楽天モバイルの「基地局仮想化」で携帯電話キャリア勢力図が塗り替わる

楽天モバイルが独自の通信ネットワークを所有し、MNOに参戦する事が大きな話題になっています。特に注目すべきは基地局を仮想化する方式です。これまでの通信事業者の勢力図が一気に変わる可能性がある基地局の仮想化とは、どのようなテクノロジーなのでしょうか。

これまでは基地局は「ハードウェア」だった

既存の通信事業者においては各基地局ごとに専用の大規模な設備が設置されていました。通信回線のベースとなるBBU(ベースバンドユニット)は最も大きい設備で、これを設置している各基地局ごとに設定やメンテナンスが必要になります。

ですので、物理的にBBUが故障した場合、機械を修理交換しなければなりません。ハードへの再設定が終わるまでは通信回線がダウンするため、復旧まで時間がかかります。

また、ネットワークの更新などの際にもBBUを直接操作する必要がありました。時間だけでなく人件費等のコストもかかる仕組みだったのです。

楽天モバイルの仮想化基地局は「ソフトウェア」

これに対して楽天モバイルの仮想化基地局は、クラウド上に構築したソフトウェアによって動作します。楽天の基地局にはBBUはありません。アンテナと無線機が一体化しており、この無線機を通じて楽天のデータセンターからコントロールされます。各基地局用に設置された物理的なハードウェアではなく、データセンターがソフトウェアによって一括で操作するのです。

仮想化基地局のメリットはメンテナンスや修理の際に、作業を行う人件費が不要なことがあげられます。さらに何かのトラブルで基地局がダウンした際にも、クラウド上のサーバーでソフトウェアを初期化すればすぐに復旧できるのです。

既存インフラがないから強い楽天モバイル

基地局の仮想化は、NTTやSoftbank、auも行う動きはあります。しかし、大手3社に関しては既存の大規模設備による基地局のインフラが完成してしまっているため、これを全部仮想化するとなると莫大なコストと時間がかかります。

これに対して、楽天モバイルは既存の回線ネットワークが一切存在しないため、ゼロから仮想化基地局のネットワークを構築できるのが強みです。さらに目前に迫った5Gネットワークに完全に対応する前提で開発が可能なのです。楽天モバイルは大手3社に先手を打ち、5Gネットワークに完全対応するキャリアになる可能性があります。

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