルでは「Pocket WiFi」、NTTドコモでは「Wi-Fi STATION」、au(KDDIと沖縄セルラー電話)やUQコミュニケーションズでは「Wi-Fi WALKER」という名称でケータイ、スマホやタブレットと並んで販売されています。
「え、スマホ(かタブレット)だけで十分だよ!」とか「自宅にはブロードバンドがあるし…」という方もいるでしょう。しかし、ちょっと待ってください。そういった環境だからこそモバイルWi-Fiルーターを使うメリットもあるのです。
今回の特集では、モバイルWi-Fiルータをスマホ・タブレットと一緒に使う利点を考えていきます。これからモバイルWi-Fiルータの導入(あるいは機種変更)を検討している方だけではなく、既に使っている方も参考にしていただけると幸いです。
※本記事に出てくる価格は、特に断りの無い限り税抜価格です。
モバイルWi-Fiルータ(ポケットWi-Fiルータ)を便利に使う方法
「通信定額SIM」と組み合わせて通信容量制限を緩和・回避しつつ節約!
今のスマホ・タブレットではパソコンや携帯用ゲーム機をインターネットにつなげる「テザリング機能」が備わっていることもあり、「モバイルWi-Fiルーターは不要!」という意見も時折耳にします。
確かにその意見には一理あるのですが、スマホ・タブレットを持っているからこそ活きるメリットもあるのです。そのひとつが「通信定額SIM」の入ったWi-Fiルータを組み合わせた料金節約法です。
最近、様々なMVNO(仮想移動体通信事業者)から多くの「格安SIM」が登場してきました。高速通信可能な容量を少なめにすることで月額基本料金を抑えるアプローチをするものもあれば、最大通信速度を抑える代わりに安価に通信容量制限のない「通信定額」を打ち出すものもあります。
スマホ・タブレット単体でガンガン通信していて、速度制限解除(通信容量追加)を何度か申し込んだことがあるという場合、スピードを要求されない通信については通信定額SIMを入れたモバイルWi-Fiルーターに任せる、という方法を使うと速度制限解除を下手に申し込むより安価によりたくさん通信できるようになります。
例えば、NTTドコモにおいて1GBの容量追加を月3回(1,000円×3回)以上申し込んでいるとしましょう。その代わりに、NTTぷららの「ぷららモバイルLTE 定額無制限プラン」を月額2,760円で契約すると月額240円(税込みでは月額260円)安くなります。通信状況に応じてスマホ・タブレット側のパケットプランも見直せば、更に安く維持できます。
<ドコモスマホ+データ通信を契約した場合>
ドコモのみ | ドコモ+ぷらら定額 | ドコモ+ぷらら定額(パケットパックを最安に) | |
音声基本料金 | 2,700円 | 2,700円 | 2,700円 |
パケットパック料金 | 5,000円(5GB) | 5,000円(5GB) | 3,500円(2GB) |
1GB追加オプション(3GB分) | 3,000円 | – | – |
定額SIM月額料金 | – | 2,760円 | 2,760円 |
合計(税込) | 1万1,556円 | 1万1,296円 | 9,741円 |
差額 | – | 260円お得 | 1,815円お得 |
NTTドコモで「データSパック」を契約し、月3回「1GB追加オプション」を申し込んでいる単身世帯を想定してシミュレーションした結果。通信内容によっては定額通信SIMを入れたモバイルWi-Fiルータを用意すればかなりの節約になります。
このSIMの通信速度は送受信最大3Mbpsと遅いですが、大手キャリアで月間通信量上限を超えた場合よりは速いです。結果、電子メールや『LINE』、『Skype』や『050plus』など、インターネットを使ったコミュニケーションサービスを十分な品質・応答速度で行えます。
また、パソコン・携帯用ゲーム機もこれだけの速度があれば色々なサービスを快適に使えます(大容量ソフトウェアのダウンロードや高画質動画の再生は厳しいですが…)。
速度を要求されない場面は定額通信SIMの入ったモバイルWi-Fiルーターを介して通信して、スピードを要求される場合はスマホ・タブレットで直接通信する、という使い分けは十分“アリ”なのです。
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卓上ホルダを用意すると便利なことも!
有線LANポート付きの卓上ホルダ(クレードル)をオプション(または同梱)で用意しているモバイルWi-Fiルータには更なるメリットがあります。
自宅にブロードバンド回線が無い場合、この有線LANポートを介してWi-Fi非対応のネットワーク機器をインターネットにつなげることができます。
例えば、自宅のデジタルテレビのLANポートとつなぐと、双方向データ放送やネット動画サービスを受けられるようになります。「DLNAサーバ」機能のあるハードディスク録画対応テレビなら『Twonky Beam』アプリを入れたスマホ・タブレットから録画した番組を視聴することも可能になります。
既にブロードバンド回線がある場合は、この有線LANポートをブロードバンドルータ(あるいはコンバータ)につなぐとその接続を中継することができます。ブロードバンドWi-Fi環境を整備するために別途Wi-Fiルータ(アクセスポイント)を用意しなくても済みますし、専用ルーターと比べるとスペースも取りません。簡便さとスペースを重視するならお勧めです。


UQコミュニケーションズとauから1月30日発売された「Speed Wi-Fi NEXT W01」(ファーウェイ製)のオプションのクレードルには有線LANポートが付いている
もしもの時の“備え”になる!
更にモバイルWi-Fiルーターは非常時の“備え”にもなります。例えば、ブロードバンド回線は停電になると(バックアップ電源がある場合を除いて)電源供給の問題で使えなくなります。
一方、モバイルWi-Fiルーターなら自身にバッテリーがありますし、基地局にもある程度のバックアップ電源もありますので停電時もしばらくは通信を継続できます。最近は『Twitter』などのSNSを介した情報発信も少なくありません。そう考えると停電時も継続して通信できる手段としてのモバイルWi-Fiルータは便利です。
また、自分が普段使っているキャリア“以外”のキャリアのモバイルWi-Fiルータを持っておくと、ネットワーク障害に対する冗長性を高めることができます。
筆者の環境で最近あったことを例にすると、キャリアAのスマホで一部のWebサイトにつながらないトラブルが発生しましたが、キャリアDのモバイルWi-Fiルーターを経由させたところ見事に読み込めて事なきを得た、ということもあります。先述の定額通信SIMカードを使った“節約”とは逆行する“出費”になりますが、冗長性を求める際にもモバイルWi-Fiルーターは有用なのです。
モバイルWi-Fiルーターをあえて持つことの3つのメリットを3つ挙げました。筆者個人としては、3つめの「もしもの時の“備え”」としてモバイルWi-Fiルーターを持つことは特にお勧めです。
自宅のブロードバンド回線にトラブルがあった際に、何度かモバイルWi-Fiルーターに助けられました。スマホ・タブレットで色んなことができるようになった時代だからこそ、モバイルWi-Fiルーターのメリットが改めて見えてくるのかもしれません。皆さんもぜひ、1台検討してみてください!
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