

高齢者でもPCやスマホを日常的に利用するようになり、大切な情報は全てスマホの中に保存されているのはもはや珍しくありません。これまでは亡くなる前に遺族にとって必要な情報を全て紙で残しておくのが普通でしたが、スマホ内の情報をどうするかは意外な盲点となっています。遺族が個人のデバイスをどう扱うべきか考えてみましょう。
パスワードがわからずどうしようもない


故人の遺品整理をしている際にスマホやPCが出てきても、パスワードがないため開くことができないケースは非常に多いようです。このようなケースで闇雲にスマホをいじるとさらに自体が悪化する危険があります。何度も違うパスワードを入力することでスマホが初期化されてしまうのです。こうなるとスマホに眠ったデータは完全に取り出せなくなってしまいます。
また、スマホのパスワードを解析するのも非常にハードルが高く、いわゆるデジタル遺品処理業者に持ち込むと30万円程度が発生します。パスワード解析が無理という場合もあるので、その場合は諦めるしかありません。
トラブルになる可能性のあるデバイス内の情報


下記のようなデータは対応できず放置しておくとトラブルになるケースがあります。
- インターネットバンキング上の故人資産
- レバレッジをかけて運用しているスマホ投資
- 仮想通貨資産
- スマホ上にしか情報がない借金
- オンデマンド動画など月額制のサービス
最近は通帳を発行しないインターネットバンキングが増えています。全ての取引はネット上で行われ、現金を引き出す時だけキャッシュカードを使用します。しかし、これらの口座はネット上の取引にしか使用しない人もいるため、キャッシュカードを財布に入れていないケースもあるようです。結果、銀行に口座があること自体がわからず、資産が眠った状態になります。キャッシュカードが出てきて資産があることが判明し、相続がやり直し…となってしまうのです。
またスマホ投資や仮想通貨資産のような、短期で資産価値が大きく変わるようなものも頭が痛いです。死亡時にわかっていればすぐ解約したのに、発覚した際には相場が下落しており、逆に借金が発生していた、税金がすごいことになっていたなどのケースもあります。泣く泣く遺産相続自体を放棄ということも実際にあり得ます。
他にも月額制のサービスに加入していたのがわからずに、死亡後数ヶ月して延滞料金の請求書が送られてくるということもあります。
しかし、パスワードがわからない以上、遺族としてはどうすることもできません。ですので、家族で万が一の時はどうするかあらかじめ決めておくことが大切です。パスワードや必要な情報を書いた神を保管しておく場所を共有しておくのも良いでしょうし、貸金庫などを活用するのも良いでしょう。
常日頃から遺族のことを意識する


高齢者の場合は、自分が亡くなった時のことを日常的に意識してデバイスに向き合った方が良いでしょう。最終的にはアナログな方法を活用するしかありません。スマホロックのパスワードや各種サービスのID、パスワードは遺族が見つけやすいところに保管しておくべきです。お金に関わることはしっかり準備をしておくのは、形は変われど今も昔も同じです。