

格安スマホ「gooスマホ」3モデルは何が違うの?
gooから登場した格安スマホ3モデル、それぞれ1万円、2万円、3万円とわかりやすい価格と性能の違いが売りですが、いったいどのようなモデルに仕上がっているのでしょう。それぞれレビューしてみたいと思います!
最近、さまざまなメーカーや格安SIM事業者が格安スマホ(SIMフリースマホ)を発表するようになってきました。
そのどれもが、手頃な価格で、実用に耐えられる製品となっています。しかし、実は最近スマホ価格がやや高価格になってきています。先日発表されたASUSの「ZenFone 2」は、3万円台後半~5万円台、ソニーの「Xperia J1 Compact」も5万円以上という価格で、「ちょっと格安スマホを買ってみようかな」という価格帯とはいえなくなってきたのも事実。
しかし今回紹介するのは、価格が1万円から3万円とお手頃なのです。さらに大手ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントが発表した「gooスマホ(グースマホ)」3モデルは、それぞれオリジナルスマホとして。とても高い完成度の製品となっています。
はたして、3モデルの違いや、高い完成度と感じた理由とは…?
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目次
「g01」~「g03」はそれぞれ1万円、2万円、3万円
今回紹介する格安スマホは、「g01(グーマルイチ)」「g02(グーマルニ)」「g03(グーマルサン)」の3モデルです。そのどれもが5インチという大画面スマホで、型番の数字が大きくなるほど、高性能なスマホとなっています。それぞれの大まかな違いは、以下のようになります。
「g01(グーマルイチ)」
販売価格:1万円(税別)
LTE非対応の3G専用モデルで、もっとも手頃な価格帯の格安スマホ。拡大文字やシンプルホームアプリに対応しています。手頃な価格ですが、Android 5.0を搭載し、比較的サクサクした動作です。
「g02(グーマルニ)」
販売価格:2万円(税別)
このモデルからLTEに対応し、高速モバイルデータ通信できます。ディスプレイもHD化されたほか、カメラも800万画素とバージョンアップ。バッテリー容量も「g01」から大幅アップ。こちらもAndroid 5.0を搭載。
「g03(グーマルサン)」
販売価格:3万円(税別)
見た目は「g02」とほぼ同等ですが、スペックを大幅強化。オクタ(8コア)コアCPUや、SONY製カメラセンサー1300万画素カメラを搭載。本体記憶容量は「g02」の倍となる16GBと、動作メモリも倍の2GBとなっていて、負荷の高い高画質ゲームも楽しめるモデルです。
ジェスチャー&モーション機能や、“HiFi”サウンド対応も本モデルの特徴。
gooスマホそれぞれはデュアルSIM(2枚のSIMカードを挿せる)に対応していますが、片方は海外利用(GSM)のみ認識なので実質国内で使えるのは 1枚です。なお、「g02」と「g03」はリアカバーを外せませんので、横からトレーを出してSIMカードやメモリーカードを入れます。(画像は「g01」)


gooスマホそれぞれはデュアルSIM(2枚のSIMカードを挿せる)に対応
「g02」と「g03」の見た目はまったく同じです。


「g02」と「g03」
「g02」と、同じ5インチスマホの「Nexus 5」と比較したところ、「Nexus 5」よりもやや大きい印象を受けました。


「g02」(左)と、同じ5インチスマホの「Nexus 5」(右)
おおまかにはこのような違いがあり、「g01=ロースペックモデル」「g02=ミドルスペックモデル」「g03=ハイスペックモデル」となっています。また価格も、それぞれ1万円、2万円、3万円(それぞれ税別)という、とてもわかりやすい設定です。
実は共通の機能が多い3モデル
それぞれ3モデルを製造しているのは、大手スマホメーカーのZTE。主にデータ通信端末(ポータブルWi-Fi、デジタルフォトフレーム)や、ソフトバンク向けシンプルケータイ、スマホなど供給しています。そのZTEが作る格安スマホ3モデルは何ができるのでしょう。
実は、基本的にできることは共通化されています。
- 「Google Play」対応:多彩なアプリをインストールできる
- 「WPS Office」:WindowsのOffice文書やPDFの閲覧や作成ができます。日本では「Kingsoft Office」という名称のほうが有名
- 「FMラジオ」:その名の通りラジオです(要イヤホン)。周波数も日本のもの(76.0MHz~90.0MHz)となっているほか、録音も可能
- 「ミラーカメラ」(「g02」「g03」のみ):インカメラを使ってスマホを鏡がわりに使える
- 「トーチ」(「g02」「g03」のみ):カメラのライトを点灯して懐中電灯がわりに使える


パケットを使わない「FMラジオ」が入っているのは嬉しい
以上の専用アプリのほか、gooが提供するアプリも入っています。
- 『 OCN モバイル ONEアプリ』:NTTコミュニケーションズが提供する格安SIM「OCN モバイル ONE」を管理するアプリ
- 『050 plus』:割安で通話できるIP電話サービス
- 『 MyPocket』:インターネット上に写真などのデータを保管できるクラウドサービス
- 『リモートサポート』:使い方や設定がわからなくなってしまった場合に遠隔操作でサポートしてくれる
- 『 goo milk feeder』:さまざまなジャンルの最新ニュースが読めるアプリ


遠隔サポートサービスを提供してくれるのは格安スマホを使う上で安心感がぐっと上がりますよね!
これら以外は、カメラやボイスレコーダー、メール、ブラウザなど、どのスマホにも入っている標準的な機能と、Googleの基本サービスが入っている程度で、自由にカスタマイズ可能です。ちなみに、もともと入っているいくつかのアプリは削除できます。
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それぞれの使ってみた違いとは?
それでは、3モデルを実際に使ってみた違いはどのようなものでしょう。
もっとも手頃な「g01」
流石に廉価モデルだけあって、ディスプレイの視野角が狭く感じます。横など、角度を変えてディスプレイを見ると、けっこう見難い感じがしました。またディスプレイで使われているパネルも少し前に主流だったパネルで、指紋がつきやすく指がひっかかりやすいと感じました。
しかし、気になったのはそこだけ。ディスプレイの解像度こそ低いものの、文字が大きめに表示されます。動作もサクサクと動き、高負荷なゲームをさせなければ問題なく使えると思いました。もう一点、気になったのはLTE非対応ということ。自宅などでWi-Fiを使うのであればいいのですが、外出先で動画を観るといった使い方にはあまり向いていないでしょう。
また、ディスプレイが低解像度なので、パソコンサイトで小さな文字を表示させる、Office文章を表示させるのも向いていません。シンプルに、通話、メール、SNSをメインとして使うのが良さそうと感じました。


アイコンの文字も大きな「g01」
シンプルながら完成度の高い「g02」
「g02」から性能が一気に向上します。特に、スマホでもっとも見ることが多いディスプレイは、IPS液晶(HD)と、透過度の高い「インセルディスプレイ」により、発色が美しいと感じました。
また「g02」以降はディスプレイパネルに耐指紋コーティングされているので、さらさらな触り心地です。持った感じも、本体・ディスプレイともにラウンドしているので、5インチながら、とても持ちやすいなという印象を受けました。
カメラもF値2.0という明るいレンズと、細かい設定ができるカメラアプリのおかげで、800万画素ながらこだわりの写真が撮影できます。少し気になったのは、本体保存容量の空き容量が3.5GBしかなかったところ。大容量アプリや、動画撮影をするならばメモリーカードは必須だと思いました。


一見すると「iPhone」ぽいディスプレイ下部のキー部分(左)ボトムキーは「戻る」と「メニュー」を入れ替えできる(右)
安心して任せられる「g03」
見た目は「g02」と全く同じで、いっけん、見分けるのは難しいですが、中身は別物になっているのが「g03」。
オクタ(8コア)コアCPUのおかげで、非常にサクサクした動作で、ブラウザでのスクロールや拡大縮小も、もはや「ぬるぬる」と言っても良いレベルで動きました。今回の3モデル中では唯一、Wi-Fiの5GHz帯に対応しているため、対応ルーターを持っていれば安定した無線環境を得られます。動作の違いがはっきりわかるのは、3Dポリゴン処理などの表示。「g02」では秒間8コマぐらいになってしまうリアルタイムムービーも、秒間50コマ以上で再生できました。
しかし、高負荷な作業をさせると背面の一部(カメラの下あたり)がやや熱を持つのが気になります。動作するCPUやGPUが高性能になればなるほど、熱を帯びてしまいますが、その影響かもしれません。
本体の機能では、このモデル独自のジェスチャー&モーション機能が、操作を覚えれば便利だと感じます。ちなみに、今後アップデートで網膜認証機能が追加され、目の網膜を読み取ってロック解除できるようになる予定です。


「g02」と「g03」のカメラは細かい設定変更が可能
それぞれベンチマークテストしてみた
気になるのは、それぞれのモデルがどのぐらいの性能なのかという人も居るでしょう。
そこで、3モデルにそれぞれベンチマークテストを行ってみました。今回利用したベンチマークテストアプリは、定番の『AnTuTu Benchmark』と、3D性能を中心に測定する『 3DMark Ice Storm Benchmark』です。
まずは、『AnTuTu Benchmark』を試してみました。やはり高いスコアを出したのは高性能な「g03」で、スコアは32329でした。「Nexus 5」より少し下といった具合でしょうか。続いて、「g02」は21697、「g01」は20000とほぼ同じスコアとなっています。位置は、「ZenFone 5」のやや下ぐらいとなります。


ベンチマークテストは「g03」が頭抜けている格好に
続いて、『3DMark Ice Storm Benchmark』です。こちらも高いスコアを出したのは「g03」で、8475でした。「g02」は「g03」よりも大幅に落ちて、2576を、「g01」は2098でした。


3D処理では、さらに飛び抜けた性能を示した「g03」
つまり、ベンチマークテストを行った限りでは、処理速度は「g03」が飛び抜けているのですが、「g01」と「g02」はそれほど差がないようです。つまり、ゲームを多くする人や、動画をよく観る人など、本体の処理速度を気にする人は「g03」が良さそうですね。
ベンチマークテスト結果
AnTuTu Benchmark | 3DMark Ice Storm Benchmark | |
g01 | 20000 | 2098 |
g02 | 21697 | 2576 |
g03 | 32329 | 8475 |
もっともコスパの高いのは「g02」で決まり!
今回、短い期間でしたがgooスマホ3モデルを利用する機会を得られました。
その中で、どのモデルをオススメしたいかと言うと、ずばり「g02」です。触っていて、正直に思ったのは「2万円で、ここまでクオリティの高いスマホが出るなんてすごい」と思いました。
カメラも比較的綺麗ですし、なによりディスプレイが綺麗なのが決め手。また、「g02」はLTEも使えるのがポイント高いです。もし格安スマホでゲームをしたいなという人は、「g03」でしょう。今回の3モデルでグラフィック処理などは圧倒的に「g03」が飛び抜けています。しかし、ゲームしないよ、メールとSNSと、インターネットがメインだよという人は、やはり「g02」が手頃ですし、良いと思いました。
もうひとつ気になったのはカメラ。「g03」はSONY製センサーを使った1300万画素カメラ(対して「g02」は800万画素)を使っていますが、チューニングが甘いのか、正直「g02」との違いをあまり感じることができませんでした。逆に言うと、「g02」のカメラは完成度が高いとも言えます。その点もポイントとなりました。
ちなみに、「g01」はディスプレイがちょっと安っぽいのが気になりますが、1万円という価格は大変魅力的です。文字の大きな格安スマホや、とにかく手頃なスマホが欲しいという人に良さそう。
スペック表
g01 | g02 | g03 | |
OS | Android 5.0 | Android 5.0 | Android 5.0 |
CPU | MediaTek クアッドコア 1.3GHz | Snapdragon 410 クアッドコア 1.2GHz | Snapdragon 615 オクタコア 1.5GHz/1.0GHz |
ROM/RAM | 8GB/1GB | 8GB/1GB | 16GB/2GB |
外部メモリ | microSDHC/最大32GB | microSDHC/最大32GB | microSDHC/最大32GBB |
サイズ | 143.2×72.7×8.9mm | 144×70.7×7.7mm | 144×70.7×7.7mm |
重量 | 約150g | 約132g | 約132g |
ディスプレイ | 5インチTFT | 5インチ ISP液晶 | 5インチ ISP液晶 |
カメラ | 500万画素(インカメラ200万画素) | 800万画素(インカメラ500万画素) | 1300万画素(インカメラ500万画素) |
バッテリー容量 | 1850mAh | 2400mAh | 2400mAh |
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