

明治大学の中野キャンパスにお邪魔してきました
こんにちは。こんどう巨神兵です。現在、スマートフォンを利用して何年になりますか?
昔はスマホでゲームをしたり、位置情報を確認、SNSで情報を共有するだけでも「すごい!」と感じていましたが、今や遠隔で鍵を解除したり、トレーニング時のデータを自動的に収集して可視化するなど、スマホの進化に合わせて、周辺機器も活性しています。
いわゆる「モノのインターネット化=IoT」と呼ばれる分野ですが、どんなプロダクトもそもそものアイデアがなければ形になりません。


IoTの一つでもあるロック解除製品「246」
前置きが長くなりましたが、今回はアイデアがどこから、どんな風に、形作られてゆくのかを知るために「明治大学 プログラミング演習発表会」に伺いました。
入学して数か月しか経っていない1年生のアイデアですが、だからこそ「純粋」な発想から生まれており大変興味深かったです。クリエーターの卵たちのレポートをどうぞご覧ください。
今回お伺いしたのは、「明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科」1年生の発表です。本学科は2013年4月にできたばかりの学科で、「人を楽しませる」「豊かな生活に供与する」という「実質的な貢献」を重視しながら、リアルな世界を数理モデルで構築する、映像・音響メディアの情報処理を行う、革新的なヒューマンインターフェースの設計といった研究開発やそれに携わる人材育成を目指しています。


発表はそれぞれ研究グループごとで行われる。最初は橋本研グループからスタート!
早速1年目では、習ったばかりのプログラミングを使い、「自宅もしくは自宅50m以内のモノを再現する」という課題に挑みました。一人持ち時間は「90秒」。ステージの上では、自分がプログラミング実装したアイデアがスクリーンに映しだされています。はたして90秒でしっかり説明できるのでしょうか。
まずは「橋本研」の6名です。最初のアイデアは「CDプレイヤー」です。マウスでクリックするとCD入れが開き、CDを挿入後、再生ボタンを押すと音楽が流れるという再現をしました。実際に曲も再生されてリアル感は忠実です。


1発目の発表は「CDプレイヤー」の再現※開始直後の照明の関係でわかりづらい写真となりました
2番目は「時計」を再現。タイマーやストップウォッチ機能もついており、実用性が高いですね。日常品のアイデアは既にアプリ化もされているように、一般受けしやすい特長があります。


時計を再現。デザイン性が伴えば、実用度が高い?
3番目は「電動ブラシ」を紹介。実際に歯を磨くと汚れがとれるというゲーム性もあり、子どもの歯磨き指導に使えそうです。


可愛らしいイラストの電動歯ブラシ。磨くことで楽しさを再現
こういった流れで発表が続いてゆきます。ここでこんどう巨神兵が気になったアイデアを、ピックアップしてご紹介したいと思います。
「ワッフルレンジ」を再現したのは女の子の学生です。女の子らしい発想が形となり、会場もほんわかとなりました。


ワッフルレンジは女の子らしい発想から生まれた
「トイレットペーパー」を再現した学生もいました。ロールが尽きると、裸のままトイレを出てペーパーを探しに行かなければなりません。母親に見つかるとGAME OVERというゲーム付きです。


トイレットペーパーをどんどん回す(上)ロールが尽きると家を動き回りペーパーを探すゲームへ(下)
トイレットペーパーだけでなく、「シャンプー」や「ゴミ箱」という一見するとシンプルな物を再現した場合は、1歩踏み込んでゲーム性を盛り込むなどして、飽きさせないエンターテイメント色を個々に発揮していました。
さらに、自宅の前の工場や駅前を再現した学生もいました。物ではなくロケーションにフォーカスを当てた発想は面白いですね。


家の目の前にある某工場を再現。夜になると電気がつくとのこと。遅くならないうちに帰ろう
場所をテーマに決めた学生は、時間軸を再現する共通点がありました。「朝」、「昼」、「夜」で見せる顔が異なることを、意識してか無意識かはわかりませんが、普段から感覚的に捉えていたようです。
橋本賞(※橋本先生が選んだ優秀作品)をもらった一つに「金魚」があります。長年飼育している金魚を再現しました。プログラミングした当初は、単純な動きであまり金魚らしさを感じられず、胴体と尾ひれの動きをそれぞれ異なる動きに設定したようです。


一見すると普通の金魚だが、細部までこだわったプログラミングが評価された
題材となるテーマをしっかり観察し、こだわり抜いたディテールの深さが受賞理由ではないでしょうか。プロの開発者の方も改めて肝に銘じたいですよね。
そして、もし「andronavi賞」をあげるとするならば、こんどう巨神兵としては「一輪車」を再現した学生に贈りたいです。
小さいころから一輪車に乗っており大会にも出場しているという学生でした。大学生になった今では小学生に教えていますが、「5kmを20分で走ろう」と説明しても、どのくらいかわかってもらえないため、視覚的に理解してもらうための回転力の再現を行ったのが素晴らしかったです。


一輪車を再現。数値を上げると回転速度も変わるため、視覚的に理解できる
全体的に人を楽しませようとしたり、驚きを与えたりしてくれるアイデアが多い中、唯一「問題解決」にフォーカスを当てたアイデアだった気がします。
人の助けになるアイデアを形にする。まさにそれこそIoTの根幹につながるのではないでしょうか。
andronaviでは今後も、学生やクリエーターの卵を追いかけ、そこに宿る価値を紹介してゆきたいと思います。未来を握るその手のひらを、今後もご覧ください。
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