AIのすごい活用事例5選、あれから人工知能は進化していた

robot-2301646_640数年前から高い注目を浴びてきた「AI(Artificial Intelligence:人工知能)」。連日、多くのメディアでその動向が報道されて「第3次AIブーム」が到来したとも言われました。「AIが人間の仕事を奪う」という脅威論も広がったこともあってバズワード化しましたが、実際には精度が高くなかったり、必ずしもAIを導入しなくても済むケースも多くありました。そのため、一時期に比べて世間の期待や関心も落ち着いてきたのが現状です。しかし、AI技術の研究開発は着実に進み、日常生活の中で利用されるシーンが増えています。今回は、最新のAI活用事例を5つ紹介します。

 

レジで会計待ちをすることなく、スマートな買い物が可能な「無人決済コンビニ」

 

レジ無しAI店舗といえば、米Amazonの無人スーパー「Amazon GO」が有名ですが、JR東日本は2018年、JR赤羽駅でAIを使った無人決済店舗の実証実験を実施しました。サインポストが開発したAI無人決済システム「スーパーワンダーレジ」が活用されています。

 

利用者は、店舗入口で交通系電子マネーをかざして入店し、店内に陳列された食品や飲料などの商品を手に取るとAIが自動的に購入金額を算出し、決済ゾーンで交通系電子マネーで決済できるという仕組みです。

 

スーパーワンダーレジは、天井に複数個設置されたカメラで人物と商品を認識し、どの人物がどの商品を取ったかを認識するシステムで、商品を事前に個別学習させることで認識させるAI技術を用いています。

 

JR赤羽駅に設置された無人コンビニのイメージ(引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000034286.html)

JR赤羽駅に設置された無人コンビニのイメージ(引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000034286.html)

 

また、AIを活用した無人店舗の構築サービスを手掛ける米スタンダード・コグニションは2019年夏、同社のシステムをドラッグストアチェーンの薬王堂の仙台泉館店に導入する予定です。その後、2020年夏までに国内3000店舗への導入を目指すとのこと。これから国内でも無人決済コンビニが一気に普及していくかもしれません。

 

 

AI先進国・中国で誕生したリアルすぎる「AIアナウンサー」

 

AIを活用するメディアも近年多く登場しています。いつでも迅速かつ正確にニュースを伝えられるように誕生したのが「AIアナウンサー」です。

 

中国の国営メディアである新華社通信(Xinhua)は、検索エンジンを手がける搜狗(Sogou)と共同で2018年11月、本物の人間そっくりなAI男性アナウンサー2人をお披露目しました。あまりにもリアルで衝撃的な映像が世界中で話題になりました。

 

これは、中国の烏鎮で行われた「World Internet Conference」で発表されたもの。人間のアナウンサーの映像から抽出したスピーチや唇の動き、表情などから合成されています。テキスト記事を入力すると、AIアナウンサーは人の声や口の形を真似てニュースを伝えます。

 

 

新華社通信では「人間のアナウンサーは1日8時間しか働けないが、AIは1日24時間、週7日働ける」という利点があると説明しています。「張昭」(英語担当)と「邱浩」(中国語担当)の2人がすでに約3400件の報道、時間に換算すると合計1万分のニュースを報じる実績を積んでいるとのことです。また同社は2019年2月、女性バージョンのAIアナウンサーを用意していると中国現地メディアに報じられています。

 

国内でもAIアナウンサーはすでに活躍しています。NHKは2018年4月、一部の番組でニュース原稿をAIに読ませるサービス「ニュースのヨミ子」を開始しています。同社に所属するアナウンサーに大量のニュース原稿を読んでもらい、録音した音声データを10万語の音素に分解。AIはNHKのウェブサイト上のニュース原稿をもとに音素を組み合わせて発声します。

 

ニュースのヨミ子(引用元:https://www.nhk.or.jp/nc11-news/yomiko/)

ニュースのヨミ子(引用元:https://www.nhk.or.jp/nc11-news/yomiko/)

 

 

AIで視覚的に情報検索 スマホでも使えるAIツール

 

画像認識を応用した高度な検索機能をより身近に使えるようになっています。米Googleが提供している「Google Lens」は、スマホのカメラを向けた被写体に関する詳細を簡単に知ることができるアプリです。自動的に被写体を認識して詳細な情報を表示してくれます。

 

例えば、画像に映っている建物や植物、動物の情報を表示したり、写真の中の文字を認識して抽出したり、衣服や家具、電化製品などを認識して、類似商品を検索することができます。また、名刺の写真から、電話番号や住所を抽出し、簡単に連絡先に保存することも可能です。

 

Google Lens(引用元:https://www.blog.google/products/google-lens/google-lens-real-time-answers-questions-about-world-around-you/)

Google Lens(引用元:https://www.blog.google/products/google-lens/google-lens-real-time-answers-questions-about-world-around-you/)

 

Google製のAndroid端末「Google Pixel」で先行リリースされたGoogle Lensですが、「Google フォト」アプリや「Google アシスタント」から、またiPhoneでも利用することができます。

 

 

ウェアラブル端末に搭載されたAIが不審者を発見 中国の警察がスマートグラスを導入

 

中国では、犯罪対策としてAIを使った大規模な監視ネットワークの構築を進められています。中国の河南省では、駅で不審者を迅速に把握するため、AIによる顔認証システムと連動したメガネ型情報端末の利用を開始しています。

 

※写真はイメージです。

※写真はイメージです。

 

米Googleが開発した「Google Glass」に似たメガネ型のウェアラブル端末で、駅を歩く人の顔の画像データを取り込み、データベースに登録された不審者リストと照合。問題のある人物かどうかを短時間で判断できるとのことです。中国メディアによると、2018年の春節の期間中で、逃亡中の容疑者7人のほか、他人の身分証明書を不正に使用した26人をすでに摘発した実績があるそうです。

 

新技術の導入で捜査の効率化が期待できますが、重点的に監視される少数民族などの「人権侵害につながる」(人権団体)と懸念する声も上がっています。

 

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本国内でもIT大手ベンダー各社がAI監視カメラを相次いで発表しています。画像認識を活用した監視システムは、日本のみならず世界中で重要なインフラになりつつあります。

 

 

駅構内の異常行動をAIで検知 より安全な東京駅に

 

ディープラーニング技術は、大量の画像を学習して同一特徴を持つ人物を検知することができます。大勢の人が集まる駅やイベントなどにおける警備にもAI技術が活用され始めています。

 

JR東日本の駅やショッピングモールの警備を担当しているセントラル警備保障(CSP)は、2019年内にも東京駅を含む主要駅に監視カメラの画像解析システムを導入する計画です。

 

このシステムは、駅のホームやコンコースなどで乗降客の異変や病人、酔っぱらい客など異常行動をパターン化してAIに学習させ、事件の予兆や自殺予防など将来起こりそうなリスクを検知するというものです。単純なカメラ監視ではなく解析機能を付けることで、より安全な環境整備を目指しています。

 

CSPでは、2013年にJR横浜駅の監視カメラに画像解析システムを導入。そこで得たデータを基に、より検知精度を向上させたシステムを導入する予定です。今後はJRだけでなく、私鉄やマンション管理会社などへの提供も視野に入れているとのことです。

 

 

進化し続けるAIは、より身近な存在に

 

1956年に開催された「ダートマス会議」で初めて登場したAIという言葉は、約60年の歳月を経て、機械学習の進展や「ディープラーニング(深層学習)」の登場とともに実用化が進んでいます。

 

AIを活用することで、コンピュータは人間が行うような画像や音声の認識、予測、分類などを自ら学習することが可能になりました。また、24時間休むことなく学習し、処理を続けることができるため、ミスがなく迅速で正確な仕事もこなせるようになっています。より安心・安全、快適で便利な生活をAIが下支えする時代が訪れています。

 

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